夢桜
この脚本は
ひとしずくP の 【夢桜】を
手書きPVにしてみた動画 に
インスピレーションを得て書いた
言うてみれば三次制作の声劇用脚本です。
本家様・参考動画様はURLをご覧ください。
処女作にて、温かい目で読んでいただけるとうれしいです(`・ω・´)
~夢桜~
原作:夢桜(ひとしずくP)http://www.nicovideo.jp/watch/sm6835178
参考:夢桜 手書きPV http://www.nicovideo.jp/watch/sm17407866
脚本:魅*織
キャスト:凛♀…貴族鏡音一族の一人娘。
蓮♂…争いにより両親を失った孤児。初音家に引き取られる
美空♀…初音家の娘。蓮に恋心を抱いている
神威♂…凛の婚約者。鏡音家に並ぶ権力を持つ神威家の頭首。
ナレーター不問
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第一話*色づいた世界
~BGM~
「夢桜」イントロ
ナレ:これは、ここから遠く離れた場所で、まだ一族の勢力戦争があったころのお話。
鏡音一族の一人娘である凛は、婚約者である神威家の子息と共に、
満開の桜を見にやってきたのでした。
(たたたっと子供の走る音とその後ろからゆっくりと歩く足音)
凛:神威様!!神威様!!こちらの桜も満開ですわ!!なんて綺麗なのかしら…
神威:凛様、あまりはしゃがれてお怪我でもしたら大変です、お気をつけてくだs…
凛:だって桜がこんなにも綺麗なんですもの!!ねえ神威様??あちらの方に行ってもいいかしら??
神威:まったく凛様は…(優しく微笑んで)…わかりました。参りましょうか。
凛:神威様、私一人で行きたいの。もちろん、外には決して行かないわ。いけない?
神威:…(はぁ、と小さくため息をついて)わかりました。
お怪我だけはなさらないように。日が沈む前には屋敷へお戻りくださいませ。
凛:わかってます!!!(と言いながら桜並木の奥へ走って消えていく。)
神威:凛様ったら…(ため息つきながらも幸せそうに微笑み)
(場面変わって、満開の桜の下を歩きながら上を見上げうっとりとする凛。)
凛:毎年ここの桜は素晴らしいけれど、今年は特に美しいわ…
どうか、いつまでも散らないでいてくれないかしら…
(歩いているとふと、何か音楽が聞こえてくる。)
凛:…??何の音かしら、素敵な音色ね…。
ナレ:音を頼りに進んでいくと、凛は一本の老桜の前にたどり着きました。
大木の陰で少年がただ一人バイオリンを弾いていたのです。
凛:…誰かしら、あの子…
(恐る恐る少年に近づいていく凛。少年はそれに気づき演奏をやめて凛の方を振り向く。)
蓮:……。
凛:素敵な音色ね。あなたが弾いていたのでしょう?
蓮:…ああ。
凛:あなたは誰なの??いつもここで弾いているの?
蓮:……
凛:私は鏡音凛。あなたは?
蓮:(つぶやくように)…鏡音??(顔をあげて)鏡音…か。
凛:そ、そうだけど…それが??
蓮:いや……。俺は、蓮。
凛:蓮…素敵な名前ね。あなたはどこのお家なの?
蓮:(聞いていない)……。鏡音…。
凛:…??
(蓮は再びバイオリンを手にし、凛には何も言わず演奏を始める。)
ナレ:蓮という名のその少年が奏でるバイオリンの音色はとても豊かで、
でもどこか哀しくもあったのでした。
その日の夜、自分の部屋で昼間に会った少年のことを考える凛。
考えば考えるほど彼の音色が耳に焼き付いて離れないのです。
凛:蓮…
ナレ:夜桜の窓の向こうに、微かに聞こえるバイオリンの音色。
まぎれもなくそれは、蓮の奏でる音色でした。
凛:蓮…蓮!!
