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事故に遭いました~俺って全身不随?でも異世界では元気ハツラツ?  作者: サクラ近衛将監
第一章 二重生活

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1-2 行ったり来たり?

 ギラン爺さんのやっている(きこり)なんかも、ある意味で()()()ではあるんだが、そう言ったスキルが無くとも、何らかの仕事に()いて、ある程度慣れれば、相応の仕事ができるレベルにはなれるんだ。

 但し、名人とか言われるほどのレベルになるには、それ専用のスキルが無いといけないらしい。


 こいつは爺さんからの受け売りだから、正直なところ、どこまで本当なのかはわからん。

 ただ、逆に言うと、そんな特別のスキルが無くても、そこそこのレベルにはなれるという事でもあるらしい。


 もう一つ分かっている能力は、インベントリだな。

 今のところは大量の荷物を収納することはできないんだが、その能力に気づいた時には10リットル程度の容量と10キロ程度の重量ならばインベントリに収納して置けることが分かった。


 10リットルと言えばさほど大きくないリュックか若しくは中ぐらいのボストンバッグ程度だろう。

 そいつに大物は入れられないまでも、10キロの重量を入れて重さを全く感じないというのは、結構便利なんだぜ。


 但し、容量が大きかったり、重量が大きかったりすれば、そもそもインベントリには容れられないんだ。

 これについては、インベントリに色々な物品を収納する訓練をしていると、その枠が徐々に広がるという事も分かって来たよ。


 当初は10リットル、10キロ程度だったけれど、二か月経った今では、500リットル(ドラム缶で二本半、浴槽で言えば二杯分ぐらい?)、500キロ程度の重量までに能力がアップしたようだ。

 後は、よくわからん魔法能力もあるようだ。


 火、水、木、土、風の魔法がほんの少し使える。

 光と雷も使えそうだし、氷も、水の派生で何とかなりそうだ。


 今は、これらの魔法が実際の場面で使えるようにと、毎日少しずつ訓練をしているところだよ。

 但し、ラノベよろしく『ステータス』と念じたり、声に出したりしてみたが一向にステータス表示がされないんだよな。


 でも、自分自身に鑑定をかけたらステータス表示に近いものが出て来たな。


名前:ケント(ケンジ・ヤダ)

年齢:14歳

種族:ヒト族

健康状態:良好

魔法:

 火、水、木、土、風、光、雷、氷、(闇、聖、時空、無)

武術:

(剣術、体術、槍術、棒術、弓術、馬術)

その他:

 鑑定、言語理解、樵師、(鍛冶師、治癒師、採掘師、錬金術師、薬師)


 よくわからんのだが、ステータスという奴は、レベルの表示とかを含めて、てっきり数値で表現されるものと思っていたが、どうも違うようだな。

 レベルが上がった時には、上がったこと自体がわかるようになっているんだろうかと心配になるぜ。


 ただ、潜在能力として(闇、聖、時空、無)の魔法?

 各種の武術?


