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この街で、僕は恋をした  作者: めい
第三章
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家庭訪問シーズンが終わり、すぐに夏がきた。僕は夏休みが、好きではない。理由は単純で、先生に会えないからだ。

こんなこと、誰かに知られたら、僕は恥ずかしくて死ぬかもしれない。

好きな人に会えないから夏休みはやだ!なんて、女の子の考えることじゃないか。

僕は成績が悪くはないので、補習なんかも無い。何かひとつでも、赤点を取れば良かった。そんなことまで思ってしまった。

夏休みなんか、いらねえよ。今年は特に。そう思った。


だけど時間の流れは残酷で、あっという間に終業式はやってきた。僕は家に帰るのが少し名残惜しくて、放課後の教室で残っていたら、先生が来るかな、なんて、また恥ずかしいことを考えた。


「よっしゃあー夏休み!愛斗!帰るぞ!」


純平は、うきうきしている。こいつは補習が4教科もある。それが少し羨ましい。


「ああ…帰るかー…」


僕は諦めて席を立った。ああ、一ヶ月と少し、先生に会えなくなる。


「あの…」


声がして廊下を見ると、見たことない女子が2人立っていた。純平が女子の所へ近寄る。


「なになに、調理科の女子やん。告白やったら、わりいけど無理で?俺には大好きな彼女がおるしー!」


「瀬能くん、ちょっときて」


女子2人は、純平を思い切りスルーした。純平は1人で、おいおい、という感じに驚いている。


「瀬能くん、図書室に行ってくれんかな」


僕は、本で殴られるのか、とか、何か悪いことしたか、なんて思ったけど、断るのも面倒だし、図書室に向かった。

そこには、見たことの無い女子が立っていた。


「あ、瀬能くん…」


「えっと…?」


小さくて、目が大きな女の子。長い髪が、サラサラしていた。


「わたし、調理科の、長谷川友梨です」


「はあ。」


「瀬能くん、好きです、付き合ってください!」


僕は言葉を失った。話したことも無い僕を、どうして好きになるんだよ、と思った。


「いや、えっと」


僕が困っていると、その長谷川友梨は、メモを僕に握らせた。


「可能性が、0やなかったら、メールください!」


そう言って、走って図書室を出て行ってしまった。

僕は呼び止める暇も無く、ポツンと立ち尽くした。


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