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「この話はフィクションってことで!」  作者: 成
1章 既に始まっていた。
7/24

「Fiction.4 連れてこられた場所は」

また、ゲンに視点が変わっています。

ご了承ください。

 薄暗い部屋の中で目が覚める。

 ……少しカビ臭いな。

 それにちょっと頭がズキズキする……。


──っ! セイカは!?

{大丈夫ですよ}


 愛器(ラヴァー)が無事であることを確認し。

 僕はホッとする。


 いや、ホッとしてる場合じゃない。ここは……?


 僕は何が起こったのか。

 何があってこんなところにいるのかを思い出していく。


 たしか──

(いきなりごめんね☆キラリッ!さくせーーーんFoooooooo!!!!)

という声が聞こえたと思ったらいつのまにか意識を失って、


──って!? どういうこと!?


 今まで、聴いた言葉で意味不明さランク10には入るよ!?


 こっちにきてからも、色々ありすぎて。


もう何がなんだかさっぱりだ……。

{正直、私にも分かりません……}


「だよね……」


そういえば──セイタロウ……いや、{ハルの方が良いでしょう}

うん、おそらくハルと呼ばないと。


名前しか分からないけど……セカリって人?の二の舞になる気がする。


{……もし、思考を聴いているのが、わたしだとバレたらわたしも一撃喰らっていたのでしょうか……?}

う、うーーん……?どうだろう?


──どうやら、セイカはセイ……ハルさんのことを恐れているみたいだ。無理もないけど。


見た目と裏腹に狂暴だからなぁ……。


{まあ…見た目はかわいらしい女性といえますね。

 ゲンは見た目で判断するタイプですから。

『最高のお客様{ }』とか。

『僕好みのタイプだぁっぁっはっはぁっ……』とか言ってましたね}


最後のちょっと悪意あるよね!?

{……別に}


……えっと。なんか悪いことしたかな?ごめん……。

{何が悪いか気づいてないのに謝るのは余計に悪いですよ}

うっ……。

 

 セイカが不機嫌になっている理由は何だ……?

 思い出せ、思い出すんだっ! 僕は何をしたのか……!


「あのー?」

 必死になっていると、聞き覚えのある声が。


 僕は座りながら声のする方を向く。


「近いうちに会いましたね。早すぎますけど」

「セ{ハル!!}──ハルさん」


 セ{ハッッルッッ!!}──ハルさんが僕の横に立って。

 座っている僕を見下ろしていた。


「ハルでいいですよ」

「そう。じゃあ僕もゲンでいいよ」

「──いえ、年上なので、ゲンさんで」

「そう……」


……ねえ、セ{ハーーーーールーーーーーー!!!}

いや、今はセイカのことを呼ぼうと──


{あっ……すみませ──

ど、どちらも『セ』から始まるからなっ!

ややこしいですよなっ!}


セイカ……? えっ、セ……イカ?


{わ、わたしだよなっ!!

ど、どうしたのだっ!?}


 その時。セイカのキャラが急に崩壊した原因を察した僕は……。

 本心を伝えることにした。


おそらく、舞い上がってた僕が。

活発な子が僕好みと言ってしまったから……。

セイカなりに(ものすごい勘違いっぷりだけど)活発になろうとしたんだろう……。


{うっ……その通りです。性格の好みは初めて聞きましたし……}


 ……実はこっそり聴こえないように思考を隠す裏技がある。

{わたしは活発ではないので……}

 そういうときはお互い黙っている時間が多ければ察しがつく。

 

 ちなみに今の思考はセイカには聴こえていない……はず。

 よし。セイカへの想いを嘘偽りなく伝えるんだ。


セイカ、ごめん。僕が悪かったよ……。

僕はセイカのことは大切だし……大好きだと想ってるから。

セイカは……セイカのままでいいんだよ。{……ゲン}



 前にも異世界で似たようなことがあった。

 その時は……とんでもないことになった。

 あれほど自分の発言を後悔したことはないってぐらいに。


 セイカは自分を捨ててでも。

 相手が求める姿になろうとしてしまうところがある。

 不機嫌になっていたのもこれが理由なんだろう──


{……そっちじゃないですけど}……え゛。違うの。


{それはさておき……}うん?


{思考の聴覚【リスニングハーモニー】、共有しておきますか?}あー……うん。


{では……}


『思考の聴覚【リスニングハーモニー】』


 さっきまでは聞こえなかった『思考』(ハーモニー)が。

 聴こえるようになる。


(……聞こえてないのか?)


 ちょうど、ハルさんの思考(ハーモニー)が聴こえる。


「いや、ちゃんと聴こえてるよ」{あ゛っ}

「──そうか」


 そういうと、うつむいたかと思えば……。

 あれ?なんでストレッチしてるの?


{あああ゛……。覚悟を決めてください……}

 ……なぜかセイカの震えた声が聞こえる。


 念のためセイカを守る体勢をとった──その瞬間。


 スカートなんて、なんのその。


──見事なハイキックが僕に決まる……。


 ……いや、なんでぇぇぇぇ……?


{ハルさんは心を読まれているか確認する方法(わたしには恥ずかしくて言えないこと)を実行してて……。

 それをゲンがずーっと聴いて心の中で笑ってたと勘違いして。


 ……それにしても見事なハイキック。

 ……そしてゲン。よく自力でわたしを守ってくれました……}


 いや、理不尽すぎない……かな?


