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13番目の勇者~とても不幸な勇者の武勇伝~  作者: ゼルビオ
プロローグ
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プロローグ

ここは………どこだ……

オレは寝台のような場所で目を覚ました。

起き上がり辺りを確認すると周りは何もない何処まであるのかわからない白い空間にオレはいる。



なんでここで寝ていたんだ?寝る前の記憶が思い出せない。なんというか、大事な記憶が抜け落ちてしまった感じだ。自分の名前は覚えている。自分は坂上さかがみ 海斗かいとそれは覚えている。


なぜ、名前だけしか覚えていないのだろうか。その答えはオレには導くことはできないだろう。それでも自分のことを思い出そうとしてみる。すると突然後ろから拍手がされた。後ろを振り向くと男なのか女なのかよくわからない子供が拍手をしていた。


「はい、おはよう。よく寝られたかな」


「お、おう。えと、少し聞いてもいいか?」


「うん、なにかな?」


「ここはどこで、君は誰かな?」


その質問をすると、その子供が少し残念という風に表情を変える。そして一つため息をついて口を開く。


「ここは創造主の間、そして僕はミカミって言うんだ」


「創造主の間ってそれはここが神がいる間ということなのか?」


「神がいる間というかその神すらも作った創造主の間だね。そしてその神を作ったのは何を隠そう君の目の前にいる僕なんだ」


「へぇ~、そうなんだ…………はあ!?」


いやいや、こんなよくもわからない子供が創造主なんてないない。


「はあ、君は記憶を無くしても僕のことをそう評価するのかい」


「げっ、心の声が聞こえるのかよ」


「当たり前でしょ。なんたって僕は創造主なんだから」


「はあ、嘘くさ」


「ひどいな君は!」


自称創造主を名乗るミカミが海斗に対してポカポカと殴るがそこまで痛くない。というか体が異常なほどに鍛え上げられているのだ。まさにボディービルの人さながらの体だ。


「そういえば、俺は何でこんな所にいるんだ?」


「ああ、それね。それはね……」


「私が鍛えました」 


すると後ろから女性の声が聞こえて振り返ってみるとそこには戦乙女のような格好の綺麗な女性が微笑んで立っていた。


「あの、貴女は?」


「私?私はね、アテナっていうのよろしくね」


「は~なるほど……って、は!?」


アテナって言えばギリシャ神話に出てくる戦女神でローマ神話だとミネルバのあれなのか?


「あ~、まあそうねミネルバと同じっていわれてるけど、別にそうじゃないわよ」


「はぁ~、まさか神様とか本当にいるんだなと思いまして」


「あら、そう。普通に神様はいますね。地球には人間の生活をしてみたい神が結構いてね。結構紛れてるわよ」


なんというカミングアウト……

そうなのか、普通に働いている神もいるのか、そう思うとなんか可笑しく思える。


 あれ?でも、さっきアテナ様が俺のことを鍛えたって言ってたけどその時の記憶すらないぞ。どういうことだ?


「ああ、それね。それはあまりにもアテナの鍛え方が辛すぎて忘れたいって君がいったから僕が消させてもらったよ」


自称創造主のミカミが俺が考えていたことについて答えてくれた。そうなるとなんで自分の名前しか覚えてないんだ?


「あちゃー、そうか。やっぱり反応からしてそうだと思ったよ」


「どういうことだ?」


「少し僕の記憶消去は反動があってね。とある記憶を消すと一緒に一時的にだけども名前以外忘れちゃうんだよな~、これが」


頭を掻きながらミカミが答える。

クソだな創造主。


「はっ!?クソってひどくない!?」


「ちっ!そう言えば人の心読めるのか。よりクソだな」


「ひ、酷い……」


明らかに落ち込んでしまうミカミ。


まあ、そんなことはいいんだよ。なんで俺はここにいるのかということが重要だ。


「あ、それ気になる?」


落ち込んでいたミカミが顔を上げて聞いてくる。


「気になるに決まってるだろ。後、人の心読むんじゃない」


「え~、人の心読むの楽しいじゃないか」


「知るか、心読めない俺に同じ感覚をなすりつけるな」


「あ~はいはい、それでは君が記憶を無くす前のことを話そうか」


ミカミが立ち上がり語りだす。


「君はとある世界に13番目の勇者として召喚される。しかしその君を召喚した国は13番目の勇者のことを不幸を連れてくる悪魔として見られていてね。召喚一日目に君が寝ているところを殺されてしまう。それをみていた僕としては理不尽に思えてね。君の魂をすくい上げここに連れてきて、このアテナに3年間鍛えさせたということで、これから君を召喚した世界にまた送り届ける所なんだ」


