6話 本心
お話終盤です
「なんだここ…」
薄暗い路地裏の奥のビル。
地下に向かうエレベーターを降りた。
そこは、研究室のような空間だった。
オドオドしながら、足を進める。
少し明るい部屋に着いた。
中央に、大きいガラスがあった。
「…は?」
その中にリリカの姿があった。
「な…なんで…?」
足が震える。怖い。
その時、
「誰だ!!!」
大きく低い声が、研究室に響く。
「誰か来た…!?」
背後に、白衣を着た男が立っていた。
「お前…明日山リリカの同級生、中村だな?」
「は…?なんで知ってるんだよ…?」
「まぁ、研究材料にな。」
「研究材料…?」
「明日山リリカは今、夢を見ている。
何の苦しみもない、素晴らしい夢だ。」
「夢って…ふざけるなよ…!」
「まぁ丁度いい。言うが、明日山リリカは…」
「お前のせいでこうなった。」
「…は?なんでだよ?」
「明日山リリカはお前に嫌われて、
クラスからも陰口でいじめられて、
もう限界だったんだ。」
だから何だって話だ。
こうした原因を俺になすりつけているのか?
「俺は…リリカのこと、嫌ってなんか…」
「明日山リリカは嫌われてると思っているんだ。」
「自分の気持ちを素直に伝えられず、
そのまま滅んでいく。人間は実に愚かだ。」
「というか、なんでこんなこと…」
「全ての人間を、幸せにしようとしてるんだ。
汚い現実なんて、消えてしまうような、
『都合のいい』世界を。」
「…気持ち悪い。」
「なんだと…?」
「都合のいいだなんてお前らだけだろ。
許可も取らず、強引に今の世界を変えるだなんて…!」
「だが、幸せじゃないんだろう?
世界を変えない理由なんかないだろ。」
「だから…それがお前らの都合だって言ってんだろ!!」
「今幸せじゃないからって、今の世界を
変えて幸せになるとか、お前らの都合の良い解釈でしかないんだよ!」
「…そこまで明日山リリカを目覚ませたいか?」
「当たり前だろ、俺は…
リリカのことが、好きなんだよ…!!!」
「この気持ちを伝えられないのが、どれだけ辛いか…
俺はこいつを覚まして、俺の思いを伝える!」
「くだらない。それこそ、お前の都合だろうに。」
「皆に都合の良い世界を作るんだろ…?」
俺は自分でも驚く程、怒りが湧いていた。
そして、そいつの頭を…
パリーンっ!
ガラスが割れた。
待っててろ、リリカ。
これでわかった。大切なものを失う悔しさを。
「おい...覚めろ!!」
体温が冷たい。
その時。
リリカが目を覚ました。
てーんきゅ
(後書き飽きた)




