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事故に遭いました~俺って全身不随?でも異世界では元気ハツラツ?  作者: サクラ近衛将監
第二章 再起と発展

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20/23

2ー3 復帰した健司の世界 その三

 取り敢えず、最初に手掛けるのは、DDR6のメモリーとM.2SSD(2280 4TB)が製造できるかどうかやってみる。

 確実にできるとわかったなら、取り敢えずは耐久性と欠陥が無いかの長期テストな。


 こいつは知人のITオタク数人に有償でやってもらうし、自分でもいろいろ自作のPCを組み立てて実証実験を行うことにしている。

 取り敢えず、半年間はその試験期間とするよ。


 その結果が良好であれば、複製品を売りに出す。

 俺って、チート能力で既存の品であれば複製品が造れるからね。


 モノと素材があれば、複製は比較的簡単なんだ。

 売り込みの方は、営業のできる人間が居るのが一番良いのだけれどな。


 実は優秀な人物の採用が一番難しいんだ。

 だから、最初は自前で頑張る。


 交渉事で好印象を与えるのは俺の魔法で何とかなりそうだから、俺が営業もこなして、実際に物を見てもらって判断してもらうしかない。

 市価の二割安とか三割安であれば、企業で飛びつくところもあるだろう。


 但し、数量で千個単位を用意しなければ相手にしてもらえない可能性もあるので、その分量を確保してからの話だな。

 因みに俺が造る品は、全部の素材を、地下から採取できるし、一度作り上げたものであればすぐに複製品を生み出せるんだ。


 税金対策もあるから、多少の誤魔化しはどうしても必要だよな。

 相応の素材は購入せにゃならんだろうが、少なくとも既成の製品素材を購入することはしない。


 そうして作業工程は企業秘密で一切公表しないことにするんだ。

 経産省筋が関与するだろう生産設備の確認がどの程度で収まるかだよなぁ。


 俺としては手工業的な工場を考えているんで、そんなに問題にはならないような気もしているんだが考え方が甘いかな?


 ◇◇◇◇


 ところで俺が最終的に造ろうと思っているのはウェラブルPCだ。

 いわゆるスマートグラスであって、AI機能を有する超小型PCを内蔵するAR(Augmented Reality)グラスなんだ。


 新型ARグラスの開発までは、DDR6のメモリーやM.2SSD(2280 4TB)の製造を行い、市価より割安で市場に提供して資金集めと信用を得るつもりなんだ。

 DDR6とM.2SSDの試作品のテストは良好で、特段の問題も生じていなかった。


 で、2032年4月に『PERSPECT FUTURE LLC』という名で会社を創設登記して、半年後の2032年10月からDDR6メモリーとM.2 SSDの製造販売を始めたよ。

 販売を始めるまでに、在庫はDDR6 12000の (16Gx2) と (32Gx2) それに (64Cx2) の三種類を各10万個ほど準備しておいた。


 千個のロットで段ボール5個程度だから、段ボールが1500個ほど、工場の片隅で鍵のかかる倉庫に保管してある。

 重量は、段ボール一個分で8キロまで無いだろう。


 値段は、小口でDDR6 12000 16Gx2が25600円ほど、DDR6 12000 32Gx2が43200円ほど、DDR6 12000 64Gx2が48000円にする予定だが、これでも市価の20%引きほどなんだぜ。

 大口の場合はDDR6 12000 16Gを千個単位で1040万円、DDR6 12000 32Gを千個単位で1755万円にする予定だ。


 こっちの方は市価の35%引き程度になるはずだ。

 M.2 SSDの、1TB、2TBそれに4TBも各5万個、3万個、1万個分を保管しているが、市価で1TBが8千円~1万円、2TBが1万4千円~2万円、4TBが3万円前後なんで、それぞれ小口で概ね20%引き、大口で500個ロットなら概ね35%引きで販売する予定だ。


 いずれも、ロット販売は信用のおける大手の企業にしか販売しない。

 詐欺にでもひっかかったら問題だからな。


 小口は、クレジット等での前金払いが原則だな。

 いずれにせよ、うちの工場倉庫には時価にして百億円を超える品物が保管されていることになるな。


 仮にこれが全部盗まれても、実質的損害は俺の労力だけだがな。

 いずれにせよ、これが全部売れれば大儲けなんだが・・・。


 まぁ、2割も売れればよい方だろうと思っておこう。


 ◇◇◇◇


 当座の社員は、事務員で雇っている従妹の野田理絵と警備員として雇っている遠目の親戚の矢田宗助の二人だけ。

 野田理絵は、この春に大学を卒業したばかりなんだが、なぜか昔から俺に懐いていて、俺が会社を作ると聞いて、就職先を辞めてまで、俺の会社に入りたいと言ってきたんだ。


 矢田宗助は、俺の親父のハトコに当たるのかな?

