@言い訳終わり
言い訳ペアで続編。
これだけでも読めなくは無い。
タイトルに終わりってあるけど、気まぐれで書くから終わるとは限らないよ!
R15を目指してみた。
故に甘ったるくエロい(多分
おkの方どうぞ!!
炬燵の有り難みを感じさせる時分。雪こそ降らないものの、時おり通り抜ける冷風に、俺はマフラーを口元まで引き寄せた。
早く部屋に戻りたい。
俺こと岡田誠也と俺様会長相模拓斗は、年越しを共にしようと初詣に来ていた。今は冬休みだけれど、寮もあるので希望すればそのまま使っていられる。俺達は二人ともその居残り組だった。学校と隣接する寮から徒歩で20分という比較的お手頃な場所にある神社は、住宅地も近くにあることから相当な賑わいを見せている。
人が蟻のようにうごめく列を外れ、二人して息をつく。
すでに目的は達成していて、あとは寮に戻るだけだ。
「お前甘酒飲まねぇのか」
「苦手なのぉ」
巫女さんの格好をしたおねーさんが無料で配るのを受け取り、相模はぐいと飲み干した。そんな一気に飲むものじゃないだろうに。ってかいいな巫女さん。あれで日本刀なんか振り回したら立派なSFファンタジー。あの髪の毛本物かな。うちの学校にいる可愛い子に着せるのもありかも。美人副会長のなおちゃんなんか絶対似合う。和風美人。
ぼーっと巫女さんを眺めていたら、いきなり頭をこづかれた。
誰がやったかなんて解りきっているから、わざと不満をのせて斜め上を振り返る。
空に俺をこづいた拳をとどめたままの相模は、俺と目を合わせるとそれを引っ込めた。呆れ顔なのは俺の妄想でも伝わったかね。半年で大分俺の本性がこいつに露見したから。
「帰るぞ」
言うなり先を歩き出す。反対されるということを微塵も考えてないねこの人は。従うんだけれども。
下らない談笑しているうちに、おぼろげな電灯に照らし出された寮が、黒々と前方に浮かんだ。なぜだろう、嫌に不気味に写る。これから一人の部屋に戻るのが急に寂しくなった。相模といるのに慣れすぎた自覚がある分、この変化の要因も明らかで。俺は歯がゆい思いに、組んでいた両腕を組み換えた。
本当に、最近の俺はこいつに依存しているんじゃないだろうかと言うほどに、おかしい。こんなことはなかった。今まで。家族とも疎遠になった今、これほどに一人の人間を大事にする日が来ようとは思わなかったから。腐男子になってしまった以上まともな恋愛も、あまり期待していなかったし。ホモになる気もなかったはずなんだけれどもね。
でも、大切にされると言うのは思った以上に胸に来る。
嬉しいんだ。共にいるのが。
正面玄関を潜り、エレベーターの前。生徒会の部屋は同じ階にある。
もう少し一緒にいられる。
急に襲われた寂しさに、俺は始終心を震わせた。笑顔だけは変わらずに彼に向ける。絶対に悟らせたくない。
ちん、と音がして、ちょっとばかし内装に気を使った廊下がお目見えする。
俺の部屋のほうが手前。
明日になったらまた会える。だから我慢しろよな、俺。依存はしたくないんだ。
「じゃぁ、お休みー…ぃ?」
潔く。自分から言い出した本日のお別れは、捕まれた腕に遮られた。
「まだ寝るには早いだろう?」
ヒヤリとして、相模を窺い見れば、やはり熱のこもった瞳とかち合った。
「んっ」
相模の部屋に入るなり抱き締められ、口を塞がれる。珍しく切羽詰まった様子の相模に頬が緩んだ。
二週間ぶりだろうか。冬期講習に生徒会の残業とそれなりに忙しい日々を過ごし、やっとまともな休暇となったのが三日前、否、もう四日前か。
「ふ……ちょ、ベッドまで我慢できないの」
噛みつく様なそれをずらして解く。僅かに上がった息に頬が染まったことを自覚する。身長差の問題で上目遣い。
こりゃ煽っちゃったかな。
案の定眉根を寄せる相模に、俺はこの際とにやりと笑って見せた。
素肌を伝う手が冷たい。弱い腰回りを弄られるたび、声が出そうになるのを手で押さえこんだ。
着込んでいた服を脱ぎ捨て、一枚だけ残された(残せと言われた。多分こいつの趣味?)ヒートテックを押し上げられる。
