4
僕は先生と別れ、家には帰らず、終電に乗っていた。
父さんを見るのが嫌だった。僕はきっと今、嫌な顔をしている。自分の勝手な思いで、父さんに嫉妬をしてしまうのが嫌だった。
電車を降りて、僕は携帯を手に取り、電話をかける。
「もしもし、友梨」
僕は一瞬迷って、だけど、続けた。
「会いたい」
僕は駅前で友梨を待った。
30分くらい待って、友梨が来た。
「お待たせ、愛斗くん!急にどしたん」
僕は黙って、友梨の手を引いた。
「え、愛斗くん?」
友梨は不思議そうに付いてくる。僕は駅前近くのホテルに来た。
「…泊まろうか」
「え、明日の学校どうするん」
僕はそれに答えず、じっと友梨を見た。友梨は照れたようにして、黙って頷いた。
友梨は、僕の事を本当に好きなのだ。僕は、卑怯な奴なのに。ただのずるい奴でしかないのに。
僕らはホテルの部屋に入った。ドアを閉めるなり、僕は友梨にキスをした。激しく舌を絡めた。
僕はベッドまで行かずに、そのまま友梨を押し倒し、体を触った。
「愛斗くん…ベッド、いかんの…?」
「ここじゃ、だめ?我慢できん」
友梨は、僕の背中に腕を回した。そして僕にキスをした。僕はいつも以上に乱暴に、激しく友梨を求めた。すぐに入れたけど、友梨はすんなりと受け入れた。
僕はただ腰を振り、友梨のお腹に出した。涙が、止まらなかった。
「…愛斗くん?」
僕は下半身を脱いだまま、ただただ、泣いていた。
「ごめん…ごめん」
その謝罪は、友梨に対してか、先生に対してか、わからなかった。
だけど僕は、いつものように、先生を忘れることができなかった。あの、涙目になった先生を。父さんのことを好きな、先生を。顔を赤らめた先生を、僕は、消すことができなかった。
僕は、友梨を好きにはなれない。
僕が好きなのは、先生だけなんだ。




