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エピローグ
「ただいま」
東京への旅行から帰った僕は、二つの足音を並べ、家の扉を開けた。
「お帰り、愛斗」
「お帰り愛斗」
「おお、愛斗おー!」
父さんと、ばあちゃんと、純平の声だ。
僕は隣にいる女性の荷物を手に取り、玄関に置いた。
父さんが玄関まで来て、にこにことする。
「どうやったか、旅行は」
「うん、楽しかった。都会は、いろいろあったわ。ほんとは海外に行けたら良かったんやけど」
「そんなん、新婚旅行にとっちょけ」
父さんは、がはは、と笑った。
「だめや、俺今年から担任持ったんで。そんな暇ないわ」
僕は隣にいる女性の手を取り、リビングへ入る。
「土産は、土産」
「うるせえな、純平。今出すけん、待て」
僕らは、荷物を開けた。
僕の左手と女性の左手には、お揃いの指輪が光る。
「2人が出会って、もう4年か」
父さんが、しみじみと言って、僕らは笑った。
僕は今年で、26歳になる。




