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稀人  作者: うち
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刀剣とはそして。。

“夢”を見ているのか?


いかんいかん、起きなければ。。。PCに突っ伏しるせいか、キーボードが頬に当たっていて

痛い。どこぞのキーを押し続けていたせいか、書きかけの日報に意味のないアルファベットの羅列が数ページ続いている。テレワーク中の寝落ち。といっても規定時間外の報告書作成業務だ。作成した文書は上司、同僚と全員“cc”に入れてメールする。

こんなのみんな読むのかね。当たり前だ現在の社会ではお得意先に訪問するのも気が引ける。コロナウイルスのせいでマスクの着用はもちろんワクチン接種の有無まで聞かれることもある。当然足は遠のく。。電話やメールで“何かございませんか”という営業行為?に

なんの発展性や創造性があるのだろうか?思っていても日報には書けない。

書きかけの日報を整理しながら呟く。“つまんねえな”

さっさとメール流して寝るべ。そういえばさっき見てた“夢”、結構充実してた気がするな。

妄想でももう一回同じ夢をみたいもんだね。そう思って冷たい寝床に潜り込むと簡単に眠りに落ちた。


「おい、できたぞ坊主」


何だよ眠ったばかりなのにお思いながら、微かに目を開ける。視界にはいかついおっさん。

えっ!何!!飛び起きた。あ、知らない天井だ。。思わず上を向いて声に出してしまった。

「寝ぼけとるのか?」オヤジさんは怪訝な目で僕をみてる。

再起動に時間がかかった。ようやく自分の状況が理解できた時にはオヤジさんはいなかった。“夢”なのか?いや、掌の傷はジクジクと痛みをともなってる。軽く触ってみたがやるんじゃなかった。ベットから降り鍛冶場のある方へトボトボと向かうがどうも覚醒がたりないみたいだ。疲れているだけかもしれない。10歳の体にはいろいろ負担が大きかったのだろう。とにかくオヤジさんのところに向かった。


「おう、来たか。ほれ


うっ眩しい。すっかり夜が明けているみたいだ。手を目元から下すと僕の目に飛び込んできたのは青黒い刀剣だった。鉄棍ではない刃紋のある綺麗な刀剣である。感嘆の声しかでない

「ほれ持ってみろ、手が痛いだろうが重さもあるのでな」オヤジさんはそう言うとさらに

刀剣を突き出した。あ、有難うございます。束に手をかけ右手で受け取った。

刀剣を立てると窓から差し込む日差しに反射してさらに美しい。暫く見惚れてしまった。

「どうだ、重くないか」「お前はちっこいから短くしてある。その方が振り回しやすいじゃろう」「重心は更に前に置いた。斬撃に力を与えやすいようにしてみたが、使いずらかったら言え」と簡単な説明を受けて“はっ”とした。

お、お金は銀貨10枚で足りますか?と慌てて聞き返した。

「バカ言え、銀貨10枚で足りるわけなかろう。そこまでになると金貨5枚以上じゃ」

た、足りない。ってか毎回足りない設定されてるんですが、これは何かの試練か。

などと考え、涙目になっているところにオヤジさんから提案があった。

「とりあえずそいつを使え。金はいらん」えっ!ほんとですか。

「ああ、詫びもあるのじゃが。。。。お前には何かを感じる。」「うまく言えんが“えにし”かもしれんの」“えにし”ですか?運命論とか考えたことはないが、巡り合うべき人に巡り合い

この結果は必然なのだとそういうことなのであろうか?

「儂にもうまく説明できん」「こうするのが最善であるというのが鍛冶師としての感じゃ」

“感”ですか。。。その方がなんだか嬉しかった。気に入ったからお前にこれやるって分かりやすいのもあってか妙に納得してしまった。ここまでに仕上げて頂き有難うございました。

「まあ。。。な」オヤジさんは照れ臭そうに笑ってくれた。

それから、刀剣の正しい使い方、効力も聞いた。

使い方は刀剣の仕上がり方に大きく影響をうけるみたいだ。僕の刀剣は大人の刀剣と比べると一寸ほど短いそうだ。確かにこの身長では大人の太刀みたいなのは扱え切れなさそうだ。重心は前より斬撃に力が加わりやすくなっているとのことだが、振った感じ違和感は感じなかった。更に驚いたのは効力だ。焼き入れを行う際に使う殷紛や強化に使う金属紛や石紛には効力が確認されており、焼き付け強化を行うと持ち主に加護を与えるということだ。

