トラブルのその後は・・・
予定していた更新です。お楽しみください♪
あれからリアル時間で二日が経過した。その間俺は残念ながらサラオンはやっていない、仕事が忙しくなってしまいやる時間を確保できなかったのだ。とはいえネットで調べることはできたので、【アヴァロン】がやらかしたトラブルのその後は把握していると思う。ゲーム内の情報がないので断言はしないが・・・
掲示板でおそらくヴォルフと思われる人物が情報を提供し、その証拠のSSもある。こんな状況では証拠のない【アヴァロン】は何を言っても信用されることはなかった。しかもこの情報はすごいスピードで広がりネットゲーマーの間では知らない人はいないほどになってしまった。
このことで【アヴァロン】はゲームの内外から叩かれているようなのだ。そんな状況になって【アヴァロン】がよく利用する掲示板で【アヴァロン】ギルドマスターが次のようなことを書き込んだ。
”今回の一件は我がギルドの一部の人間が先走り起こしてしまったことである。これを止めることができず嘘の情報が広がったことは大変申し訳なく思う。当事者たちには我がギルド内で重い罰を与えることを約束する”
この書き込みでも【アヴァロン】は反感を買ってしまった。“一番の被害者である討伐者への謝罪はどうした!” や “罰がぬるい!運営に通報ぐらいしろ!” あとは “そもそも謝る気あんのか!こんなことになっていつまでトップ気分でいやがる!” などなど元々人気や、ゲーム内での行いが原因でこの書き込みの謝罪は火に油を注ぐ結果になった。
かなりの騒ぎになってしまい、とうとう運営が動いたのである。まず掲示板に嘘の情報を書いた、【アヴァロン】のギルドメンバー総勢8人に三週間のアカウント停止。さらに事態を止めずむしろ大きくしたとして、他のギルドメンバー(マスター含む)にも罰として警告と厳重注意がされたようなのだ。
こうして今回のトラブルは一応の終わりとなった。掲示板では運営の行ったことに対しての賛否が書き込まれている。なお賛否の否は “もっと重い罰がいいのでは?” という罰をもっと重くしろの意見が多い。
さてトラブルの件はもういいとして、そろそろログインしますかね。やっと仕事が落ち着いてサラオンをやる時間が取れた。ゲーム内ではどうなっているやら・・・
ログインした後、宿屋の女将さんに挨拶するためカウンターに向かう。
「女将さん、お久しぶりです。」
『あら、お久しぶりです。ずいぶん長かったですね?』
「向こうで用事が立て込みまして・・・」
『そうですか、お体は大丈夫ですか?』
「ええ、大丈夫です。お心遣いありがとうございます。」
『ふふふ、どういたしまして。では気を付けていってらしゃいませ。』
女将さんの言葉に礼をして、宿を出る。ちなみに魚の報酬は以前ログアウトする前に女将さんから魚の買い取り額として3600カロン戴いた。なんか金がどんどん貯まるな~まあ、いいか、さて召喚士ギルドの様子でも見ていくか。
「こいつはすごいな・・・」
俺の目の前には、列を作り順番待ちをしているPCの姿があった。もちろん並んでいる建物は召喚士ギルドだ。時折中から『ドールの召喚獣を召喚できる方は地下に降りてください!』や『獣タイプの召喚獣を呼べる方5名まで2階に上がってください!』などの声が聞こえてくるので忙しくしているようだ。
PCも忙しくしているのが分るからか、行儀よくそれこそ病院なんかで待っているかのようにしている。少し心配だったがこの分なら、暴言を吐くような奴がいても他のPCが黙ってないだろ。というかこの状況で暴言を吐くやつはいないか・・・
心配事が一つ減り安堵した時、ボイスチャットの連絡音が響きメニュー表示にヴォルフから連絡が来たと表示された。
「もしもし、ヴォルフか?」
<おう、久しぶりだな>
「ああ、そうだな。ところで今日は何の用なんだ?」
<なに、あれからフレンはログインしていなかったから、ゲーム内でのことを教えといた方がいいと思ってな。今から会えないか?>
「それはありがたいな、今どこにいるんだ?」
<東門近くにあるタジン武具店にいる、場所はわかるか?>
「え、タジン武具店? あ、ああ、行ったことがあるし場所は大丈夫だ。」
<よしならそこに来てくれ。待ってるぜ。>
そう言ってヴォルフはボイスチャットを切った。久しぶりに聞く名前に少し面食らったが、待たせては悪いので、すぐにタジン武具店に向かう。
数分後、俺はタジン武具店の前に来ていた。ここに来るのもなんかずいぶん久しぶりな気がするな。そんなことを考えながら店の中に入る。
「こんにちは~」
『いらっしゃい、ってフレンじゃあねえか!久しぶりだな!!』
「お久しぶりです。」
『なんだ、今日は岩亀の素材持ってきてくれたのか?』
「いえ、そうではなく、ヴォルフにここに来るように言われたんです。」
『なんだ、ヴォルフに用か・・・ちょっと待ってろ。』
そう言ってダジンさんは店の奥に行ってしまった。すると奥からなにやら言い合いが聞こえてきてしばらくたってヴォルフが出てきた。
「すまない・・・待たせた。」
「いや、かまわないが・・・どうした?」
何やら疲れた顔をしているが・・・・
「タジン師匠に店を待ち合わせに使うなと言われてしまってな・・・」
「ああ、怒られたのか。それにしてもタジン師匠?」
「タジンさんに弟子入りしたんだよ。俺は。」
「NPCに弟子入りできたのか?」
「ああ、これはお前さんがいない間に判明したことでな、生産スキルを一定までLvを上げて何度かNPCに話をすると向こうから言ってくるんだ『もっと腕を磨いてみないか』とな。」
「へぇ~そんなことが・・・」
「しかもこれはクエスト扱いで、生産スキル持ち限定の長期型だな。まだ達成者はいないがもしかしたら称号がもらえるんじゃないかと予想がされてるな。」
確かにそんな予感はするクエストだな。
「俺のほかにもう一人弟子入りしていて、今は店にはいない。」
「面白そうだな。」
「俺も初めはそう思っていたがな・・・中々大変だぞ。」
ヴォルフは溜息を吐いてその言葉を口にしていた。見た感じ疲れているといったオーラが見えるようだ。このゲームはどこまでリアルを追求してるんだろうな?
「まあ、弟子入りした甲斐はあるのが救いだな。スキルLvが上がるのもそうだが、新しい生産スキルも手に入れたし。」
「え、スキル枠増えたのか?」
「ああすまん、言葉を間違えた。生産スキルでアーツを覚えるんだ。」
このサラオンでは武器持ちの召喚獣が持つ、剣術、槍術、斧術などのスキルではアーツという技を覚える。それらは通常の攻撃より強力で、決められたMPを消費し技名を指示することで発動する。デメリットは連続では発動できないこと、一度発動するとしばらくは使えないことだ。生産スキルでも覚えるとは初めて聞いたな。
ちなみにゴーレムは覚えない、ゴーレムが不人気の理由の一つだ。スキル名が格闘術にでもなれば覚えるかもしれないが・・・
「まあ、俺の近況はそんなとこだ。次はあのトラブルの後どうなったかを話そう。」
8/3 一部変更。