 それに(鍛冶師、治癒師、採掘師、錬金術師、薬師)が伸びる可能性がある。

 見様見真似(みようみまね)ではあるが、転生前を含めてケントが二年程やった樵の手伝いで「樵師」の表示がちゃんと有るもんな。


 ギラン爺さんの仕事振りには到底敵わないんだが、それなりの仕事ができるという事なのだろうと思っているところだ。

 多分、数値表示が有ればレベル1とかの表示が有って、ギラン爺さんはそのレベルが高い数値だと思う。


 ウーン、ヤッパリ、ラノベのような数値表示のステータスが欲しいよな。

 魔法の『火』、『水』、『木』、『土』、『風』、『光』、『雷』、『氷』は一応全部試しにやってみたよ。


 しょぼいけれど、何も無いところで火や水なんかを出して魔法らしきものが発現できると確認できた分だ。

 これらを鍛錬すれば、きっと上達するに違いないと今は思って置こう。


 魔法だけじゃなくって、身体も鍛えておく必要があるから、武術もそれなりに考えてやっておくつもりだ。

 それからは、毎日が忙しかったな。


 師匠が居るわけじゃないから、飽くまで我流のやりかただけれど、魔法や武術を人目に付かないよう懸命に訓練したぜ。

 鍛冶師、治癒師、採掘師、錬金術師、薬師については、やり方がわからないから、今のところ様子見だな。


 でも、ひょんなところからきっかけをつかんだよ。

 例の古代遺跡の秘密蔵にあった古代文字の石板だ。


 細かい文字でびっしりと記載された石板は、魔法や錬金術などの手引書だった。

 何故か石板の文字を読むだけで、魔法や錬金術のやり方を理解できたから自分でもびっくりしたな。


 石板であったのは、どうやら初級編だけのようだがな。

 概ね、この石板を読んで理解すれば、初級クラスの魔法や魔力を使う事なら、何でもできそうだ。


 そんなこんなで二か月ほどが過ぎて、俺は向こうの世界でいつも通りに寝たはずだった。

 そうして目覚めると、俺は元の現実世界(?)に居て、ほとんど身動きできない俺の身体に戻ったことを知ったわけだよ。


 いい若い者が、可愛げな看護師さんにシモの世話をしてもらっている場面を想像してみろよ。

 とってもいたたまれないぜ。


 半ば死に体(しにたい)だが、血は通っているからな。

 かなり鈍い感触ながら触れられりゃわかるんだよ。


 いっそ殺してくれと思いたくもなるぜ。

 俺が目を覚ました日は、そんな恥ずかしい思いをしながらも飛ぶように時間が過ぎた。


 ◇◇◇◇


 そうして俺が眠りにつくと、俺はまた異世界に居たよ。

 どうしてそうなるのかはわからんのだが、俺が異世界で眠りにつくと日本に戻り、日本で眠りにつくと異世界に戻るという事がはっきりとわかったのは、矢田健司の生きていた日本に戻って二日目のことだった。


 異世界では自由に動けるのに、日本では金縛りに似た羞恥(しゅうち)プレイが続くわけだが、これが続くならば、日本に戻るより異世界での生活を選びたいよな。

 だが、寝れば現世と異世界が交代する毎日が続けば、俺もそれなりに諦めというか覚悟ができたよ。


 仕方が無いから異世界で潜在的な治癒師のスキルを磨いて、日本で半分植物人間の俺の身体を自分で治そうと決意したんだ。

 そう決意したのは、鑑定の能力や異世界で訓練した初級魔法が現実世界でも使えるという事が分かったからなんだ。


 鑑定能力はともかく、魔法行使については、手も足も使えない状態なのでちょっと面倒だったが、詠唱もせず、思念だけで水でできた泡を生成した上で、風を起こし、その泡をシャボン玉よろしく飛ばすことができたので、現実世界でも俺は魔法を使えるとわかった。

 但し、現世で魔法が使えることが余人に気づかれれば、それこそ政府機関やら学者にモルモット扱いされるのは間違いないだろうから、人目に付かないようしっかりと注意しているし、基本的に現世ではできるだけ訓練もしないようにしているんだ。


 そうした異世界と現世との生活の繰り返しなんだが、寝ると別の世界に行くわけで、俺は実質ずっと寝ていないようにも思えるんだが、異世界にしろ、現世にしろ、前日の疲れは全く残らないところが正直言って理解できん。

 まぁね、現世の俺の方は恥辱プレイの連続で精神的には大分堪えるんだが、さほど肉体的に疲れるようなことはしていないからなぁ。


 現世の寝たきり状態で、唯一使っているのは目玉と瞼だけだから、例の瞳や瞼の動きだけで動作するPCを長時間使っていると、目の疲労が多少感じられる程度かな。

 一方で、異世界の方は目いっぱい汗をかくような労働や訓練をやっても、寝ればその疲れが全部消えているから、俺の意識は異世界と現世で連続してはいるが、肉体が違うので疲れが全く残らないみたいなんだ。


