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第一部 序章 少年と少女


 彼が、その少女と出会ったのは偶然だったのだろう。


 彼の父が死に、父と共に住んでいた小さな町からある一つの夢を目指して地方都市へ移り住んでから一年後のことだった。






 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆






 第一部 序章 少年と少女






 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆





 ごぉん、という鐘の音が響いている。


 ごぉんごぉん、と一つ二つと連続する鐘の音は夕刻の訪れを知らせる時報であり、ある敵対者を遠ざける役目を担う聖なる音楽である。その音色は幾つもの波となり、空気を走り、複雑に重なっていく。


 その音色の発生源である巨大な時計塔はこの都市の何処からでも確認することが出来るよう設計されていた。それは其処でも同じこと。


 裏通りである。


 古き古語で【忘却通り】と近くに居を構える人間達から名付けられたそこには傾き始めた太陽が茜色の光を届け、人気のない通りに乱雑に氾濫した様々な物が複雑な影を形作っている。空気は埃と汚臭に汚れており、お世辞にも清潔とは言い難い。通りの片隅には何時からここに住み着いていたのか、何匹もの鼠がカリカリと何かを齧っている。


 と、不意に。ガサリ、と鳴った音に鼠達が一斉にその音の元に目を向ける。が、それを見るとまるで興味を無くしたかのように再び何かを齧り始めた。彼らの小さな脳でもそれが問題無いものと判断されたのだろう。


 それは黒髪の少年だった。


 まだ、若い。薄汚れた黒い軽装甲服に身を包んだ少年がゆっくりと通りを歩いている。ベルトに差し込まれた何本ものナイフがちゃりちゃりと擦れあい、小さくも耳障りな音を立てている。


 少年の表情に浮かぶのは、疲労。家路へと向かう足取りは重く、若い者特有の溌剌さなど微塵も感じさせない。


 少年は、【仕事】帰りだった。その仕事はとても疲れるもので。肉体と精神、果ては魂と言った不確かなものに多大なダメージを与えるもの。


 職場と言っていいのかは分からないが、そこには何故か気の合う親友のような者が一人いることはいるものの、しかし、それは疲労の助けになるようなものではなかった。それに、その職場は下手をすれば、いや、下手を打たなくても命に関わるようなところだったのである。


 だからなのだろうか、彼がそれに全く気付くことが無かったのは。


 ふと。何かに裾を掴まれたのを感じて少年は立ち止まった。少年のような職種であれば、当たり前の物のように持っていなければならない常在戦時の心得を忘れてしまっていたらしい、いくら疲労が溜まっていようが、少年にとってそれは決して小さくない、とても大きな失態だった。


 ストリートギャングかもしれないと、己がベルトに括られたナイフに手を伸ばしつつ、少年が恐る恐る振り向くと、何か小さいものがきゅっと彼の裾を掴んでいた。


 訳が、分からない。


「――はぁ?」


 思わず、と言った声が少年の唇から零れる。


 それは本当に小さく、決して大きいとは言い難い少年の腰辺りまでの高さしかなかった。ぼろぼろに擦り切れた、辛うじて衣服と分かる茶色い布を身に纏っている。ざんばらに切られた、くすんだ色をしている髪の毛。栄養が足りておらず、水だけを大量に摂取しているのだろう、ガリガリに痩せこけた身体の中で腹部だけが異様に膨らんでいる。


 だが、しかし、そんな嫌悪感を感じさせる風貌の中で、それの相貌だけは爛々と光っていた。まるで、地獄の炎をその瞳に宿したようで、少年は場違いにも綺麗だと感じた。目玉だけを抉り取って、そういう店に持って行けば高値で売れそうだと少年は一瞬考え、そんな自らの思考にこそ彼は嫌悪を感じた。


 振り返ったまま、何かを考えるように固まった少年を不審に思ったのか、それとも別の理由があったのか。それは先手を打って唇を開く。


「ね、アンタ。アンタ、冒険者よね?」


 キィキィというような甲高い声。変声期前であろうが決して男では出せないような、耳障りな音の連なりだった。それで少年は、はじめてそれが女の子であると認識した。


「ねぇってば、ね、ね、ね? あれ、もしかして聞こえてないの? もしもし、もしもーし?」


 ぐいぐいと裾を引っ張られながら、少女は言葉を連呼する。早口で捲くし立てられる声は高い音も相俟ってひどく聞き取り辛く、慣れればそうではないのかもしれないのだが、少年にとってはとても難解な言葉の羅列だった。