ナレ:『夜に外に出てはいけない』という屋敷の掟を破り、
凛は外に飛び出して昼間の老桜と彼の姿を探しました。彼の音だけを頼りにして。
凛:蓮…
蓮:…??(相手を確認すると小さく息を吐いて)あ…昼間の…
凛:凛。
蓮:…凛。こんな遅くに外に出て、叱られないのか?
凛:本当は、大丈夫じゃないのだけれど…お部屋から蓮の音が聴こえて…
そうしたら、いてもたってもいられなくなってしまって…
きっと、叱られてしまうかもしれないわね…
蓮:…(クスっと笑みをこぼす。)
凛:(蓮が笑ったのに気付いて)あ…今笑ったでしょう??
蓮:(首を軽く横に振り)…それで、ここまで走ってきたっていうのか。
結構なお嬢様だな…(再び小さく笑う)
凛:ねえ、聴かせてくださらない?蓮の音。
蓮:…ああ。
ナレ:蓮はまた、楽器を構えました。
蓮の奏でる音色に魅了され、凛は頬を赤く染めながら彼のことを見つめていました。
凛:蓮の音色…とても素敵だわ。夜桜も本当に美しい…。
また、聴きに来てもいいかしら?
蓮:…ああ。
蓮М:鏡音、凛、か…。(複雑な表情)
第2話*色あせた世界の夢
ナレ:ふたりの出会いから数か月。いつものように蓮の演奏を聴いている凛。
蓮:(1曲弾き終わり、自分を見つめている凛に気づき)…??凛??
凛:蓮、最近とても幸せそうね。
蓮:え?
凛:(にこっと笑い)だって、最近の蓮の音、前とは違ってとても前向きなんですもの。
蓮:…毎日聴きに来てるもんな。音でわかるのか。
凛:もちろんよ!蓮のことは何でも知っているわ!
だから、蓮は今、幸せなんだろうなって。私にはわかるの!
蓮:…凛。(少し照れて)ありがとう。
凛:蓮…??もしかして、照れてるの?
蓮:はぁ?…照れてねぇよ…
凛:照れてるでしょ~(いたずらっぽく)
蓮:照れてる…かもな(クスッと笑い)
凛・蓮:…あのさ。
蓮:ごめんな。俺から言わせて?
凛:(笑顔でうなずく)
蓮:…凛、あのな…俺…
(神威が凛を探しにやってくる)
凛:あっ…神威様…
神威:(慌てた様子で駆け寄り)凛様!夜間の外出は禁じられているはずです!
すぐに屋敷へお戻りください!
凛:ちがうのよ神威様!私は蓮のバイオリンを聴きに来ただけなの!
神威:蓮…お前のことか。
蓮:…。
神威:どこの家の者だ。
蓮:自分から名乗るのが筋だろうが…。
神威:私は神威。凛様と婚約する。
お前がどこの者かは知らないが、身なりからしてたいした家ではないだろう。
私も手荒な真似はしたくない。すぐに身を引いてもらおうか。
凛:神威様!やめてください!蓮は私の大切なお友達ですわ!
神威:凛様。凛様をお守りするのはこの私でございます。貴女もご存じのはずでしょう。
さあ、こんな気味の悪い男との交友をいますぐやめ、屋敷へ戻りましょう。
従者も心配しておりますぞ?
凛:違う!蓮はそんな人じゃないわ!
神威:凛様!何度言ったらお分かりになるのです?さあ、早く参りましょう。
ナレ:凛を蓮のもとから引き離す神威。
大人である彼にはまだ幼い凛の力などかなうはずもなかったのでした。
凛:蓮!蓮!!
蓮:……。
(凛と神威が去った後)
蓮:(老桜の幹に腰掛け、男泣きしながら)クソっ…クソッ…
第三話*蓮の過去
(蓮の回想である。)
(銃や剣の音、人が叫ぶ音や建物が崩れる音)
蓮М:十年前、俺の村は、鏡音家の権力争いの舞台になった。
俺は、そこで鏡音家の奴に母さんも父さんも…友達や兄弟まで殺されたんだ…!!