 蹴っ飛ばされて床に倒れこみ。

 そんな不慮(ふりょ)の一撃に身もだえていた……。


──その時。『カツッカツッ』という感じの。

  靴音が耳に入ってくる。


 ……何かがこっちにくるようだ。

 僕は扉の方へ、予想外の痛みに耐えつつも。

 ゆっくり体を向けようとする。


「起きたようだ……な?」(いや、えぇぇぇぇぇぇ!?)


 誰か入ってきたみたいだ。

 声がしたほうに体の向きを変えるとそこには。


 以前、海外にいったとき、みかけたような。

 アフリカ系のかわいらしい女の子が立っていた。


 その女の子は倒れている僕をみて。

 心のなかでは動揺しているみたいだけど……。


──その動揺は顔には一切でていなかった。


 女の子はハルさんの方を向き、問いかける。


「これは……あなたが?」(違うよね……? ──タンスの角に小指ぶつけただけだよね……?)


 いや、なんで?


「ああ、俺だ」

「ほうか……」

(そうか──やっぱりこれが愛のカタチ……!)


(……ほ?)

{!?}

「いや、ちょっと待って!?」


 衝撃の反動を利用して、勢いで立つ。

 こんな離れ業ができたのは。

 その衝撃の(心の)発言の凄まじさが物語っているだろう。


 いや、それより──『愛』!? 何故、愛!?


 今まで思考の聴覚(リスニングハーモニー)で聴いた言葉で意味不明さランク10には入──

 あれ?この意味不明さはもしかして……。


 セイカはあまりの衝撃に固まっている。

 こんなときは……僕が何とかしないと。


「なんだろうか」(もしかしてぇ、もしかしてぇ!?愛し──


「君っ──!? がここへ僕たちを連れてきたのか……?」  


 表面状と裏側のギャップがありすぎて動揺しつつも、何とか質問できた。


「……ほうだ」(そうだ、こい(ぶぅぅぅぅ……。そっちのことかぁ……。ハァ……)


──ダメだ。全然状況が頭に入ってこない。

 というかこの子……。

 無表情で心の中ではここまではしゃいでるのか……。


{……一旦、思考の聴覚の共有止めますね}

うん……。 


 ……そんなセイカの配慮に内心感謝していると。


「お前の目的は何だ? 俺たちをどうする気だ?」


 ハルさんが聞きたいことを聴いてくれていた!

 そう……っ! それっ! そこが重要で──


「わたひたちはお前たちを『ヘンテイ』する必要がある」


だめだもう泣きそう。

{……落ち着いてください。

 あの少女はおそらくサ行が言えないだけです……}

……そっか。ありがとうセイカ。


 ということは「『センテイ』ってなんだよ!?」


 ハルさん聞き取れたのか……。


「……ふこし待っていろ」


 そういうと女の子は。

 何やら箱のようなものをどこかから出して。

 良くはみえないけど……一冊の本を取り出すと。


──深呼吸して、高らかに。


「……『ヘンテイ』とはー! おおくのもののなかからー!」


っちっっがぁぁぁ{えぇぇ……?}ぁぁぁぁう!!!


「えらんでー!きめることであるー!」


そういうことをぉ……聞きたいんじゃなくてぇ──


「なるほど。そういう意味だったのか……ありがとな」


──分かってなかったんだ……うん。

 分からないことを聞くのは大事なことだよね…。


 その時。

 僕の中でまるで弦がきれたような音がしたと思うと……。


──いつのまにか膝から崩れ落ちていた……。


(ゲンさ{──ッゲェェェェェェェンッッッッ!!!}



♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 



──どれだけの時間がたったのだろう。

{気がついたようですね。良かった……}


セイカ……? 

あぁ……セイカの、安心できる柔らかな声が聴こえる……。


 後……セイカの声と──


「でさ。そのあと──」

「えぇぇぇぇぇ!!ほんなことになっちゃったのぉぉぉぉ!!??」


……おもいだした。

{幸い、あまり時間はたってませんよ} 

そっか……ありがとうセイカ。


 少し痛むけど体を起こす。

 僕の体には包帯が巻かれていた……巻く部分違うけど。


「……ゲンさん」

「……起きたか」


 さっきの大声はなんだったのかと思うほど。

 冷静な声で迎えられる。


 そして、ハルさんは。

 申し訳なさそうにしながらこっちへきて──


「ゲンさん。ごめんなさい……感情がおさえられなくって……」


さっきまで大声で騒いでい{でもハルさんのこの気持ちは本心ですよ}


──そうなの?{はい}


 ……そっか。ハルさんも反省してるなら。


「大丈夫。こっちも勝手に聴い──{あ゛っ……}」


 

 僕は重大なミスをおかしたことに気づいたその瞬間。

 ハルさんの拳が見事に思いっっきり顔面にヒット──



 相手のことを思ってしたことってさ。

 実際は相手のことを考えられていなかった……。

 ってことあるよね。


 そんな……意味のないことを考えながら。 

 『やって……しまった──』って感じの。

 ハルさんの表情が印象に残りつつ。


 僕の意識は薄れていった。{ゲェェェェ……

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