 正直聞くに堪えないと、少年は手を振る。


「聞こえてる。聞こえてるから、もうちょっとゆっくり喋ってくれないか?」

「何よー、アンタがアタシを無視するのが悪いんじゃない。そ・れ・よ・り、アンタ冒険者よね?」


 ぷくっと頬を膨らませる姿は、可愛いというよりも寧ろ気持ちが悪いと少年は思った。


「まあ、一応は……」

「そうよね。よかったー。そうじゃなかったらまた違う人探すの大変だったもの。ま、そんな格好してるから間違いないとは思ったんだけどねっ」


 あははー、と少女は笑い、頭を掻いた。ぼりぼりと掻くたびにフケらしきものが地面に零れ落ちる。


 姿を見るからに分かっていたことだが、身体を水で洗うことすらしていないに違いなかった。或いは身形に無頓着なのかもしれない。仮にも女の子が嘆かわしいと少年は嘆息して、ああ、なるほどと思う。きっとこの少女は物乞いなのだろう。比較的金回りの少ない一般人よりは冒険者の方が懐が暖かいと思って自分に声を掛けてきたのだろう。


 だが、残念ながらそれはハズレだ。少女より格段にマシとはいえ、金があればこんな汚らしい格好をしてはいない。


「見れば分かると思うけど、こんな身形だからな。お前に恵んでやれるだけの金はないぞ?」

「む。そんなこと言ってないでしょ? 乞うことしか出来ない汚らわしい乞食とアタシを一緒にしないでっ。アタシは欲しいものは自分自身の手で手に入れるわ。だから――」


 少女は言葉を切り、すぅはぁと大きく深呼吸。その炯々と光る瞳を少年の瞳に合わした。それはまるで獲物を狙う肉食獣のようで、少年はその光のあまりの強さに一瞬たじろいでしまった。


「ね、アタシをアンタの弟子にして?」


 少年ははじめ、自分が何を言われたのか理解できなかった。少女の瞳に圧倒されてしまったのも少しはあるのだろうが、まさか自分にそんなことを言う人間がいるとは思わなかったからだ。それに、初対面の人間にこんなことを言う人物がこの世にいるとも思わない。


 少年は嘆息を一つ。


「お前な、自分が何を言ってるかよく分かってるか? 冒険者の弟子になるってことはお前も冒険者に、いや、その見習いか。それになるんだぞ? いつ何時死ぬか分からない職業につくってことなんだからな?」

「そんなこと、重々承知よっ!!」


 少女が、吼えた。


 彼女の瞳の中に宿った炎がよりいっそう燃え盛ったようだと少年は思う。下手をすれば、己までその炎に焼かれてしまうようだと。


「アタシはね、強くなりたいの。この世の誰よりも強く、私の道を邪魔するものを全て薙ぎ払えるように。全部全部破壊して粉砕して歩きやすくするように。その為だったら、例えこの命をチップにしても、全然惜しくは無いもの」

「はあ――だったら、僕なんかよりも相応しい人間がいっぱいいるだろうに」

「それはアタシも思ったわ。だけど、そんな人間がアタシを唯で弟子にしてくれるとは限らないじゃない? それに、なんていうかアンタって見るからにお人好しっぽいしね。んで、少し前からここにいるんだけど、ここを通ったのはアンタだけなのよ。こんな格好じゃ、表通りに行った瞬間に追い出されちゃいそうだしね」


 歯を見せて、キシシと少女は笑う。だが、その間も少年から一時たりとも目を離さなかった。もしかしたら、目を離すことによってこの獲物に逃げられてしまうと感じているのかもしれない。


「お人好しってあのな……はあ、まあ、いいや。それに僕はまだまだ駆け出しで、お前の望むようなことを全部教えることは出来ないぞ?」

「いいわ、別に。アタシが望むのはほんの少しでもいいから戦い方を教えてもらうことだけ。アンタが教えられないことは自分で探し出してみせるもの」


 こうなってしまったら言いくるめるのはほぼ不可能だろう。厄介な物に目を付けられてしまったと少年は己の不運を呪った。だが、何故か不思議と悪い気持ちはしなかった。もしかしたら、既にこの少女の術中に嵌ってしまっていたのだろう。或いは、この少女の瞳に惚れてしまったのか。


 少年は大きく溜息を吐く。


「やれやれ、全く。あー……、晶、だ。山中晶やまなかあきら。どうせ字は言っても分からないだろうから、音で覚えてくれればいい」

「変な名前……って、名前を教えてくれるってことは――もしかして?」

「まあ、百年も前に滅んで今はもう海の中に沈んじまった国の名前なんて聞きとり難いだけだよなぁ。言いにくいなら、お前が好きに読んでくれればいいよ。でも、アンタはやめろ。仮にもこれからはお前の師匠になるんだ」


