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第13話 一点集中攻撃

一週間はあっという間に過ぎた。サブロウが配った藁草鞋のようなスリングショットの使い方は、両村の男衆たちも驚くほど早く習得した。特に、子供の頃から石投げに慣れている者たちは、その腕前をすぐに向上させた。サブロウは、小鳥たちを使って訓練の様子を観察し、的確なアドバイスを与えた。


「よろしい。皆の者、よく聞いてくだされ」


決戦前夜、サブロウは両村の男衆を前に、今回の戦術を披露することにした。彼の声は、通訳と言語変換スキルによって、自信に満ちた将軍の言葉に変換されている。


「敵は我らを侮り、正面から攻め寄せてくるであろう。だが、我らには、彼らが思いもよらぬ戦い方がある」


サブロウは、地面に簡単な図を描き、戦術を説明し始めた。


「この戦術は、ナポレオンという偉大な将軍が用いたものに似ている。それは、一点集中攻撃だ。敵の防御が最も弱い地点に、我らの火力を集中させる。そして、敵の注意を引きつけるために、他の部隊を使って敵の注意を分散させることも含まれる」


男衆たちは、ナポレオンという名前に戸惑いながらも、サブロウの言葉に真剣に耳を傾けた。


「我らは、まず決戦場を前もって準備した。この村の入り口を、土嚢と木の板で囲い、砦のようにした。これで、敵の侵攻をある程度は防ぐことができる。弓矢も、ある程度は防げるであろう」


サブロウは、村の男衆が急ごしらえで作った防御陣地を指差した。これだけでも、丸腰で戦うよりは遥かにマシだ。


「しかし、我らが攻勢の主力は、他にある。敵が攻めてきたら、まずは洗脳(小)した動物たちで陽動を行う。猪どもは敵の側面から突進させ、混乱させるのだ。その間に、我らはスリングショットの集中砲火を浴びせる」


サブロウは続けた。


「我らは攻撃三倍の法則を逆手に取る。正面からは七人の男衆と、**洗脳(小)**した村人たちを加えた少数で防衛し、敵の注意を引きつける。しかし、その裏で、スリングショットの攻撃を一点に集中させるのだ。敵の弓兵や指揮官を狙い、彼らの士気を削ぎ、戦線に穴を開けることを目的とする」


男衆たちは、その奇抜な戦術に驚きを隠せない。武器を持たない村人が、武士相手に戦うなど、これまでは考えられなかったことだ。しかし、サブロウの自信と、具体的な戦術は、彼らに一縷の希望を与えた。


「明日、敵が攻めてくる。決して臆するな。我らの郷を守るため、そして、新たな時代の始まりのため、皆で力を合わせるのだ!」


サブロウの言葉に、男衆たちは固唾を飲んだ。夜が明け、太陽が昇る頃、両村の命運をかけた戦いが始まろうとしていた。


サブロウのスリングショット戦術は、戦国時代の武士たちに通用するのでしょうか? そして、この戦いが、彼の「侍大将」への道をどのように切り開いていくのでしょうか?

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