公式イベント ①イベント開幕!の前に・・・
おまたせしました~
明日はいよいよアップデート当日であり初の公式イベントが始まる日。ゲーム内ではその準備の最後の追い込みをしていた。一方俺はと言うと・・・
「なるほど・・・これはうまいな!」
「本当ですね!特にスープが気に入りました!」
「喜んでくれたのなら何よりだ。」
俺が泊まっている宿屋の食堂でヴォルフとゼノン君を誘い、一緒に食事をしていた。カルタさんも誘ったんだが、彼女は知り合いとイベントに向けてLv上げや話し合いをするとのことで、断られた。ちなみに俺達もイベントに向けての話し合いも兼ねている。決して食事だけが目的ではない。
「これだけうまいと、料理スキルを取るの考えてしまうが・・・無理だな。」
「無理?」
「リアルで料理センスが欠片もないからな・・・システムのアシストがあるが多少はセンスも要求されるんだよ、生産系は・・・」
「そうなのか・・・」
今は食事に感動していてイベントの話は欠片もしてないがな・・・
「まあ、生産スキルについては今はいい、イベントについての話し合いを始めよう。」
「そうだな。」
「異議なしです。」
「二人は公式サイトのアップデート内容にについてどう思う。」
「いや、どう思うも何も・・・アップデート内容は俺には関係なかったしな・・・」
「僕もですね・・・」
今回のアップデートについては主に3つのことが話題に上がっている。
1つ目、北エリアに少ないがダンジョンがあり、それの魔物の強さ修正および宝箱の種類の追加。またダンジョンの追加もあり、他のエリアにも増えるとのこと。
2つ目、スキル進化の追加。これまではスキルはLvが上がるだけであったがこれからは一定のLvになるとスキルが強力なものに進化するのだ。これはPCからスキルを増やしてほしいとの要望があり、ただ増やすだけではなくより面白くしようとした結果らしい。もちろんスキルも増えていて、スキルを覚える特殊なクエストも増やすらしい。
3つ目、称号の追加と難易度の修正。これは運営が想定していたより称号獲得者が少なくて、より手に入りやすい称号を追加。またすでにある称号も手に入れる過程を見直すそうだ。
以上3つのことがPCの間で話題に上がっている。他には見つかった不具合や問題の修正、NPCのAIのチェックなど細かいのもある。1つ目と2つ目に関してはやり始めた俺達にはまだまだ先の話だろうし、3つ目に関してはロクな情報がないので判断のしようがない。
というか、称号を手に入れたPCは少ないんだな。(本当は彼一人しか称号は手に入れてないのだ)
「まあ確かに、始めたばかりのPCには関係なさげか?」
「そういうヴォルフはどうなんだ?」
「俺はいくつかの生産スキルが結構なLvだからな、当日は確認せねばならんだろう。」
「じゃあ、ダンジョンには行けないんですか?」
「さすがに、開幕すぐにには行けそうにないな・・・」
「開幕はかなり混むだろうしな・・・」
「入るまではそうだが、今回のダンジョンは大人数にも対応していると公式サイトに書いてあったし、入れば問題ないだろう。」
今回のダンジョンはPCが中に入れば、いくつかの場所に転移するらしい。場所はさまざまで洞窟タイプや遺跡、森や海岸まで幅広い。ほかのPCとはなるべくかち合わないようだがそれも絶対ではない。
「ふむ・・・それならゼノン、俺とパーティー組んで行くか?」
「いいんですか?」
「もちろんだ、ゼノンとは何度か組んでるし、ジークもオメガと一緒の戦闘は慣れているだろうしな。」
「ありがとうございます!待ち合わせはどこにしますか?」
「ゼノンがよければここで待ち合わせるか?」
「でしたら僕もここに泊まります。」
「俺からも女将さんに頼んでみるか・・・」
のちに女将さんに頼んだところ、問題ないとのこと。俺の知り合いなら大丈夫でしょうと言っていたがどういう意味だろう?
「俺もスキルの確認が終われば、ダンジョンへは行ってみたいから、その時は俺も入れてくれよ?」
「いいぞ、フルパーティーで行ってみたいしな。」
「楽しみです。」
それからは雑談をしてお開きとなった。リアルの明日は待ちに待ったイベント当日、年甲斐もなく興奮しているな俺。
そして今日ついにイベント当日になったのだが・・・アップデートがなかなか終わらずまだログインできない。仕方ないので仕事帰りの体を休ませるためにもちょっと仮眠をし、起きたら家事をして時間をつぶした。アップデートに時間がかかるのはよくあることだしな。
そうやって時間を潰すこと数十分後、ようやくアップデートが終わりゲームすることができる。明日明後日は貯まっていた有給休暇を申請したので、かなりの時間をゲームに使える!それでは準備をして、ログイン!
ログインして早速ゼノン君と合流するため、食堂へと行く。
「おや?」
「フレンさんこんにちは。」
食堂へ向かうため階段を降りたら、カウンターで女将さんと話していたゼノン君が俺に気付いて挨拶してきた。
「こんにちは。早いなゼノンは。」
「待ちきれなくて、ログイン準備をして待機してました。」
そう言いながら照れているのだろう頭の後ろを手で掻きながら、苦笑いを浮かべていた。
『こんにちはフレンさん。』
「女将さんこんにちは。」
『今日は東の平原に出現した。遺跡に行かれるのですか?』
「はい、そうですよ。」
『そうですか・・・大精霊様の依頼だそうで私たちにできることがあれば言ってくださいね。』
「おいしい食事を食べさせてくれるだけで十分ですよ?」
「そうですよ、昨日の食事は絶品でした。」
『あら、ありがとうございます。料理人にも伝えておきますね。』
それから、他愛のない雑談をした後宿を出て東門に向かう。
「これはすごいな・・・」
「そうですね・・・」
そこには大人数のPCが列を作っていた。どうやら東門から出るのはPCだけに限定しているようだ。町からしたら異常事態だもんな、近くにダンジョンが出来たわけだし。門番の数も多いような気がする・・・
「今からパーティー組んどくか・・・」
「その方がよさそうですね。」
本来ならダンジョンを確認してから組む予定だったが、列がパーティーで並んでるようなので俺達も合わせよう。そして俺たちの番がやってきた。
『君たちも遺跡に向かうのか?』
「はい、そうです」
『気を付けてな・・・』
顔なじみになっていた門番からそう言われ、俺たちは頷くことで答えた。東門を出たら南の方角にピラミッド型の遺跡が見える。あれがダンジョンだろう。
「いよいよですね。」
「楽しみだな。」
さてさて、何が待っているやら・・・




