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ゲーム内の状況は?

「まず【アヴァロン】のその後だが・・・今回の件が原因で生産職のPCからは取引ができない状況だ。」

「でも、【アヴァロン】にだって生産職はいるんだろう?」

「だからといって、すべてのことをギルド内だけで完結するのは難しいだろう。足りない素材を買い取ったり、リアルの事情でログインできない場合だってあるだろう。廃人プレイしていたとしてもな。」


確かに俺のように仕事が急に忙しくなったり、トイレや風呂、睡眠などでログアウトしないといけない場合だってあるしな。蛇足だが、そういうときはメニュー画面が睡眠不足や尿意などを教えてくれる。設定してれば来客や電話着信などもだ。


「ほかには、ゲームを始めた初心者にも無視されてるな。そんな状況なんで当然【アヴァロン】に入ろうなんて奴はいない。自業自得だな。」

「まあ、あれだけ叩かれたとこには行く気はしないだろうな。」

「【アヴァロン】の状況はそんなとこだが・・・一つ気になる情報がある。」


ん?なんだろう?厄介ごとじゃあなければいいが・・・


「連中の何人かが、南門に居続けているらしい。知り合いの生産職が目撃したんだが・・・誰かを探している様子だったと言っていた。」

「それって・・・」

「ああ、まちがいなくアナウンスでボスを倒した討伐者を探してるんだろう。何をする気なんだかな。」


あんなことした連中の仲間が俺を探しているか・・・ヴォルフが俺の名前を口にしなかったのは誰に聞かれるかわからないから念のためといったところか。


「じゃあ今は、南門には行かない方がいいな。」

「ああ、その方がいいだろうな。他のPCもこの情報を聞いて寄り付かなくなってるからな。」


だろうな。勘違いで声をかけられても面倒事になるのは間違いないしな。


「以上が、ゲーム内の近況だな。南門については頭の痛いことだがな・・・」


溜息を吐き、そう言葉にするヴォルフ。あんまり長くいるようなら俺から運営に連絡した方がいいかな?


「頭の痛い話はこれで終わりにしよう。次はフレンに頼みたいことがあるんだが時間はあるか?」

「頼み?ああ、今日の予定は未定だから大丈夫だぞ?」

「そうか、ならちょっと待ってくれ今・・・」

「こんにちわ~」


店に入ってきた人は、俺の知っているPCだった。


「おお、ゼノン久しぶりだな。」

「フレンさん!今日はログインしてたんですね。」


トラブルの前に知り合いになった、スケルトンを召喚獣に選んだゼノン君だ。同じ不人気の召喚獣持ちなためフレンド登録をしたんだよな。よく見るとゼノン君の服装が初期の状態から変わっている。赤色のローブに上着は白、ズボンは茶色のおしゃれな服に代わっている。


「あれから僕は、東エリアで狩りをして初期装備を卒業できました。オメガの装備もいくつか変わったんですよ。」

「それはすごいな。」


俺がログインできない時間で、ゼノン君はかなりやりこんだようだな。リアルが大丈夫か少し心配になるけど・・・リアルのことを訪ねるのはマナー違反だしな。


「これで揃ったな。二人には頼みたいことがあるんだが、話だけでも聞いてくれないか?」

「話の内容次第だな。」

「僕も、同じです。」

「わかった、まずは内容だがリザードマンの緑鱗が欲しいんだ。それも大量に。」


話し始めたヴォルフの口から出たのは、ちょっと難しいことだった。


「・・・なんでその素材がほしいんだ?」

「今、タジン師匠のもとで教えてもらっていることには、緑鱗が大量に必要だからだな。これをできればスケイルメイルやスケイルシールドが作れるんだ。」

「ほう?」


強力な防具が作れるようになるのはすごいことだな。俺には意味はないが・・・ゴーレムは防具や武器が装備できないしな~でも、進化すれば武器なら可能性はあるかな?


「そんなわけで、二人にリザードマン討伐を依頼したいんだ。どうだ?」

「う~~ん」

「難しいか?」

「ああ、そうだな・・・」


はっきり言ってリザードマンは強い。ジークにダメージを与えた攻撃力も脅威だが、おそらく連中は連携戦闘をしてくるだろう。初めて戦った時も二体の連携がうまく機能していたら危なかっただろう。


「さすがに二人では一回の戦闘はともかく、連戦はきついな。」

「そうですね、僕もそう思います。」

「そうか・・・どうするか・・・」

「ちなみにヴォルフは戦闘はどうだ?」

「俺は当てにしないでくれ。俺の召喚獣はドールだがほとんど生産作業の助手にしている。それにこの前に試しに東エリアでコボルトとパーティーで戦ってみたが3対1でも苦戦したからな・・・」

 

「ちなみに他の2名もドールだった」と付け加えていた。う~んだったらどうするか。フルパーティーならリザードマンでも連戦できそうなんだがな・・・


「フレンさんには、誰かパーティー組んでくれそうな人に心当たりはないですか?」

「そう言うってことはゼノンには・・・」

「はい、心当たりはありません・・・」

「俺はいないことはないな。」

「そうなのか?」

「ちょっと待ってくれ。確認するから。」


そう言ってから、俺はフレンドリストを開き目当ての人がログインしているの確認後、ボイスチャットを使う。その人は俺が初めてフレンド登録したカルタさんだ。


<もしもし、フレン?>

「どうも、カルタさんお久しぶりです。今大丈夫ですか?」

<ええ、お久しぶりね。今は大丈夫よ、ログインしたばかりだし。>

「そうですか、実は今日はパーティーのお誘いなんですが・・・」

<あらそうなの?だったらOKよ。詳しい話は会ってから聞くわ。>

「いいんですか?」

<ええ、実は今日の予定はリアルの友人と一緒にやろうって話だったんだけど、その友人が急な用事で来れなくなってしまってちょうどよかったわ。>

「ありがとうございます。今俺がいる場所は東門近くのタジン武具店という店にいます。」

<了解よ、できれば店の前にいてくれると助かるんだけど・・・>

「わかりました、待ってます。」

<お願いね。すぐ行くわ。>


そんな会話をした後、ボイスチャットを切り二人に報告する。


「来てくれるそうだ、詳しいことはここで聞くと言っていた。」

「そうか、ありがたいことだな。」

「楽しみです。」


まあ、一緒に来てくれるかは、話を聞いてからだけどな。とりあえず店の前でカルタさんを待ちますか。

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