公式イベント ②ダンジョン探索
この話からダンジョンに行きます~
遠目に見えるピラミッドに向けて歩き出す俺とゼノン君。近ずくにつれてNPCたちが遺跡と言っていたのがよくわかった。遠目にはピラミッドに見えていたが、三角錐の形ではなく頂上は小さな小屋が出来ていた。マヤ遺跡のような建物だ。
ダンジョンに入るには頂上に行かないといけないようだ、行くための階段には長蛇の列だが、進むスピードは速い、俺達も最後尾に並んだ。そして待つこと数分俺たちの番がきた。
『来ていただき感謝します、異界の住人よ。』
入口らしき下り階段の横に、薄い羽が背中から生えている青いロングヘアーの女性が立っていた。
『ここの階段を下れば、遺跡内部へと進めます。しかし内部の空間は安定しておらず4種類の場所の中からランダムに選ばれるでしょう。私たち大精霊の力を使ってもそれが限界でした。どうかこの遺跡の調査をお願いします。』
そう言って女性は深く頭を下げた。いろいろ質問したいのだが、後ろで待っている人たちもいるし会話はできないな・・・ここは簡単に答えとこ。
「できるだけやってみます。」
「僕もです。」
そう答えてから俺たちは階段を降り始めた。後ろでは先ほどの女性が『頼みましたよ・・・』と呟いていた。進んでいくとそこは洞窟だった。
「初めは洞窟タイプか・・・」
「意外と明るいですね・・・」
このイベントはダンジョンの中に異次元の空間が存在し、いくつかの場所が形成されているらしい。その中の一つが今俺達のいる洞窟タイプだ。事前情報通りかなりの広さと松明による明りで見えやすいこれならジークを召喚しても窮屈さは感じないだろう。
ちまみに、ここまで来るのにジークたちは召喚していない。と言うのもダンジョンが出現した影響でコボルトたちが居なくなったのだ。そのおかげでここまで戦闘せずに来れたがね、後ダンジョンに入るまでに召喚したら人口密度が倍になってしまうしな。公式サイトでも注意喚起がされたので、皆従っていたわけだ。
「とりあえず召喚しておくか。」
「そうですね。」
「「召喚!!」」
召喚を行い現れる2体、ジークには変わり映えする要素はないが、オメガの装備が変わっていた。以前は胸当てだったが今はスケイルメイルに、盾もスケイルシールドになっていて大きさが前にヴォルフに見せてもらった物より一回り大きい、大盾に近い形状の長方形だな。武器も凶悪になってる棘付鉄球のメイスだ。
「装備派手になったな・・・」
「ええ、結構お金が掛りましたね、でもその価値はありました。」
そうだろうな、この装備を付けたオメガはなかなかの迫力が出てる。ぶっちゃっけもうボスと言われても納得してしまいそうだ。
「本当なら防具は全身鎧にしたかったんですが、なじみの生産者さんに反対されまして・・・」
「なんでだ?」
「一回目の進化をしてからの方がいいそうです、なんでも体も大きくなるかもしれないから、作った物が装備できなくなる可能性があるそうです。全身鎧はお金もかなり必要らしいので無駄になるぞと言われて。」
ジークは装備できないからそこら辺の感覚が分らないだよな俺は・・・まあ、でもお金が必要てのはなんとなくわかる。体全部を金属の鎧で覆うわけだし、材料だけでもかなり集めないといけないだろうしな・・・
「ですから今回のイベントはお金もかなり稼がないといけないんです。」
「そのためにも今日はどこまで行く?」
「そうですね・・・とりあえずこの洞窟の魔物と戦ってみましょう。どのくらい強いのか知っておいた方がいいと思います。強ければここでLV上げ、オメガたちより弱ければ、先に進むか素材を集めるか考えましょう。」
「そうだな、異議なしだ。」
方針を決めて洞窟の先へと進む俺達。隊列はジークが前でオメガが後ろ、この隊列はジークの方が防御力が高くオメガより戦闘時は素早いため、このような形となった。え、オメガより早いなら後ろの方がいいのではないかって?オメガより早いが小回りと言う点ではオメガの方が優れているので、このような配置である。ジークは動きが早くても大きさゆえに遊撃には向かんのです。
進んでしばらくすると、目の前からカサカサと言う音が聞こえてきた。俺たちは立ち止まり様子を窺う、すると目の前に大きな蟻が3匹姿を現した。とりあえず鑑定!
<ビックアント Lv9>×3
何ともシンプルな名前である。あちらもこちらに気付いたようで顎をカチカチと鳴らし威嚇?している。
「ゼノン、オメガに1匹任せていいかな?ジークに残りを相手させるから。」
「わかりました、気を付けてください。蟻ですから酸なんかを吐いてくるかもしれません。」
ふむ、確かに・・・ゲームでは割とよくある行動だな。ジークにはよく効くかもしれないし気を付けよう。
「忠告感謝だ。気を付けるよ。」
俺の言葉にゼノン君は頷きで返す。確認し終わったところで蟻たちがこちらに向かってきた。3匹並んでいるので、俺はジークに指示を出す。
「ジーク!その場を動かずに向かってくる真ん中の蟻に左拳を当てろ!」
「オメガ!僕たちは右の蟻を倒すよ!」
『ごぉー!』
『カカぁ!』
相手が向かってくるのでこちらが迎撃する形となった。相手が意外と速いので下手に動くと相手を見失いかねない。オメガが俺達の邪魔にならないようジークの右側に、移動してくれたおかげで左腕を振り回せる。ゼノン君の指示に感謝だ。そして蟻たちがジークの間合いに入った瞬間・・・
『ごぉ!』
ジークが左拳を当てるために腕を振り下ろす。蟻はこれを避けようとするが、ジークの攻撃の方が素早くさらに、避けた先に微妙に追っているように見えた。そして・・・
ドッコォォォ~ン!!
洞窟の地面に激突して大きな爆音を発生させた。これには俺やゼノン君はおろか蟻たちもびっくりしたようで皆しばらく硬直した。攻撃を受けた蟻は、クリーンヒットはしなかったが体に掠りさらに至近距離であの爆音を聞いたため、気絶しているようだ。俺は硬直した体に活を入れるため頬を手のひらで叩き、ジークへと指示を出す。
「ジーク!気絶している蟻に止めを刺せ!」
『ごぉー!』
そう指示するとジークは左腕を頭上に上げ振り下ろした。この攻撃は蟻に見事に当たり、ドコン!と先ほどより弱めの音を出し、光の粒子へと変えた。
「オメガ!僕たちも目の前の敵を倒すよ!」
『!カカぁ』
先ほどの攻撃の音でゼノン君は正気に戻ったようで、戦闘を再開した。こちらももう1匹の蟻も正気になりジークに向かってくる。
「ジーク、蟻が攻撃してくる!耐えてくれよ!」
『ごぉ』
俺は蟻の攻撃手段を確かめるためにも、ジークに防御の指示を出した。すると蟻はそのまま体当たりをしてその後に顎によるかみつきを行った。体当たりは効かなかったが、かみつきはジークのHPをわずかに減らした。
「ジーク、足元にいる蟻に拳を当てまくれ!」
『ごぉー』
そう指示を出すと、ジークは蟻に対して両腕の拳でボカボカ殴り始めた。強さ的にはジャブの連打と言ったところか・・・何度か当て続けると蟻は力尽き光の粒子となった。
ゼノン君たちも終わったようでイベント初戦闘は俺たちの勝利で終わった。
ステータス表記は次回で、次は18時更新予定です。