 最後に申し訳程度に付け加えられた一言に、少女は最初何を言われたのかよく分からないような表情をしていたが、それが理解できると、ぱぁっと花咲くような笑顔を見せた。


 見るに耐えない、みすぼらしい姿ではあったが、笑うと少しは可愛らしい。もしかしたら、将来は美人になるかもしれないな、なんてことを少年が思った瞬間だった。


 くぅ、と何処かから変な音がした。


「お前な……」

「あ、あははっ。安心したら、何だかお腹がすいちゃって」


 やはり少女も女の子ではあるのか、赤面しながら縮こまった彼女を見て、何ともしまらないと思いつつも少年はガリガリと頭を掻く。


「まあ――仕方ない、か。お前のその格好じゃ、適当な店にもいけないだろうから、僕んちに行くぞ。喰うものぐらいは出してやる。それが終わったら、お前の服も買いに行かなきゃな。幸いっつーか、そういうのが好きそうな店主が僕の知り合いに一匹いる」


 少年は、にししと笑いながら算盤を掻き鳴らす女帝の姿を思い出して、何を言われるかと少し気が重くなる。


「あ、ありがとう」

「気にすんな。出世払いにしてやるから、さっさと成長して僕に楽をさせてくれよ?」

「え゛っ! ねぇねぇ――何か、それって、ひどくない? こういう時って普通、驕りなんじゃないの? 街を観察してたら、男が女の子を奢るのは当たり前みたいよ?」

「それは、ただ単に男に下心があるからだ。お前みたいなチンクシャに誰が欲情するか」

「チッ、チンクシャぁ!? ちょ、ちょっと、もしかして、アタシ、女として全否定されてない!?」

「当たり前だ、チンクシャ」

「ま、また言ったぁっ!!」


 ガガーン、と言う文字が少女の頭に直撃したようだった。地面に座り込んで何かを指で書き始める彼女を見て、さっきから全く話が進んでいないと少年は思う。最も、その九割近くは少年が悪いのだが。


「それにな。お前が言ったんだろう?」

「えっと――何が?」

「欲しいものは自分自身の手で手に入れるわ。だっけか? だから、これはツケにしといてやるんだ、馬鹿」

「うっ。それはその、言葉の綾といいますか……えっと、その――」


 痛いところを突かれたというように、少女はたどたどしく言葉を紡いでいる。


 元々、少年は彼女を弟子にすると決めた瞬間から多少の出費は覚悟していた。少女の見た目から分かるように、恐らくは一文も金を持っていないだろう。だったら、このぐらいの意地悪はしていいはずだと少年は考えていた。


 何よりも、少女のリアクションが過剰で、何だか虐めるのが少しだけ楽しい。彼女の反応は、少年の点けてはいけないところに火を点けたようだった。


 しかし、何時までもここで少女と遊んでいるわけにはいかないだろう。何しろ、これからしなければいけないことが数多くあるのだ。少々残念に思いながらも、少年はこの話を切り上げることにした。


「だから、あれはね。なんていうか……」

「んで、僕は名乗ったぞ?」

「えっと、えっとね――って、ふぇ?」


 何を言われているのだろうと、少女は一瞬ぽかんとした表情を見せた。やがて意味が理解できたのだろう。何故か、深く考え込むような表情を見せた。


「あ、ああ。そういうことね。んーと……んーーっと、アタシの名前はね――」






 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆






 旧暦2199年、世界は一度滅んだ。


 その引き金は一部の国の暴走に寄って引き起こされた極々小規模な紛争だった。それが戦争の利権を望む人間の手によって世界を二つに割る世界大戦に繋がってしまうとは人類の誰もが気付くことはなかった。戦火の炎は下火に、しかし、着々とその勢いを広げ、遂には大炎上を迎えることとなる。


 地球の全てを、現世の全てを制御、掌握し、外宇宙の果てへと手を伸ばしかけた人類の衰退は思いの他早かった。戦争によって促進した、石油を始めとするありとあらゆる天然資源の枯渇もでかかったのかもしれない。


 各国の首都機能は著しく麻痺し、旧暦2100年に発表され、進化し続けた文明の過剰修復技術ですら間に合わず、否、それすら戦火に巻き込まれ、地球上のあらゆる場所で荒廃が進んでいた。


 戦争が始まり十年も経たず内に、人類の総人口は十分の一にまで減少。戦火によって自然環境は大きく一変し、宇宙に飛び立つまでになっていたはずの人類は空や海を渡ることすら命がけとなっていた。このように力を日に日に消失していった人類は、だが、しかし、それでも戦争を続けていたのである。


 そして、何時の日にか、自分の国が中心となり、またこの世の全てを取り戻そうとしていた主要国家郡の目論見は、その芽を出す前に終わることとなる。第三勢力、と言っていいのかは分からないが全人類に対する敵対者の出現のせいだった。


 それは【夢魔】と呼ばれる存在だった。


 数多の研究者が便宜上名付けたそれにはイドの怪物、ナイトメア等色々な呼び名があるが、簡単に言ってしまえば人類を襲う化け物達である。書いて字の如く、夢の中の魔――即ち、人間達が想像の中で思い浮かべていたモンスターが突如として出現、人々に襲い掛かったのだ。


