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この街で、僕は恋をした  作者: めい
第三章
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4

次の日、僕は電車で大分駅へ向かった。長谷川友梨は、もう来てるだろうか。彼女のことを、何と呼べばいいのだろう。どこに行こう。何を話そう。

僕は、待ち合わせ場所に着くまで、そんなことばかり考えていた。


駅前に着くと、長谷川友梨が立っていた。

ピンクの、さも女の子、みたいなワンピースを着て、僕の方を見た。


「愛斗くん!おはよう!ごめんな、急に誘って」


「いや、いいよ。どこ行く?」


「あんな、水族館。姉ちゃんから、割引券もらったけん、行かん?」


長谷川友梨がそう言うので、僕らは、水族館に行く事にした。水族館までの道のりを、長谷川友梨はずっとしゃべり通していて、今までの彼氏は1人なの、だとか、好きな歌手は、とか、愛斗くんの好きなタイプは、とか、愛斗くんの好きな音楽は、とか。

僕は質問に答えていただけなのに、何だか疲れてしまった。


水族館では、イルカのショーを見たり、大きな水槽を見たりした。長谷川友梨は終始、はしゃいでいて、たまに僕を気遣ってくれたりした。

一日は、あっという間に終わって、僕と長谷川友梨は、水族館を出て、海の見えるところに座って休憩をした。


「愛斗くん、今日楽しかった?」


長谷川友梨が、急に聞いて来る。


「うん、楽しかったよ。水族館とか、俺、幼稚園とか以来やったし」


「良かった!わたしも今日楽しかったな。愛斗くん、ほんとかっこいい。一目惚れとか、人生で初めて」


一目惚れ…。僕は、先生と父さんのことを考えた。

だめだ、考えたくないのに。


「愛斗くん」


長谷川友梨の声が、急に小さくなる。


「付き合おうか」


僕が返事をする前に、長谷川友梨は話し終えてしまった。彼女からの、二度目の告白だ。


「いや、俺のことあんま知らんに、そんなこと言っていいん?」


「これから、知って行く」


長谷川友梨は、僕をじっと見つめた。


「わたし、愛斗くんのこと、もっと好きになると思う」


僕は、長谷川友梨から、目をそらせなかった。彼女は、真っ直ぐに、僕のことを好きなのだ。僕は、頭の中に出て来そうな、先生をかき消すように、返事を出した。


「いいよ、付き合おうか」


長谷川友梨は、一気に表情を明るくして、僕の腕にしがみついてきた。


「嬉しい!!」


僕は、もう考えるのを辞めておくことにした。いいんだ、これから、好きになっていけばいいんじゃないか。

僕は、先生への辛い思いを、もう捨てるんだ。


僕は自問自答する頭の中を、空っぽにした。そして、友梨にキスをしていた。

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