 ……………は?つまりは殺された世界にまた行けと?可笑しくないか?わざわざ死んだ世界にまた行くのか?そんなのゴメンだな。


 しかも、殺された理由があっちの都合じゃないか。そんな場所になんか行きたくない。


「あ、やっぱり?行きたくない?」 


「当たり前だろう。なんで殺された所にいかなきゃならない?」


「え~、その世界はあれだよ?君がいた地球みたいに科学が発展した所じゃなくて、剣と魔法の世界。地球でいうところのファンタジーな世界なんだよ?」


うっ!そういわれると行きたくなるが、それってつまりは強くなきゃ生きていけない世界なんだよなぁ。ん?待てよ?俺は13番目の勇者として召喚されたんだよな?つまりは他にも勇者がいるってことじゃないか?


「ん~?まあ普通に他の勇者は確か99人いるはずだね。でもそれがどうしたの?」


「俺、また行く必要なくないか?」


99人も他の勇者がいるなら俺が行かなくても何とかなるだろう。普通に考えて。


「あ~、なるほど。つまり君はまた勇者として戦わされるって思っているわけだ」


「それ以外に何があるんだよ」


「僕は君のことをかわいそうだと思って助けたんだよ?つまりは君が死んだ世界に観光としてもう一回送り届けようかなと思っていたんだけど」


「なるほど……でも、なんで俺を助けたんだよ。他にも死んでいる人達はいるだろう?」


「イヤー、タマタマダヨ。タマタマ。ボクノキマグレサー」


おい、喋り方が棒読みになってるぞ?


「はっきり答えろ」


ミカミの頭を掴んで問いただす。


「イヤー、ナニモカクシテナイヨー」


こいつは………嘘付けないんだな。ならば、仕方ない。すこしづつ頭を掴む力を強めていく。


「い、痛い!イタタタッ!痛い!痛い!頭が、頭が割れるっ!」


「さっさと吐け。さもないと頭本当に割るぞ?」


「わ、わかった。わかったから離して」


ミカミの顔が恐怖に怯え始めていたので頭を離す。


「ほら、言え」


「え、え~とね、これ言う前に一つ約束して欲しいんだけど、理由を聞いても何もしないって約束してくれると僕的には助かるんだけども……」


「ああ、わかったから、さっさと言え」


「うん、それじゃ言うよ」


ミカミが一息ついて口を開く。


「君には少し不思議な体質があってね。不幸体質っていうんだけども、それは名前の通りに自分や身の回りに不幸を引きつけてしまう少し厄介な体質なんだよね」


「ほう、それで?」


「つまりは君が死んだのって不幸体質のせいなのかもしれないんだよね」


「なるほど。他には?」


「うっ!うんとね、この体質がつく生物って確率が本当に低くてね。しかも、君が死ぬまで、その体質を作った僕すら忘れていたぐらいのものなんだよ」


ふむふむ、なるほど…………ん?それってつまりは俺が死んだのってミカミのせいじゃないか?


鋭い眼光でミカミを睨む。 


「ハハハハハー、な、何かな?その目は?とっても怖いんだけど……」


「さっきの話からしたら、お前が原因じゃないか!俺が死んだのは!」


ミカミの頬を掴みながらゆう。


「い、いふぁい(い、痛い)!?ふぁなして(離して)!?ふぁなして(離して)!?ふぉっぺがふぉれる(ほっぺがとれる)!」


取れてしまえばいいんだ。こんなやつのほっぺなんか。


「海斗?そろそろ離してやりなさい」


アテナ様が後ろから止めるために声をかけてくる。ミカミの頬をつまみながらアテナ様の方を向くとそこには黒いオーラが漂っているアテナ様がいた。それをみた俺は足がすくみミカミの頬から手を離す。


「う~、ほっぺがちぎれるかと思ったじゃないか」


「海斗さん?」


「は、はい!」


恐怖で声が裏返る。


「あまりおいたは駄目ですよ?」


顔は笑っているが命の危険を感じた。


「は、はい……」


「も~、僕からもゆうけどやめてよね。これでも創造主なんだから」


「貴方もですよ?ミカミ?」


「うっ…わかったよ……」


「ほら、なら説明途中だったでしょ?早く説明して上げなさい?」


「はいはい、それでは、話を戻すけど、簡単にいうとあれだ。もう一回同じ所に送るからそこで観光でもしていいよ。てなわけでいってらっしゃい」


「は?ちょっと待て!!」


ミカミから理由をきかされぬまま、俺の意識は薄れていった……







今回はいかがでしたでしょうか?もし、誤字などありましたらご連絡お願いします<(_ _)>

また感想や評価などお待ちしております

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