 ソレは神話の中の生物に限らず、地方に伝わる古い伝承の中の、映画の中の、小説の中の、ゲームの中の、人間が空想の中で作り出してきたありとあらゆる生物の形を取り、人類に戦いを挑んだ。


 発生の原因は今日に至っても、未だに不明。薄暗い森の中から、深い深い洞窟の中から、忘れ去られた古城の中から、躯が転がる戦地の中から、地球上の全ての場所でそれらは現れ、牙を剥いた。


 皮肉なことであるが、人類に共通の敵が出来たことで【十年戦争】呼ばれた血で血を洗う人間同士の戦争は済し崩しのうちに終結し、生き残った各国が協力することでこれらの対策を練ることになる。


 最初、集められた各国上層部は楽観的であった、いや楽観的に過ぎたと言っても過言ではない。大戦による爪痕は残るものの、人類の科学技術の粋を集めて編成された軍隊がたかが化け物などに負けるはずがないとそう思い込んでいたのである。


 その推測は確かに当たっており、そして残念ながら外れてしまった。


 スライムやゴブリン、オークなどの低位の夢魔程度であれば、銃火器で簡単に殺すことが出来た。


 ヴァンパイアやグリフォン、マンティコアなどの中位の夢魔であろうとも町を一つ犠牲にする覚悟さえあれば、辛うじて殺すことが出来た。


 問題は夢魔の中でも上位の者達だ。空を舞うドラゴンの上位種や旧支配者の中の邪神、七十二柱を代表する魔神などには一国を犠牲にする核の一撃すらも致命傷を与えることができなかったのである。それどころか、放射能で汚染された大地でも悠々と生きていけるような化物だった。


 そして、致命的なことに、そいつらは殺しても殺しても、次々と沸き続ける。一匹を殺せば次の一匹が、次を殺せば、次々と。数多の犠牲を出した上に勝利を得た人間達の前に、個体差はあるもののほぼ同等の種が次々と表れるのである。当時の人々の絶望は想像に難くない。


 悲嘆に浸る上層部を他所に、夢魔の攻撃は日に日に強くなり続ける。軍機能や、警察機能は反比例するように低下し続け、自棄になった人類が略奪や破壊を始める。世紀末思想を謳った新興宗教が多数台頭を始め、この世の地獄の様のような光景が世界各地で見られた。


 もしも、夢魔達が人類抹殺のためだけに団結して動いていれば。その時に人類と言う種は、呆気無い程簡単に滅亡していたであろう。

夢魔の最初の発生から一年にも満たぬ期間の間にそれだけ多くの人種、民族、国家が失われ、滅びていたのである。


 しかし、彼らは縄張り争いや同士討ちを始めた。彼らの殆どは異なる理で動いており、知能の低い者達だけであれば良かったのだろうが、高度な知能やプライドがそれを許容することができなかったのである。


 そして、ほんの僅かな数ではあったが、人類に友好的な神々や種族もおり、彼らが人類を手助けをしてくれたのである。


 しかし、文明は既に滅び、人類の滅亡は間近であった。何れ訪れるであろう避けようの無い死に消沈していた人々の中で、何時しかこんな噂話が広がる。


 ある人間の男が剣一本で一匹のドラゴンを殺害した、と。


 それは有り得ないことであった。核の攻撃ですら殺せない生物をたったの剣一本で殺すなどということは。


 だが、果たして、噂は事実であった。科学者でもある彼は人類に友好的な夢魔の神々や種族に接触し、それらの協力の下、ある歴史的な装置の開発に成功したのである。


 即ち、今日の人間が体内、主に手の甲や手首などに埋め込んだ【生体核】のことだ。


 簡単に言ってしまえば、殺した生物の生体エネルギーを吸収し、自らの力とすることが出来る装置。人間を一段上の存在へと無理矢理押し上げる装置である。


 人類と夢魔の生体エネルギーどちらでも吸収してしまえるという欠点はあったものの、それはただ狩られるだけの存在になってしまった人類が初めて得た反逆の灯火であった。


 開発開始時、重度のゲーマーでもあった彼が残した一言は「世の中にゃ、うじゃうじゃとモンスターがいやがるってのに、人間様がレベルアップ出来ないってのはどういうことだ!?」だったらしいのだが、果てさて。


 兎角、生体核の量産は進み、人類は与えられるダメージが限られた銃火器から時代を逆行するように刀剣などを好んで持つようになる。同時、夢魔が持っていた武具や友好的な夢魔達からの技術提供により、失われたはずのダマスカス鋼、架空物質であるミスリル鋼などが再現、生産が始まると所謂強者が愛用するようになり、人類の逆襲が始まった。




 旧文明が崩壊して500年。


 新暦の世界で、未だ終わらない戦いが続いている。




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