第九話
駄文ですが見てやって下さい
第十回戦が終わる頃にゆうは、目を覚ました
試合前の軽い運動のつもりで、炎玉を飛ばしてそれを別の炎玉で打ち落とす、ということをしていた
それ自体は魔術のコントロールの練習と言うことで誰もがする行為なのだが・・・優は、二百個もの炎玉を凄い速さで打ち出し、それに対して一つの玉でそれらを打ち落とすことをしていた
「あの、凄いんですね」
玉に集中していた優は突然の声に驚き一つの玉を撃ち損ねてしまった
「あっ、邪魔しましたね・・・すいません」
「いえ、俺の練習不足なので・・・あなたは、生徒会長ですよね?」
「はい、神城華凛です・・・あなたは木下君よね?いつも、こんな練習してるんですか?」
「はい、本当はもう少し多いんですけどね、だいたいはこんな感じですよ」
「そうですか、これより多いなんて凄いですね!木下君は!」
「有り難うございます、でも慣れれば誰でもできますよ、これぐらい」
「そうですか?では、十一回戦頑張って下さいね!」
「はい!じゃあ、俺はこれで失礼しますよ」
優は会場に向かった
「・・・優くん、やっぱり憶えてないよね?はぁ」
残された華凛のつぶやきは誰にも聞かれることは無かった・・・
会場に着いた優は、対戦表を確認した
第十一回戦 木下優 対 神田俊次
第十二回戦 神野葵 対 北島祐作
第十三回戦 三上陸也 対 神城華凛
第十四回戦 神谷勇治 対 金本一
第十五回戦 虎口武司 対 宮本雅紀
どうやら、ギルドのメンバーは半分に減っているようだった、日本四名家の人たちも全員勝ち進んでいるようだった
日本四名家とは、神野家・神田家・神谷家・神城家の事で、その昔、風神・炎神・土神・水神を、封じ込めた武器を授かり、そのずば抜けた力で権力を得た
実際には、闇神・光神・時神・空神を封じ込めた武器もあるのだが、今は失われている・・・伝説では、それらの武器を集めると創造神が降臨すると、言われているが、それは定かではない・・・
第十一回戦 木下優 対 神田俊次
「さて!一回戦では、瞬殺を決めた木下選手と、炎弾のごり押しで勝利した神田選手が戦います!
両者とも、炎術師です!さあ、どんな戦いになるのか!?・・・では、開始して下さい!」
開始の合図とともに優は炎弾を俊次に放ち、そのまま俊次に突っ込む
「ファイヤーシールド」
俊次は盾で炎弾を防ぐが、優はすぐに炎剣を出して俊次に斬りかかる
その攻撃も、炎の盾で防がれるがその代わりに盾を破壊することができた
「くっ、ファイヤーランス」
盾が、壊れることを見越した俊次は盾が破壊されたと、同時に槍を出す
「木下選手の怒濤の攻撃に盾が悲鳴を上げたー!さあ、神田選手!攻撃力が高い木下選手にどう立ち向かうのか!?」
一旦、両者のにらみ合いの後、先に動いたのは俊次だった
「ファイヤーアロー」
矢を優に放った後すぐに槍で切りにかかる
優は、炎を手に纏い矢をつかみ取り剣で槍を防ぐ、そのまま炎の拳で俊次の腹を殴る、拳の炎は俊次に当たった瞬間、爆発を起こして俊次を吹き飛ばす
「木下選手!拳の炎を爆発させて神田選手を追い込む!しかし、拳を爆発させるとは、発想が豊かです!」
「ぐふっ」
俊次は、自分に確かなダメージを負わせた優の強さに、高揚感が増していく
「ふはははは、いいぜ!こんなに楽しい戦闘は久しぶりだ!木下優といったか気に入ったぜ!お前は神田家に伝わる黒炎で焼いてやるよ!ブラックランス!」
「神田選手がついに黒炎を使ったー!これは、いくら強い攻撃力を誇るといっても、木下選手には厳しい!」