殷紛には“体力増強”の加護があり、刀剣所持の初期に必ず手に入る加護だ。

今回僕の刀剣に付け加えてもらった加護は体力増強と速度強化+2、筋力増強+2とのことで

本来の自分の力に対し+1毎に10%の上乗せとなるみたいだ。+10まであるみたいだがそこまで強化する前に刀剣が持たないようで、オヤジさんもせいぜい+3ぐらいしか見たのとがないらしい。鍛冶師は実績ベースのようで成功させたもの以外の加護付与はできないと

言われた。だからオヤジさんも未だに鍛冶師としての修練や研鑽は続けていると説明された。聞いて納得だった。昨日の討伐では殷紛の加護が働いていたのだ。だから根も体でも討伐ができたということだ。しかし、スピードはあれが初期値だとするととんでもないのでは

と若干不安にはなったが、周りの刀剣士がどんななのかも分からないので考えるのを放棄することに決めた。

「まあ、そんなとこかの」はい、有難うございました。

「おっと、肝心なことを忘れとった。」何か?

「簡単な刀剣の強化じゃよ。刀剣同士融合させるんじゃ」融合ですか?

「ああ、正直儂は好きにはなれんがな。2種類の刀剣を重ね融合と念じれば強化されるということじゃ。」オヤジさんの所ではやられてないのですか?と聞くと首を横にふられた。

当たり前だ。刀剣士の融合は刀剣士にしかできない。鍛冶師には資格がないのだ。

だから好きになれないのであろう。商売にもならないし、修練や研鑽も必要としないからである。ちょっと悪いことを聞いちゃったかな?と反省し軽くではあるがお詫びを申し入れた。「気にすることはねえ。気分の問題だけだからよ」「それと気―つけろよ。下位の刀剣を融合すると刀剣自体が弱くなったという例があるそうだ。融合するるんなら刀剣は自分の持っている刀剣より上位にした方がいいってことだ」なるほど、簡単に手に入るものではなさそうだけど気に留めておこう。こうしてオヤジさんからの貴重な教えを終えた僕は鍛冶場を後にした。今度来るときはお酒を持ってって上げようと心に決め官吏局へと向かった。


鍛冶場を出るときに、漆塗りの鞘ももらった。刀剣を脇差しなんか恰好よくなった感じがし、更に足取りも軽く気分は上々である。鼻歌交じりに官吏局内に入ると結構人がいた。

朝は混みあうのかもしれない。さて、今後の行動方針について考えなきゃってことで、近くの長椅子に腰掛け思案に暮れる。刀剣士としての恰好はついたと思う。収入にもなんとくやれそうな気がする。お金があれば食うことには困らないはずだ。後は活動拠点か。。

他の人はどうしてるんだろう。宿住まいかもしれないな。銅貨3枚だもんね。グレーラビット1体で4枚だからどうにでもなるのかな。そういった意味では生活には困らないのかもしれないな。そうするとやはり刀剣強化に趣きを置くのが普通なんだろうな。でも個人では限界もあるし、深いとこまではどうなんだろ。。潜れるのかな。とりあえず掲示板をみて依頼書を確認してから考えよう。それと日課として迷宮でグレーラビット討伐20ぐらいが

適当なとこかもしれないな。刀剣が強くなったからもっと行けるかもしれないけど、ゆっくり行こう。前向きに考え、掲示板に向かう。

掲示板にはたどり着いたが、大人が前にいて見えない。す、すみません。と言いつつ

無理やり前に進む。しかし、最前列に出たため上の方は見えない。しょ、しょうがないよね。

とりあえず右から見える範囲で確認していく。結構色々あるんだなっていうのが感想だ。

とても刀剣士の仕事とは思えないようなものまである。

”養豚場の作業手伝い”日当銅貨6枚。刀剣で捌くのか?」

”落とし物の捜索”成功報酬銀貨1枚。結構お値打ち物なのかな?

”鉱石採掘”なんてのもある。報酬は発掘品より適時。。。なんだそりゃ。。

もうちょっと見てみるか。。一歩下がってちょっと上の方をみてみる。

お!面白そう!!

”家屋の異変調査”原因究明で銀貨5枚、解決時追加報酬有。食事付住込み可。

しかも年齢制限無。要面接。とある。これ良くない♪場所は。。。商業区画。

決めた!!これやってみよう。これが運目の出会いはじまりだった。


やっと次回からヒロインが登場します。

読み返すと酷いもんですが、このまま続けます。早く妄想を書かないと忘れそうなので。。

では

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