蓮:母さん…!!しっかりしてくれ、母さん!!母さん…
うわあああああああああっ(泣き崩れる)
蓮М:母さんも父さんも、鏡音家の権力争いには何も関係がなかった。
だけど、鏡音の奴らは俺らを片っ端から殺しまくっていった。
俺は、あれからずっと、鏡音家に恨みを持って生きてきた。
鏡音という言葉を聞いただけで憎しみが湧き上がってくる。
俺は…鏡音家にすべてを壊された。夢も希望も、心許せる人も…
鏡音家は俺にとって、突然襲ってきて全部奪って去っていく、そんな悪魔だったんだ…
身よりが皆殺されて孤児になった俺は、ひとりで生きていくことを決めた。
そんなときに声をかけてきたのは、初音家の美空という女だった。
美空:大丈夫…?
蓮:…(涙をぬぐって)何だ。お前も鏡音の奴か。俺はここで死ぬのか。
とっとと殺してくれよ!さあ、殺せよ!殺せよ!
美空:落ち着いて。私はあなたを殺す気は全くないし、鏡音の人間でもない。
あなた、孤児になってしまったのね。かわいそうに…
蓮:お嬢様が孤児を憐れんでくださってるのかよ。ありがたいはなしだぜ…
美空:違うわ、私は初音家の人間。私も両親を鏡音にやられたわ。
あなたと同じ気持ちなの。鏡音を許せない…
蓮:初音…家…
美空:そうよ。私の名前は美空。かろうじてお屋敷は残っているわ。
ここにいたら貴方も私も鏡音に殺されてしまう…一緒に隠れましょう?
蓮:…すまない。今はどいつも信じられない…
美空:…そうよね、また来るわ…
蓮М:そのあと、本当に美空は何度も俺の隠れ穴を訪れた。
自分の命を危険に晒してまでも俺に屋敷から持ってきた食糧を分け与えてくれた。
美空と出会えなかったら、俺は今頃生きていなかったと思う。
俺は、初音家の人間として、美空の屋敷で暮らすことになった。
(初音家の屋敷の中)
美空:蓮…楽器に興味はある?
蓮:楽器…?
美空:(バイオリンを手に)これ、あなたにあげるわ。
蓮:なんで俺に…?
美空:(優しい微笑みで)なんとなく…蓮なら素敵な音を奏でそうだから。
蓮:(しばらく考えて受け取り)…サンキュ。
(回想おわり)
蓮М:美空はそのあとも、ずっとずっとそばに居てくれた。
俺は悲しいときも嬉しいときも、美空がくれたバイオリンを弾いた。
バイオリンだけは誰にも負けないと思うまでになった。
俺の感情はすべて音に乗る。
蓮:凛…
美空:『私、蓮に出会えて本当に幸せ!』『蓮♪蓮ってばあ♪』『蓮…ありがとう…大好きよ。』
凛:『蓮の音色って本当に不思議…引き込まれてしまうわ!』『蓮…あのね…』
『鏡音 凛っていうの。よろしくねっ』『神威様!神威様!』
蓮М:凛、ごめんな。俺たち、出会っちゃいけなかったんだよ…最後に…一度だけ…
第四話*それぞれの想い
(鏡音家屋敷の中)
神威:凛様。お誕生日おめでとうございます。
凛:神威様!ありがとうございます!
神威:凛様にお伝えしておかねばならないことがあります。
凛様は「初音」という一族のことをご存知でしょうか?
凛:初音家…?知らないわ。どんな一族なのです?
神威:我が鏡音家が敵対する一族であります。
この地域は鏡音の領地でありますが、初音家も我が家と同等の力を持った一族で、
我々と同じような広い領地を持っております。
凛様がじきの鏡音頭首となられることを初音の連中に知られてしまっては、
凛様自身はもちろんのこと、鏡音家そのものの存続が危ぶまれる可能性があるのです。
凛様、鏡音の頭首となるお方として、私から申し上げておきます。
初音家との一切の交際を避けてください。
いつ、どこからか凛様の情報が漏れるかわかりません。約束してくださいますか、凛様。
凛:…わかりました。私は、鏡音の一族を守らなければなりません。
神威:凛様、ご両親もたいそうお喜びになるでしょう。
あのバイオリン男とも一切の関係を断ち、鏡音の頭首としてご立派に成長なさるなんて…。
凛:ちょっと待ってください神威様!蓮は初音の一族なんかじゃないわ!