 俺の祖父の従弟いとこの子供らしいが、昔から実家の近くに住んでいて同じ姓でもあり、結構付き合いがあるお人なんだ。


 五年前までは地元警察に勤務しており、定年退職して警備会社に勤務していたが、そこの上司と折り合いが悪くて辞めた人だ。

 俺にとっては親戚筋のオジさん(65歳)と呼べる人ではある。


 何とはなしに、昔のなじみで、彼氏も雇うことになったよ。

 因みに会社の『LLC』ってのは、日本名で合同会社。


 2006年に有限会社が無くなって、その代わりに有限責任社員だけで構成される会社が認められるようになった。

 出資の範囲内で責任を負えば良い会社である。


 従って、この二人にも社員になってもらう以上、何某(なにがし)かの出資をしてもらわねばならないんだが、少額で構わない。

 因みに、宗助オジさんと理絵にはそれぞれ百万円の出資をしてもらったよ。


 宗助オジさんは自腹で、理絵は俺から借金をして出資してもらった。

 社員の給料は、大卒新社員よりは高いはずだぜ。


 主力商品の生産は、ほぼ俺一人で賄っているんで、理絵は会社の会計事務等総務畑を主としてやってもらっている。

 宗助おじさんは、まぁ守衛の仕事だろうな


 社屋入り口の受付にいて来客の応対をしてもらう仕事であり、敷地内の警備も受け持ってもらっている。

 賃金は、宗助オジさんで月に40万円弱、理絵で32万円ほどになるかな。


 二人は会社の事務所ができた8月から仕事についてもらっているが、営業的な活動が始まるのは10月以降になるだろう。

 二人へのボーナスは、公務員に準じて年に二回(6月と12月)ある他、昇給も公務員に準じることにしている。


 当然のことながら、俺の給料が一番多くなるよな。

 出資額が億単位だし、純益に対する貢献度も一番高くなる。


 一応、当面は月に300万円の固定給とし、前年決済の利益により、翌年配分賞与がある。

 従って、来年の10月までは俺の給与はボーナス無しの月300万円だけだな。


 この辺は社員(=株主)同士の了解でどうにでもなる話ではあるけどな。

 これ以外にも会計事務所への依頼経費だとか会社の電気・水道等の維持経費が掛かるけれど、特段の問題はない。


 DDR6にしろM.2 SSDにしろ、既に千個単位での受注を複数から受けているからな。

 経理上で困りそうな問題は、材料購入費(支出)と販売価格(収入)との差が大きすぎることかな。


 その間に、当然加工費用やら労働賃金が必要とされるんだが、これがほとんど俺のチート能力による労働成果だけで成り立っているから、税務署辺りには非常に説明しにくいところなんだ。

 まぁ、商店などでは仕入れ値と売掛代金とは当然違うんだから、それで問題が無いと言える範囲ではあるんだが・・・。


 例えばICチップをシリコンウェハースから製造するに際して、特別な素材や機械を使わずして製造していたら不思議に思うよな。

 何しろ、うちの会社で購入しているのは、墓石にも良く使われているような花崗岩等の岩石なんだ。


 この購入にしたって、素材や部品若しくは製品を一切購入しないでIT機器を生産するのは流石にまずかろうということで、鉱石等の原材料を購入することで支出部分を誤魔化しているだけだ。

 俺が最寄りの岩盤地層から必要な素材だけ抽出すれば、原料素材は何もなくても構わない。


 だから、花崗岩にしても何の変哲もない火成岩で山から切り出してきたものを、トン単位で購入しているだけだ。

 花崗岩には二酸化ケイ素が多量に含まれているから、抽出してケイ素だけを取り出し、不純物の少ないシリコンを生み出している。


 シリコンウェハースってのは、通常丸い円盤状のものをいうんだが、俺のところでは最初から必要な大きさに切断したチップに回路をプリントしているよ。

 勿論、機械なんかを使わずに人力(手作り)でな。


 だから、本来は大量生産には向かないけれど、微細な調整は思いのままだ。

 おまけに極秘の話ではあるけれど、素材さえ有ればあまり手間をかけずに複製できちゃうからね。


 そういう意味では特別なオーダーに寄る受注生産が可能かもしれないが、その必要性が出てきた時点で考えよう。

 いずれにしろ、税務署等には生産技術については企業秘密と云うことで押し切ることにしている。


 経産省とかの立ち入り調査が入っても何もわからないはずだし、質問されても企業秘密で押し通す。

 いずれにしても会社創設から1年半を過ぎたなら、作業員もかなり増やすことを検討するつもりではいる。


 この場合の作業員は社員ではない。

 合同会社では社員は皆出資者だけからね。


 そうでないものは社員とは言わない。

従 って、労働力を提供してくれる派遣社員を使うことになるんだろうな。


 当然のことながら、報酬は普通よりも高くすることになるし、福利厚生も普通の会社並み(いや、公務員並みかな?)にするつもり。

 会社の経営状態にもよるけれど、間違いなく数人から十数人程度は雇えるだろうね。


 但し、それ以上の人員が来ても飽くまで中小企業にしか過ぎない(資本金がでかすぎる?)から仕事が無いかもしれないな。

 まぁ、それでも人が増えれば、一人ぐらいは管理職が必要かもしれないな。


 うーん、別途出資者をどっかから連れてくることも検討しよう。

 仮に正式社員が多数増えそうな場合には、株式会社に変更することにする。


 大規模な商取引になるようであれば、それなりに人も必要だからね。

 ところで10月から販売を開始したら、案に反してITオタクの関連会社やら知人から結構な注文が来たよ。


 DDR6なんか結構高いんだけれど、購入希望者って意外といるみたいで、トータルで十万個を超える数がネット販売で売れたな。

 同様にM.2 SSDも在庫の半数近くが売れて嬉しい悲鳴だよ。


 今のところ、急遽雇った派遣社員さんに発送の方を頑張ってもらっているところだ。

 うーん、こりゃぁ、半期で30億円以上の黒字になるかな。


 ちょっとは心配していた固定資産の今年の減価償却分は十分賄えるようだし、年末のボーナスも支払えそうだな。

 俺の給料は固定給だけど来年は、配分賞与分が楽しみだぜ。


 まぁ、俺って小市民だから、そんなにたくさん金儲けしても使い道に困ってしまう性質(たち)なんだよね。



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