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商談の後トラブルとは?

「さて、休憩はそろそろ終わりにして次はフレンの番だな。フレンの売りたい物は何だ?」

「2つはゼノンと一緒だが、いくつか初見のがあるぞ。」

「ほほう?」


メニュー画面で操作を行い、アイテム取引表示を出す。そのうち2つはコボルトの毛皮が茶色と白色合わせて8枚だが、のこりは銅鉱石と鉄鉱石、さらに岩尾大蜥蜴のドロップ品だ。あとはリザードマンのドロップ品だ、さていくらになるかな?


「おお、鉱石があるじゃないか!それにこれはアナウンスで言っていた魔物のドロップ品か!ふ~む・・・」


アイテムを見たヴォルフは何やら考えている。値段をどうするか決めているのかね?


「よし、銅鉱石を1つ200、鉄鉱石は1つ400で、さらに大蜥蜴の素材は1つ600、コボルトの毛皮は1つ300で合計は13800カロンだな。」

「かなりの金額だがいいのか?そんなに払って?」

「なに今はまだ全部珍しい素材だからな、これで何か作って性能が有用だったら、また価値が上がるかもしれんからな。それを売れば利益は出ると思うぞ?」


そういうものなのか?まあ生産スキルを一切取ってない俺が頭を使っても意味はないか・・・とにかくその金額で文句はないのだし取引を成立させる。あとは話題に上がってないリザードマンのドロップ品だが・・・


「それとリザードマンのドロップ品だが、悪いが俺が買い取っても使い道がない。」

「どういう意味だ?」

「生産スキルを取っているとアイテム表示に、防具加工可とかアクセサリー加工可なんかの表示も出るんだが、このアイテム三種は俺じゃあ加工が難しい。とくに武器なんかは耐久値回復もできそうにないな。」

「それじゃあ確かに、買い取る意味がないな。」

「そういうことだ、すまんな。」


ヴォルフはそう言いながら、頭を下げるが俺は「気にしなくていいぞ」と声をかけておく。このことでヴォルフに落ち度はないからな。


「さて、これで商談は終わったし次は俺の用件だな。ゼノン君はちょっと待っててくれ、それに下手したら君にも関係してくるかもしれないからな・・・」

「僕にもですか?」

「どんなトラブルが起きたんだ?」

「それはだな・・・」


ヴォルフが言うにはことが起こったのは掲示板で、内容はトップギルド【アヴァロン】が岩尾大蜥蜴を倒したという嘘の内容が書かれていたというのだ。掲示板ではこのことで結構盛り上がっているようで「さすがはトップギルド!」、「これで他のエリアも攻略が進むな!」などが書かれているようだが、一部の人たち特に生産職など独自の情報網や人との繋がりを持っている者は、これが自作自演ではないかと疑っているようだ。


というのも、【アヴァロン】の書いた内容には岩尾大蜥蜴を倒した具体的な方法や、外見、ドロップ品などの証拠が一切なく、さらには何人かの生産職に【アヴァロン】のメンバーが南エリアに行った後、逃げてきた場面を目撃されているのだ。この話は生産職の間で瞬く間に広まり生産職や繋がりのあるPCは誰もが疑っているのだ。


例外はまだ繋がりのない初心者や情報に疎いPCぐらいで、彼らは【アヴァロン】の嘘に踊らされている被害者と言える。


「もっとも事実を知っている俺から言わせてもらえば、一番の被害者は岩尾大蜥蜴を本当に倒したフレンだけどな。」

「そんなことになってるのか・・・」


他人のやったことを横取りする行為に、少々怒りが込み上げてくる。べつに目立ちたいわけでないのだが、だからといって他人に自分のやったことを横取りされるのはいい気分ではない。


「僕が関係しているのは初心者だからですか?」

「いやそうじゃない。君がコボルト倒したのが関係しているんだ。【アヴァロン】がこのことを知ったらまた自分たちがやったなんて書くかもしれないからな。」


すでに一回やってるからな。もう一度同じことをやるのは当然警戒すべきだろう。


「そこでだ、二人に許可をもらいたいんだが二人のしたことを掲示板に書いてもいいか?」

「どういう意味ですか?」

「俺にも説明してほしいな。」

「なに簡単な理屈さ、相手が具体的なことや証拠を出さないなら、こっちが動かぬ証拠を出せばいい。そうすれば説得力ではこっちが上回る。ちょうど証拠のドロップ品も買い取ったし、アイテム表示のスクリーンショットーーSSというーーを掲示板に載せればいい。ゼノン君のしたことも最初に証拠付きで書いた方がいいだろう?」

「ふむ・・・」


確かにそうすれば信用を得られるだろうし、連中の2度目の行いの牽制になるか。


「ちなみに、なんでヴォルフはそこまでするんだ。」

「今回ばかりは、連中はやりすぎたからだな。普段の上から目線の態度はそれだけのことをしているからいい・・・だが、他人のやったことの横取りは許せん!個人としても一ゲーマーとしてもだ。それが理由だ。」

「僕はかまいませんよ。それに僕もその行いには思うところがありますし。」

「俺もかまわない、ただ個人名は書かないでくれよ。」

「あ、僕もお願いします。」

「もちろんお前たちの名は一切明かさないと誓おう。もし破れば運営に連絡してもらってかまわない。」


そう言ってヴォルフは俺たちに頭を下げた。ここまではっきりと言うのだし信用してもいいだろ。これで用事は終わったわけだし、俺は二人に別れの挨拶をし店にお金を払って出て行った。ちなみに900カロンだ。味は文句などつけようがないほど美味かった。


宿屋に帰って今日はログアウトをしよう、釣ってきた魚も早めに売った方がいいだろうしな。そんなことを考えてしばらく、俺は宿屋に到着した。


「ただ今戻りました。」

『おや、お帰りなさい。早速で申し訳ありませんが・・・釣果はどうでしたか?』

「はい、今出してもいいですか?」

『この桶の中に出していただければ。』


そう言って隣に視線を向ければちょっと大きめの桶がカウンターの上に置かれていた。いや・・・いつ持ってきたんだ?ひょっとして頼んでから置いてたの?どんだけ楽しみなんだよ・・・そんなツッコミの言葉を飲み込んで、俺は桶に釣った魚を全部入れた。


『かなりありますね~これならお客さんも満足できるでしょう。』

「ちなみに、どんな料理がありますか?」

『基本煮つけや汁ものですね~いい出汁が出ますから。』

「なるほど」

『よければ注文しますか?』

「いえ俺は別のを頼みます。他の人に悪いですから・・・」

『そうですか・・・ありがとうございます。』


はて、なぜ礼を言われたのだろう?それから俺は食堂で他の料理を注文した。今日の食堂は久しぶりに魚料理が並んだからか前より客の入りが多い。しかも魚を釣ってきたのは俺だとばれて何人かの人に感謝された。おまけに魚を食べた人にカンパで奢られてしまった。まあたまにはこんな日もありかと思いログアウトしよう明日は何が起こるのやら。


ステ表記は今回もなしです。

6/30 一部変更。

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