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2014年/短編まとめ

無欲彼女

作者: 文崎 美生

彼女は何も望まない。


ただひたすらに日常を消化する。


何もかもを必要最低限に収めて、合格点だけで留めるのだ。


満点は目指さない。


平均点と合格ラインを大事にしている。


「どうでもいい」


そう言ってふいっ、と視線を逸らす彼女。


瞳の色はガラス玉みたいに透明で僕を反射するんだ。


努力せずとも彼女はきっと色々なものを手に入れられる。


手を抜いて生きているから今のような結果なだけ。


少し本気を出せばすぐに上へ上がって行ける。


だが彼女はそれすらも望まない。


努力はしない。


その代わり結果もいらない。


地に足の着いていないような存在なのだ、彼女は。


フワフワとしていて掴み所のない。


目を離せばきっとどこかに消えてしまうだろう。


「つまんない」


吐き出される言葉に色なんてなくて、ぼんやりとした瞳で空を仰ぐんだ。


彼女の頭の中は何で埋められているのだろう。


欲求すらもない、望みなき彼女。


そんな彼女は今日も時間だけを消化してゆく。


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