神威:ならばどこの一族であるか、凛様はご存じなのですか?奴はいつも黙っておりましたでしょう?
凛:…。
神威:凛様、鏡音の頭首は…凛様なのですよ。
凛:…わかりました…。
ナレ:その日の夜。凛は蓮のことを考えていました。
想い焦がれている蓮が、もし敵対勢力の初音の一族だったとしたら…
自分をだまして鏡音の情報収集をしていたとしたら…
凛:ううん!蓮がそんなことをするはずない…するはずないわ…
蓮…もう一度…もう一度会いたい…
ナレ:凛は夜の屋敷を抜け出し、毎年綺麗に咲く夜桜の中、蓮の音を探しました。
いつもとは違った哀しい旋律が聞こえてくる…
凛:蓮…
蓮:(演奏をやめて涙をばれないように拭い)…
凛:あの時はごめんなさい…神威様に逆らうことができなかったの…
蓮:…
凛:ねえ、蓮?また、いつものように演奏を聞かせt
蓮:ふざけんじゃねえ…
凛:蓮…??
蓮:お前、鏡音の人間だろ。
凛:そうよ、それがどうしたn
蓮:俺は、俺は…初音蓮だ。
凛:…!? 初音…
神威:『凛様がじきの鏡音頭首となられることを初音の連中に知られてしまっては、
凛様自身はもちろんのこと、鏡音家そのものの存続が危ぶまれる可能性があるのです。』
凛:…初音家が何よ!蓮は蓮。そうでしょ?
蓮:凛…
凛:一族なんてどうでもいいわ!私はただ、蓮と一緒にいたいだけ!
蓮:俺…鏡音の権力闘争で家族を皆殺しにされたんだ…
凛:…!!(息をのむ)
蓮:だから、ずっと鏡音家を恨んできた。
(と、遠くから美空が走ってくる。)
美空:(息を切らして)はぁ、はぁ、蓮…やっと見つけた…
凛:…誰…この子…
美空:あら。初めまして御嬢さん。私は初音家の美空と申します。
彼は私と婚約するので、下がっていただけます?
凛:蓮…本当なの…?
蓮:(無言でうなずく)
凛:そう…なんだ…。
美空:蓮?こんな遅くにバイオリンを弾いてたの?
お屋敷に戻って、私の為に奏でてくれないかしら?
蓮:(冷たく)ああ…
美空:(凛に向けて)あら。嬉しいわ。蓮が私のためだけに演奏してくれるなんて!
凛:蓮…
蓮:(凛を無視して)行こうか。美空。
美空:ええ。早く行きましょう?
(ふたり去る。残された凛。)
凛:…蓮…(すすり泣く)
蓮…私たち、出会わない方がよかったのかな…(泣く)
(美空と蓮、帰り道を歩いている)
美空:ねえ蓮?今日はどんな曲を弾いてくださるの?
蓮:(冷たく)…いつもの曲だ。
美空:…… あ、そうだわ!明日一緒に桜を見に行きましょう?
散り際の桜もなかなか美しいものよ。
蓮:(冷たく)…ああ。
美空:……… 蓮…?
蓮:…なんだ?
美空:…蓮はあの子といるときしか笑わないのね…
蓮:…!?
