許可
無事、須賀君をコスmen育成の第一犠牲者にすることが決まり、今日はお開きとなった。
大分時間も遅くなったので母が須賀君を自宅まで送っていくと言い出した。
須賀君は遠慮したが、母は頑として譲らず、あっという間に須賀君を車に押し込めると私に向き直り、にっこりと笑いながら言った。
「須賀君の改造計画にはご両親の協力が必要でしょう?」
確かに。これからやろうとしているコスmen育成計画には須賀君のご両親の協力は必要不可欠だ。いくら私達が計画を推し進めても、須賀君は未成年で親の庇護下にある。
人様の子供を改造するのだから許可がいるだろう。
ダイエットをするにしても家庭内での食事の管理だったり、ジムに通って帰宅が遅くなれば、今までの須賀家のライフスタイルを変えることになる。となれば、須賀君のご両親にこの話を通すには私一人では無理だ。
親の説得には親。
そう母は言いたいのだろう。私も転生前は二人の子供の親だった。私がもし須賀君の親の立場なら、いくら息子とそのクラスメイトの女子がダイエットするから女の子の両親に協力してもらうと言われても即刻断るだろう。
だが、相手の親がわざわざ出向いて是非協力させてほしいというのであれば、なかなか断りずらくなる。
それを解っている母は娘の為に説得してくれるのだろう。流石だ!!お母さん!
「…ありがとう。お母さん」
「フフッ…どういたしまして。…さ、行くわよ。」
そう言って母は車をスタートさせた。
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須賀君の自宅へ着いてからの母は凄かった。
驚きながら出迎えた須賀君のお母さんに事のあらましを伝え、明日から毎日、学校が終わり次第父のジムで三時間のトレーニングと、休日は須賀君の都合を考慮しながらのトレーニングとスキンケアエステを取り付け、食事面でのサポートをお願いし、あろうことか須賀君のお母さんと意気投合してメアドの交換までしてみせた。
あっけに取られる私と須賀君を尻目に、母達はお茶の約束を取り付け、笑顔で家路についた。
もう、我が母親ながら本当に恐ろしい。三方出来て本当によかったと思う。
全然面白くナイ…。
次から本格的に須賀君と純が絡んできます。
お楽しみにー