 自由に動ける異世界での生活と、全く意のままに身体を動かせない現世の生活、かなり面白いコントラストなんだけれど、実際面で、“現世で寝ている時間”と“異世界で起きている時間”、それにその反対の“現世で起きている時間”と“異世界で寝ている時間”、この二つが同じ時間とは思えないんだよな。

 実際に現世のPCで時間を計ってみたよ。


 現世で14時間起きておくことは、かなり退屈ではあるが、左程難しいことじゃない。

睡眠時間は、8時間ほどもあれば十分だからな。


 その上で、異世界でも敢えて日の出から日没まで活動し、なおも数時間夜も起きていたんだが、現実世界での睡眠時間は8時間程度で済んでいた。

 従って、異世界の時間と現世の時間は微妙に異なっているようなんだ。


 むしろ俺の睡眠時間に合わせて都合よく時間が調整されているみたいだな。

 色々やっても理屈に合わないことが判明すれば、難しいことを考えるのは取り敢えず放棄する。


 いずれ何かの折に解明できるだろうと俺は安易に考えているよ。

 現世の俺(健司)は、取り敢えず医者任せ、異世界のケントの成人が近いから、俺はそのための準備に精力を傾けることにした。


 異世界のケントなんだが、15歳の成人で樵の職業を選んで爺さんの跡継ぎになることも一応検討はしたんだが、現世で寝たきりの俺(健司)の身体を元に戻す可能性が有るのならば、俺の能力を色々押し上げねばならない。

 異世界で得た能力が現世でも使えるのがほぼ間違いないようだし、もらい事故で定職を失ったとしても身体が回復できれば、それからでもなにがしかの挽回(ばんかい)は可能だろう。


 そのために、ケントはグルヌベルヌ村を出て、近隣の大きな町であるカルヴィアに行くことに決めた。

 無論、ギラン爺さんとはちゃんと話し合ったぜ。


 実のところ、ギラン爺さんも息子夫婦が亡くなってから随分と気落ちしているんだ。

 ケントの両親が生きている間は、隣村のサテュアンに住んでいたから、何時でも互いに行き来できるところに居た。


 近くに身内が居るというのは何かと心強いものだ。

 ケントがギラン爺さんのところに引き取られたのも、すぐそばに爺さんが元気でいたからでもある。


 ギラン爺さんも年明けで54歳になる。

 現世なら、まだバリバリの現役なんだろうが、この異世界ではもう黄昏時(たそがれどき)の年齢なんだ。


 人生50年と言ったのは16世紀末の信長の時代だったかな?

 あの当時でも長生きする人は古希ぐらいまで生きたはずだけれど、この異世界での平均寿命はすごく低い。


 60歳を超える人は非常に少ないんだ。

 衛生面とか食事の問題があるのかも知れないが、グルヌベルヌ村での最長老は62歳のアルヌ婆さんだ。


 次点でファブル爺さんの61歳で、60歳以上の年寄は2人しかいない。

 歳が開けてもおそらくこの人数は変わらないはずだ。


 ケントの記憶では、59歳の年寄が居なかったはずなんだ。

 グルヌベルヌ村は過疎の村ではあるが、若い者もそれなりに居るんだぜ。


 ケントと同じ歳の子供は4人、年明けには揃って15歳になる。

 

 このうち他所(よそ)の町に行くことを決めているのは俺だけのようだな。

 おそらくは、俺がケントの中に転生しなければ、ケントがこの村を離れることは無かったのじゃないかと思う。


 ケント自身は、ギラン爺さんの跡を継ぐ気満々だったからな。

 だから急にケントがカルヴィアに行くと言い出した時は、ギラン爺さんの方がびっくりしていたな。

 

 それでも爺さんは、ケント我儘わがままを許してくれた。



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