怖い。
あなたに見て貰えなくなることが
怖い。怖い。
『私』の存在が
だんだん幽霊みたいに透けていって
あなたの記憶にも
あなたの心にも
『私』という存在が
残らなくなることが
怖い。
すれ違う人々は
みんな笑顔で
今この瞬間に
きっと誰も
足を止めた私の事なんて
気にも止めてないんだろう。
幽霊みたいに消えかけていく
そんな私が
怖い。
自室のベットに寝転びながら
蛍光灯に自分の手をかざして。
かざした手が
影を造っただけで
なんだか凄く安心する。
そんな私が
怖い。
教室と言う名の
一種の世界は
トップに立つ権力者が居て。
みんなが権力者に媚びている。
そんな世界が
怖い。
怖い。
誰も私を見てくれなくなると言うことが。
嗚呼、いつの間に私は
こんなに
弱くなっていたのだろうか。
…名前を呼ばれた。
知らない人の声だった。
「そこはダメだよ。こっちにおいで。」
私を引きずり込もうとする。
…もうこのままいってしまおうかな。
そんな時、
私を
耳が痛くなるほどの大声で
私の名を
呼んだのは…
…目が覚めた。
私の瞳から零れた温かい涙が
私の枕を濡らしてた。
生きている。
生きていく。
私の名を呼んだのは
誰だかは解らない。
…しかし、
誰かに必要とされていたんだと
今なら
信じられる。
何度も絶望しながら
何度も諦めながら
それでも
生きていきたいと
願うのは。
すべて…
『あなたが居たこと』に繋がるのではないかと、
今なら
信じていけそうだ。
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