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朝凪  作者: 大福もちぴ
1/1

始まりはいつもと変わらなかった



ぬるい潮風が頬を撫で、髪を通り過ぎていく

チリチリと肌が焼けそうなくらいの日差し


「今日も暑いなぁ」


そう呟いても堤防にぶつかる波音で消されるだけだった。


堤防に腰掛けて足をパタパタと揺らしながら

人を待つのが朝の習慣になっている


朝日あさひー!遅くなってごめん!」


そう言いながら走ってきたのは

私の幼なじみで恋人のなぎ


日に焼けた茶色い髪が日に透け、

よほど走ってきたのか汗に日光が反射し

キラキラとしている


「遅いよ!黒焦げになる所だった!」


「ほんとごめん!柴太郎のリードが切れて朝の散歩めちゃくちゃ大変でさ…今日、朝日あさひの好きなアイス奢るから!!」


顔の前で両手を合わしてこちらの様子を伺ってくる凪

柴太郎とは凪の家で飼っている柴犬で

めちゃくちゃ足が早い。陸上部のなぎ

振り回されている程だ。


「柴太郎が原因なら仕方ない。ただし、購買のパンも買ってね!」


「えええ!」


そうやってじゃれ合いながら登校するのが

大好きで、いつもの日常だった。


「セーーーーフ!」

2人して声が重なり合い、チャイムと同時に

教室に入る事ができた。


「セーフかどうか怪しい所だけどな」と

私と凪の頭をポンっと叩いたのはこのクラスの担任

上田先生だ。無精髭を剃れば男前なのに勿体ない…

「今回だけだぞ。よし、皆席につけー」

そう言うと皆、各自の席についた。


「なんだかんだ優しいよな、上田先生」

こっそりと笑いかけてくる凪

「そもそも凪が遅刻しなかったら私は怒られないで済んだのに。30分は待ってたんだからね」

そういうと不貞腐れたように舌を出し向こうを向いた。


「優しくて料理が出来て運動もできるなんて最高じゃん私が奥さんになってあげるのに!先生結婚しよー!」

そう言ってニコニコしてるのは仲の良いクラスメイト

みなとだ。冗談っぽく言っているが

本当に上田先生を慕っているらしい。


そんなみなとを適当にはぐらかし、

いつものように授業が始まった。



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