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事故に遭いました~俺って全身不随?でも異世界では元気ハツラツ?  作者: サクラ近衛将監


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1ー14 病の治癒と試験

「伯爵閣下のお言葉、畏まり承りました。

 さりとて、一つ目の条件であるお嬢様の病を治すことができるかどうかは実際に診てみないと治せるかどうかも判断できません。

 さらに、錬金術師と薬師の力量はどのようにしてお見せすればよろしいでしょうか?」


「ふむ、先ずは、娘の容態を確認することから始めよう。

 その間に、当家お抱えの薬師と錬金術師にそなたの力量を見るために何某かの準備をさせておこう。

 デルエスよ。

 クロードとエメルデスに錬金術師と薬師の適性を見るための準備を為すよう伝えてくれ。

 場所は二人が指定する場所で良い。」


 デルエスさんという人は、多分、燕尾服(えんびふく)で伯爵の傍に控えている執事さんのようですね。

 で、クロードさんとエメルデスさんは、おそらく伯爵家お抱えの薬師と錬金術師なのでしょうけれど、どちらがどちらかはわかりません。


 次いで、伯爵が言いました。


「着いて参れ。

 我が娘のもとに参るぞ。」


 随分と動きの速いおっさんですね。

 こういう時は、従者を使うのじゃないかと思いますけれど、伯爵自ら先導ってのは、ほら、側にいる騎士連中が慌てていますよ。


 伯爵の背後に要注意人物かもしれない俺が付いたら、警備上はやっぱり困るでしょう。

 でも伯爵の命令なので、仕方がありませんよね。


 俺が伯爵の後について動き出すとすぐに俺の脇に二名の騎士が付き、更に残りが俺の背後について動き出します。

 ウーン、ヤッパリ、俺って捕縛されてはいないけれど重罪犯に近い感じですね。


 そうして、周囲に居た警備の騎士達も俺の動きに合わせて動いています。

 俺って台風の目?


 まぁ、周囲の状況は何となく一発触発のような感じでかなり危ういんですけれど、無事に二階のお嬢さんの寝室らしき場所に到着しました。

 部屋に入ってすぐに気付きました。


 おう、確かに重病人の気配がしますね。

 但し、健康な被検体と見比べる必要がありそうです。


 俺もちょっとばかり能力に発現があって、空間センサーと遠視ができるようになり、日本の方で動けない間に周りが医療関係者ばかりだから、色々な勉強をしているし、医療関係の知識に触れることも多いんだ。

 特に俺が入院している東京都〇生会中央病院は、総合病院だからいろんな患者さんも入院しているので、それぞれの病状がある程度確認はできている。


 但し、こっちの世界の人間の病気や病原菌と、日本人の病気や病原菌とは異なる可能性も捨てきれないから、その意味でケントの世界での健康な人間とお嬢さんとの対比が必要だろうな。

 従って、診断するにあたって健康な若い女性を準備してもらったよ。


 伯爵の娘、レティシアお嬢さんの寝室に案内された上で紹介されたのが、メイドのディアナ嬢で15歳だそうだ。

 一応、彼女に対して生体検査をしたけれど、彼女、必ずしも健康じゃなかったな。


 どうも胃潰瘍(いかいよう)を起こしているようだぜ。

 うーん、ディアナ嬢は、もしかしてストレスでも溜まっているのかな?


 こいつは後で日本から良い薬を持ってきてあげよう。

 日本での俺は、寝てばかりですることが無いからね。


 周囲に気づかれないように色々な魔法を試しているんだが、その中で()えたのがさっきの遠視、空間センサー、それに複製魔法だ。

 俺の入院している病院には薬局があるんだけれど、そこに保管している薬をちょっと拝借して複製したら元に戻すという秘密の方法がとれるんだ。


 で、胃潰瘍によく聞く薬を複製して、そいつをディアナ嬢に投与してやることにしたよ。

 一旦、日本に戻ってからでないと複製はできないけれどな。


 少なくともインベントリに入れてある品は、日本でもケントの世界でも出し入れできるんだ。

 胃潰瘍から胃がんにでも発展したら命が危ないけれど、今のところはそんなに重症じゃないから、市販薬でも治るんじゃないかと思うよ


 で、肝心のお嬢さんの方だが、ディアナ嬢も傍のソファーに寝てもらい二人同時に比較検証をしたよ。

 その結果わかったのは、ちょっと・・・・、いえ、かなり危ない感じです。


 原因の一つは呪いでしょうかねぇ。

 何となくベッドに寝ているお嬢さんから邪気のようなものが感じ取れます。


 今一つは、鑑定をかけた結果、お嬢さんの体内に毒物が発見できました。

 そうして最後は病気なんですが、こっちが一番重篤です。


 肺病を患っており、体内に酸素が満足にとれていないと思われます。

 だからお嬢さんの唇にチアノーゼが出ているんですよね。


 これは毒物が最初かも知れません。

 それで体調を崩したところに呪いをかけられた。


 その呪いが嵩じてさらに体調が悪化、血流異常を引き起こして肺が真っ先にやられたという感じでしょうか?