美空:蓮の笑顔は…今はもう…私のものじゃないのね。お別れ、なのかしら…。(泣いている)
蓮:…
蓮М:美空の気持ちは痛いほどよくわかっていた。俺を救ってくれたのは美空だ。これは間違いない。
しかし…俺の心の中にいつまでも消えないで残っているのは、美空ではなく…凛の笑顔だった…。
ナレ:それぞれの想いを持ちながら、その後二人が桜の木の下で会うことはなくなりました。
あっという間に時は移ろい、また、美しくも儚い桜の季節がやってきました。
第五話*本当の愛
(鏡音家お屋敷の中)
神威:凛様。
凛:神威様。
神威:婚姻の証として、こちらをお受け取りください。
凛:口紅…
神威:式の日にはそちらをお召しください。
それが我ら鏡音家の伝統でございます。
凛:そうね。神威様と結婚できるなんて、なんて光栄なことでしょう!
神威:私もです。このようなお美しい姫をいただけるとは…
凛:神威様…言い過ぎですっ(照れて)
神威:はははは… 愛していますよ。凛様。
凛:ねえ神威様?夜桜がとても綺麗ね。私、詩を書きたいわ。お外に出てもよろしくて?
神威:構いませんよ。ただし、お怪我には十分お気を付けくださいね。
凛:神威様は行かれないのですか?
神威:私は式の準備があるので。行ってらっしゃいませ。
凛:わかったわ!行ってくるわね!
ナレ:老桜は、今年もまた、美しく咲き誇っているのでした。
蓮:…今年も夜桜が美しい…すべてを浄化してくれるようだ…
凛:…本当にきれいな夜桜…よい詩が書けそうだわ!
ナレ:運命と呼んでよいのでしょうか。
この老桜の下で出会った二人が、時を経てまた、出会ってしまうのでした。
蓮:……っ!?
凛:…っ
蓮:凛…
凛:蓮…
蓮:(わざと明るく)凛…しばらく会ってなかったな。
凛:蓮…私ね、神威様と結婚するわ。
蓮:(哀しい笑顔で)そうか…良かったな。
凛:(哀しさを滲ませて)うん…良かった。神威様はとっても素晴らしいお方よ。
蓮:結婚式に、バイオリンを弾きに行くよ。
凛:…ありがと
ナレ:突然の再会は、ふたりには辛すぎました。
簡単な言葉を交わすだけで、精一杯だったのです。
二人は、別々の方向に歩いて行きました。
蓮М:そっか…凛は神威と結婚するんだな…(涙をこらえきれず)畜生……
凛М:蓮…喜んでごめんね…私…うそつきでごめんね…(泣く)
ナレ:あなただけ想って生きていくために…何もかも捨てることは許されるの?
あなただけ想っていきていくために…何もかも捨てることは許されない…
あなたのいない 色あせた世界の夢は夜桜と共に散って行った…
第六話*夢桜
(鏡音家凛の部屋)
ナレ:結婚前夜、一人部屋で綺麗な夜桜を見ながら想いを馳せる凛。
凛:夢桜…どうか散らないでいて…
ナレ:すると、散りゆく桜吹雪の中、切なく、しかし力強いバイオリンの調べが聞こえてきました。
この音色…凛の心の中で大きく弾けたのは、蓮への想いでした…。
蓮М:凛…この曲を君に送るよ…俺たちが初めて出会ったとき、俺が弾いていた曲。
聞こえるかい…俺の想い…(哀しく笑い)聞こえていないだろうな…凛…
凛:バイオリン…これは…蓮の音…蓮!
ナレ:おもわず駆け出した凛の前にいたのは、結婚を翌日に控えた神威でした。
神威:凛様…
凛:…神威…様…
神威:…
凛:…
神威:……凛様。………お行きなさい…
凛:…っ!?
神威:凛様のお幸せを、願っておりますから。
凛:蓮っ…!!
ナレ:神威のそばを駆け抜け、蓮のもとへ向かった凛。
屋敷に残ったのは、全てを理解した神威と、そばに転がる口紅…。
蓮:さて、帰ろうかn
凛:蓮!蓮!!
蓮:っ!! 凛!!
凛:…(息を切らし)はぁ、はぁ…
蓮:……(にっこり笑って)おかえり。
凛:…(呼吸を整えて微笑み)ただいま。
エンディング曲:夢桜