そして修行がはじまります。
遅くなりました。年越しから忙しくて困ってます。人手不足は厳しいです。
気がつくと私は一人で真っ暗な場所にいた。
『これからあなた方にはそれぞれ試練に立ち向かってもらいます。』
頭のなかにトレースの声が響く。
「子供達は何処へ飛ばした。」
『安心してください。この修行は命を取るものではありません。』
トレースの答えを聞き、とりあえず自分のことに集中することにした。
『さて、子供達はともかく貴方は違います。貴方は自分に足りないものが解っているはずです。』
トレースがそう言うと後ろの空間が開きレンガ造りの部屋に放り込まれる。その部屋は八畳ほどの部屋となっており扉が1つあるだけだった。
『ここは私の管理するダンジョンの中でも最高難易度を誇る〔光神の塔〕です。貴方の修行はここを制覇してもらいます。必要な食べ物や飲み物は無限収納に入れておきましたので頑張ってください。』
トレースの声が聞こえなくなり、私は嫌な予感がしたためアキレウスの鎧とエクスカリバーを装備すると扉を開けた。そこには大量のドラゴンがひしめきあっており私は思わず扉を閉めた。
「・・・・。初っぱなからモンスターハウス。しかもドラゴンて、何考えてんだ。というか子供達は本当に大丈夫なんだろうな?・・・とりあえず殺るしかないか。」
私は覚悟を決めると扉を開き目の前にいるドラゴンに切りかかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
萌花です。お父さんたちと離ればなれになった私は、いま大きな図書館の一室で何故か真っ黒なローブを来た人と魔法対決をしています。
『この魔導師はその昔、アルトリアの賢者と言われあらゆる魔法を使いこなした者です。貴女にはこの者と闘い貴女に必要な物を手に入れて貰います。』
転移する前に聞いた少年の声が頭に響き目の前の人と勝負が始まりました。
「火の精霊よ、我が命により敵を燃やせ!!ファイアボール!!」
私がファイアボールを使うと賢者は、
『ウォーターウォール』
ウォーターウォールを使い私の攻撃を防御する。この繰り返しだ。私の攻撃に対して反対属性で対処される。私の攻撃は読まれているのだろう。何が足りない?詠唱速度?威力?違う。魔法を使う上で必要なものが足りてないの?
「ここにはお父さんはいない。解決するためには自分で考えないといけない。」
だから私は考える。必ずつかんでみせる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(私に足りないものは何?)
もう、何度目だろうか?目の前にいる男に結界を破壊される。
『その男の攻撃はあらゆる結界を破壊します。貴女には決して破壊されない結界を創造してもらいます。』
少年の言葉を聞いた私は結界を張り続けている。でもその全てを目の前の男は破壊していく。お父さんや神様以外に私の結界を破壊できる人間がいるなんて思わなかった。でも、あらゆる結界を破壊する人間が壊せない結界?矛盾している。そもそも結界はそれ以上の大きな力を加えられれば破壊されてしまう。それなのに壊れない結界なんて。どうすれば破壊されない結界を創れるの?何が足りないの?考えろ、六花。
「結界よ我を守りたまえ。」
私は再度結界を張り目の前の男と対峙する。その時、男が私に言った。
「魔法はイメージが大事。だけど結界は魔法と違う。君はそう思っているはずだ。でも、そこに落とし穴がある。君は結界で何を守りたいの?」
その言葉は何を意味しているの?そう考えている間にまた結界が破壊される。
「意思のない結界は紙と同じ。薄っぺらい膜に過ぎない。そんなものは壊されて当たり前だ。」
男の言葉が心に響く。
「私は・・・」
そして私は考える。私が一番守りたいものを。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『貴方にはアルトリアが誇る武人達と戦って貰います。彼らとの戦いの中で自分に足りないものを見つけてください。』
転移する前に聞いた声が頭に響き、僕は大きな空間に放り込まれた。そこにはそれぞれの武器を持った人が10人ほど佇んでいる。僕がクラウソラスを構えると片手剣を持ったおじさんが立ち上がり僕の方に歩いてくる。そしておじさんは突然スピードを上げて切りつけてきたため僕は咄嗟に受け止めたが勢いが強くて吹っ飛ばされてしまった。
「おい、ガキんちょ。お前は体が小さいんだから俺達の攻撃に普通に対処したら飛ばされるに決まってんだろ。」
片手剣のおじさんはそう言って僕が立ち上がるのを待っている。
「くっ、そんな事ない。」
僕はそう言って片手剣のおじさんに切りかかったが斬撃を簡単にいなされてしまい強烈な蹴りを喰らって吹っ飛ばされる。
「おいおい、そんなんじゃ俺に攻撃を当てるなんて100年かかっちまうぞ。武器を使った戦闘は常に考えろ。どうやれば攻撃を当てる事が出来るか。相手の攻撃を如何に捌くか。それを考えろ。」
そう言って転がっている僕に剣を向け、立ち上がる前に斬りかかってくる。僕は転がってその攻撃をかわすとその反動で飛び上がりそのままクラウソラスで切りつけるがそれを受け流されてしまう。
「攻撃が単調すぎる。それでは攻撃を当てることはできんぞ!!」
おじさんが僕に斬りかかってきたため、その攻撃を受け止めようとしたが攻撃を止めると体に蹴りを喰らって吹っ飛ばされてしまった。
「攻撃っていうのは虚実を混ぜることによりより効果的当てたりできるんだ。いかに効果的に攻撃を当てるかをよく考えろ。」
(よく考えろか。お父さんにもよく見て、よく考えろ。と言われるけど!!それのことかな?先ずはどう動くかをよく見るようにしよう。)
僕は立ち上がりクラウソラスを構えるとおじさんに攻撃を仕掛けた。おじさんの動きを観察させてもらうよ。強くなるために。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『貴方には過去に召喚された真の勇者が受けた試練に立ち向かってもらいます。試練に打ち勝ち貴方に足りないもの手に入れてください。』
気がつくと目の前に扉ある。おそらく頭に響いた声はこの世界の光を司る神トレースの声だろう。アーニアの勇者として召喚され敵になっていたかもしれない僕のことを鍛えてくれるらしい。
(ありがとうございます。)
心の中で感謝の言葉を告げる。これは僕にとって成長する機会でもある。
「雅人さんは色々な事を教えてくれるし、僕の意思を尊重してくれる。でも、それに甘えてばかりいられない。それじゃ何時までたっても恩は返せない。この試練は僕の力で乗り越えて見せる。」
僕は迷わず扉を開いて中へとはいっていった。僕に足りないものを手に入れて雅人さんに認められる男になるために。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『そうです。貴方達は考えないといけない。人から教わったことは受け入れることに時間がかかってしまう。しかし、自分で気がついたことであればそれを受け入れ真摯に向き合うことが出来る。あなた方は生き残るために自分で考えて強くなる術を学びなさい。』
トレースの声が子供達に届いてはいないだろう。しかし、それすらも子供達自身が気が付かねばいけないことであるとトレースは考えていた。
よろしければ評価や感想をお願いします。自己満足の小説なので至らないところもありますがおかしいところまを指摘していただきながら直したいと思います。宜しくお願いします。