 最初は肺結核かとも思ったんですけれど、多分重篤な肺炎です。


 で、ベッドの傍らで心配そうに病人をみている伯爵様に申し上げました。


「私の()たてを申し上げます。

 お嬢様の病の原因は大きく分けて三つ御座います。

 一つは弱い毒物がお嬢様の体内に残っております。

 この毒物ですぐに死に至るようなことはございませんが、体力を奪い、病に対する抵抗力を奪ったものと思われます。

 そうして二つ目は、呪いにございます。

 お嬢様は何らかの呪術により体調を崩されております。

 この呪術もまた即死を招くようなものではございませんが、毒物と相まって相乗効果を為し、お嬢様の体力を奪うとともに病に対する抵抗力を奪っているようでございます。

 その上で、お嬢様が健康で有れば、決して病にならないはずが、その抵抗力を失ったが故に肺腑(はいふ)の病に(かか)り、現在に至っていると思われます。

 治療は可能でございますが、一方で毒物を体内に入れるに至った経緯、そうして呪術をかけるに至った経緯が不明になる恐れが御座います。

 但し、毒物の体内除去と解呪を行わねば、病を治すための処方ができません。

 まずはその二つを優先いたしますが、よろしいでしょうか?」


「ふむ、許す。

 そなたが必要と思えることを為せ。」


「畏まりました。

 但し、解呪については、お嬢様に呪いをかけた術者にその呪いが倍返し若しくは三倍返しで返ります。

 即座に死ぬまでのことは無いにしても、おそらくはその場で動けなるやもしれません。

 邸の中でそのようなものが居たなら、あるいはその者が呪術を為し、若しくはその手伝いを為した者かもしれません。

 毒物については解毒をいたしますが、これについては、誰が入手したモノかは不明となるでしょう。

 但し、この毒物、簡単には入手ができない特別なものかと存じます。

 おそらくは、南方のギャベル大陸に住む毒蛙、デド・ロバエルの毒ではないかと存じます。

 では、解呪を先に、次いで解毒を行います。」


 俺は、寝ている病人のすぐ脇に立って、両手を広げ最初に闇属性魔法で解呪を行い、次いで聖属性魔法で解毒を行った。

 解呪の際は青白い光が患者の身体から立ち上がり、解毒に際しては金色の靄が立ち上がった。


 別に視覚効果を狙ったわけじゃないんだが、魔法を発動したらそうなっただけだが、うん、魔法を使ったという演出がばっちりだよね。

 次いで、肺病の治療だ。


「病の治癒を試みます。」


 そう言って、新たに一連の治癒魔法を発動するんだが、怪我の場合と異なるのは細胞活性化を特定しなけりゃいけないことなんだ。

 仮に特定せずに治癒魔法をかけると、細菌やがん細胞なども同じく活性化を引き起こし、病を治すどころか悪化させる恐れすらある。


 今回の場合、治癒師が介在していないことでお嬢さんは助かっているが、知らずに僧侶などが無暗に手を出すと悪化して死んだ可能性も高い。

 だから、俺は病の根源である肺炎のウィルスを特定し、最初にそれを根絶するようにした。


 俺の生体スキャナーで、鑑定を掛けつつ患者の体内を詳細に見て行くと、悪さをしているウィルスが靄のように色付きで分かるんだ。

 それを個別に退治して行くんだが、ちょっと時間はかかるよな。


 額に汗を(にじ)ませながら、概ね半刻程度の時間を要してウィルスの除去は終了。

 その後で肺炎を起こした細胞を再生し、なおかつ、活性化するための治癒魔法を発動する。


 この時は、患者の体全体が金色の光に覆われた。

 意図しないで凄い演出効果が出た感じだな。


 一応の治癒が済むと患者の呼吸が落ち着いているし、高めに出ていた体温が下がっている。

 但し、かなり長い闘病生活だったのか、体力が落ちているし、身体に栄養が足りていない。


 俺の能力で血液中に栄養分を含んだ生理食塩水を若干補給している。

 急激に入れると気分が悪くなるかもしれないから、徐々にしているんだが、結構めんどいよね。


 一応30分程度を見計らって終わるように意識の中で調整しながらの作業だ。

 こんな複雑な作業を続けられるのも、特異な能力のお陰だよな。


 いずれにしろ、患者さんの当面の治療は終了した。

 後は予後の注意事項を廻りのメイドさんとかにお願いするだけだ。


 このお嬢さんの場合だと、十日かそこらは安静にして、消化が良くて栄養の有るものを食べさせるようにした方が良い。

 運動は筋肉が落ちているから、少しずつしなけりゃいけないよな。


 まぁ、そんな一般的なお話をしてから患者さんの寝室を出たよ。

 その間に錬金術師と薬師の準備が整ったようで、伯爵様と俺は、今度は執事のデルエスさんの案内で別館の方に連れて行かれました。


 着いたところは、工房なんでしょうかねぇ。

 大きな机二つに、色々な素材が並べられています。


 右手の机の方には薬草が多く、調剤の為の道具も揃っています。

 左手の机の方には、多分錬金術関係の素材なんでしょうね。


 鉱石とか、何かの粉末を収めた瓶とか、小さな魔石に錬金窯も用意されているようです。

 どうやら、伯爵様が言った『能力を見せよ』という言葉に従って、ここで薬と魔道具を作らねばならないようですね。


 案の定、側にいた二人の老人が自己紹介をしながら俺に課題を与えて来ました。

 錬金術師のクロードさんは、左のテーブルに乗った素材等を指さしながら、此処に用意してあるものを使い、魔道具を作って見せろと言いましたよ。


 続いて、お隣の薬師であるエメルデスさんも、右テーブルに乗った素材と道具を使って、ポーションを作れと言いましたね。

 時間の制限が無いようですけど、伯爵様が立ち会っているのですからそんなに時間はかけられませんよね。


 新作を始めました。

 「戦国タイムトンネル」

 https://ncode.syosetu.com/n7358lk/


 チート能力を持って逆行転生をするお話です。

 宜しくどうぞ。


  By サクラ近衛将監


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