指が飾りに触れる。覚えされられた感覚に、俺は喉を鳴らした。
「そろそろ手、どけたらどうだ」
「あっ、ちょっと、声出ちゃうじゃん」
俺の口元を塞いでいた手は相模によってはがされ、しわくちゃのシーツの上に押しつけられる。
「聞かせろ」
耳元で囁き、相模はそのまま耳を食んだ。
「やっ」
生暖かいものが耳を撫ぜ、俺は変な声を出してしまう。相模はそれを皮切りに、耳から首、鎖骨までを一気に滑り落ちた。ぞくりと肌が泡立つ。首筋に感じた痛みは、吸ったのか。
「痕つけたな……」
「お前は俺のものだろう?」
相模は妖艶に笑む。茶色の瞳が細められるさまに、俺は胸が苦しくなる。
「相模」
「な、ん」
苦しくなって、自分から口づけた。
驚いて身を固くした相模の口をこじ開け無理やりに舌を押しこめる。煽る様に舌で口内を弄ると、戻って来た相模の舌にからめとられた。絡め、吸われ、歯列をなぞりなぞられる。気持ちがよくて、付いた腕が震えた。
「ふぁ、は、はぁ」
「は、誠也」
吐息もかかる至近距離。キスの余韻を色濃く残す甘い雰囲気に、ちょっと焦った声音で俺の名が呼ばれた。
先ほどよりも激しいキスにまだ息が荒い俺は、ただ見上げるだけ。
眉根を寄せた相模の顔。少しばかり上気しているようなそれに、俺は息をのむ。行為に及んでいるときの様な必死な表情とは違う、初めて見る表情だった。
「誠也、今、お前から」
「う、ん?どーしたの」
落ち着いたので答えると、どうやら狼狽えているらしい。
「お前から、キスして」
「うん。したよ?」
「それは、つまり……誠也、俺が好きか?」
はっとした。
思えば、相模の言葉に甘えて、俺は自分の気持ちを彼に伝えなかった。機会がなかったと言えばそうだが、無理にでも言えたはずだった。
言わなかったのは俺のエゴで、十分に愛されていることを知っている俺が一人で安心していただけだった。
相模は不安だったのだ。それを、俺は気づきもしなかった。
それなのに、寂しいとか思って。寂しいのは相模じゃないか。
「ごめん……」
視界が滲む。さっきとは違う、痛みを伴う苦しみが胸を襲った。
「ちゃんと、伝えなきゃいけないのに、俺は、相模の態度に甘えて」
相模の顔が見れない。俺は相模にしがみついた。そっと頬に手が触れ、目元を拭われる。それだけで安心した。
元々がこいつの強引ともいえる取引から始まった関係。途中、こいつから告白された。俺が生徒会に入ったあたりから気になっていたこと。仕事を共にこなすうちに好きになったこと。俺は答えを保留にした。その時はまだ、この気持ちがなんなのか分かっていなかったから。
でも、今なら分かる。
「ねぇ、相模も俺のものになってよ」
「それって……」
「俺様な相模をこんな弱気に出来るのは俺くらいでしょ」
顔が自然とほころんだ。
もしかすると、寂しさは伝えていなかったからかもしれない。ちゃんと共有していれば、もう寂しくなんかない。
きゅうっと抱きしめられたぬくもりに顔をうずめて、そんなことを思った。
なんども「好き」と囁いた相模は僅かに涙声で。
俺はそんな相模を精いっぱいに抱きしめる。
今までお前が俺にくれたものを、俺はどれだけ返せるだろうか。与えてしまった寂しさをどれだけ拭いされるだろうか。お前がくれるように、俺もお前にしてやりたいんだ。好きになっちゃったんだから。
あとがきという名の反省と説明
まず反省
どうしてこんなことになったのか私には分かりませんっっ←
甘((汗
胸焼けされた方すみません。私もしました。
説明
といっても今回は続編なのでそんなにありません。
相模君にヘタレ属性が追加されたくらいですw
相模君描写を最小限にしてありますが、なくっても伝わると思ってその部分は校正の段階でも編集しませんでした。
たぶん、伝わると信じて!!
最後に
読んで下さりありがとうございます。
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