「じゃあ、俺も本気を出すぜ!先輩!」
優はジャンプをして炎剣で斬りにかかる
「貰ったぜ、木下優!」
俊次は、優を突き上げるようにして槍を斜め上に動かす
「デストロイ」
優は、切り札の一つ、滅魔術を槍に使う
「なっ!滅魔術だと・・・がはっ」
優は俊次を肩から胸にかけてを斬った、俊次は気を失いその場に倒れた・・・すぐに、癒術師が来て
俊次の傷を治していく
「・・・・・・おーっと!木下選手は滅魔術を使いました!どうやって三段階目まで成長したのでしょうか!?とにかく、滅術師の復活だー!!」
一瞬会場は、唖然としていたがすぐに、これまでにないくらい盛り上がる
優は会場を去る時に、いろいろな質問をされたが全てを無視した
席に帰っても、また質問攻めだろうなと、思った優は、選手控え室で休憩を摂った
試合が進み優の出番になる
第十六回戦 木下優 対 神野葵
第十七回戦 神城華凛 対 神谷勇治
第十五回戦の勝者は、虎口武司で数を合わせるために試合はしない
第十六回戦 木下優 対 神野葵
「さて、第十六回戦ですが、先ほど滅魔術を披露した木下選手と、圧倒的な攻撃とマジックミラーで魔法を寄せ付けずに無傷で勝った神野選手との戦いです・・・二人とも他にはない圧倒的な能力を誇るので、注目の一戦です!・・・では、始めて下さい!」
優は、とりあえず炎弾を放ってみる
「・・・・・・無駄」
葵に当たったと思った瞬間、炎弾はやはり優の方へ跳ね返ってきた
「・・・・・・サンダーブレット」
葵が雷弾を飛ばすが、滅魔術で消した
今度は、落ちている石を気付かれないように拾い優はそれを炎弾に入れて放ってみた
「・・・・・・だから、無駄だって言ってる、っく・・・石?」
「なるほど、魔術は跳ね返すけど異物は跳ね返さないのか・・・使えるな!」
優は、石を拾う事を隠さずにする
「・・・・・・させない、サンダーブレット」
葵は優の攻撃を阻止するために雷弾を連射する
「神野選手、打つ手がないのか!?」
優は、飛んでくる雷弾をかわしつつ避けられない物は消滅させ、隙を狙って炎弾を放つ
葵は、石を恐れて攻撃を避けるが、回り込んだ先には石を仕込んだ炎剣を持った優がいた
「葵、終わりだ!」
「木下選手が回り込んでいたー!神野選手絶体絶命です!!」
葵の頭に勢いよく、剣を振り下ろした、剣は跳ね返されたが石はそのまま葵の頭部へ当たる・・・葵は何も言わずに地面へ倒れた
「木下選手、神野選手に勝利した!もはや、木下選手に敵はいないのか!?」
優は気絶している葵を、癒術師に見て貰いそのまま控え室に葵を運び込んだ
「・・・ん、うんっ、あれっ私どうしてここに?」
「起きたか?葵、思いっきり頭殴って悪かったな」
「あっ、お兄ちゃん!そっか、私負けちゃったんだよね・・・」
「葵は、凄く強かったぞ!ただ、俺が相手だったから負けたんだよ」
少し、気を落としている葵の頭を撫でつつ、そう言った
「・・・//お兄ちゃんは滅魔術師だもんね!」
葵は、顔を赤くして言った
「葵、そろそろ親の所に戻ったら?きっと、待ちわびてるぞ」
しばらく、葵の頭を撫でていた優は、そう言うと同時に撫でるのを止めた
「・・・//あっ・・・・・・うん、分かった!じゃあ、お兄ちゃんは試合、頑張ってね!」
名残惜しそうに葵は親の元へと向かった
試合は進み十七回戦では神城華凛が駒を進め十八回戦でも華凛が勝った
そして、大会はついに決勝戦を迎えるのだった・・・
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