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「この話はフィクションってことで!」  作者: 成
再章 俺たちの旅はこれから……のはずが。
3/24

「Fiction.2 初演」

 この話で謎の男に視点が変わっています。

 予めご了承ください。

(………ずいぶん口の悪い子だなぁ)


どうやら、『助けようとしてくれた{まあ、助けは必要ありませんでしたが}勇敢な子』から『{考えなしの}無鉄砲』に評価を変節(へんせつ)するべきのようですね}


 う、うーん……まあ、どちらにせよ。


──ショートカットで活発。そしてかわいい。


 これは、僕好みのタイプだ。{…………}


 この世界に帰ってきてからの初演(プレミア)の観客としては最っ高かもしれない……!{…………}


──そんなことを考えてるうちに。


『ギュュュュwゥゥゥoゥウンw』


 黒い外装に包まれているようにもみえる、いきものは。

 僕を見つめながらゆっくりと……。

 バランスを崩し、よろけつつも。四本の足で立っていく。


あらら、もう起きちゃったか。それじゃあ……。


──行こうか。


「……久しぶりの独奏演奏会(ソロ・コンサート)だ……あの時のような無観客の演奏会じゃない。

 さあ、準備は──」{……言いたいことは色々ありますが。できてますよ}


 ……ふふっ。 


「それでは!そちらの最高のお客様も!(え?俺?)

そちらの迷惑なお客様も!(グァcバァラoバoラnバ?)

楽しんでいただける演奏を心がけさせていただきます!

どうぞよろしくお願いいたします……!」


 

 こうして、挨拶が終わり。空気を感じ、息を吸い。



──僕の意識はそこで途切れる。


 ……『途切れる』は違うか。

 正確には。僕の意識は、僕だけのものではなくなる。


 異世界に行って、出会った愛器(ラヴァー)──『セイカ』。


 見た目はあの{無鉄砲}な子が言うようにバイオリンのような形をしている……のか?

 ん……バイ……オリン? では、ない……かな。うん。


 まあ、とにかく。


「いくよ{」ええ}


──彼女と意識が共有され、演奏……。

 『整心調律(せいしんちょうりつ)【カウンセル・チューン】』が始まる。


 この時、僕は無意識に周囲の心を感じ取りつつ、演奏している。~♪ 


「{正確には私と一緒に……ですね}」


 そして、こんな(あっ!これ!なんかきいたことあるやつ!なんかきいたことあるやつだ!!)♪


 ……今のは……「{『無鉄砲』から『バカ』に変節(へんせつ)する必要がありますね……}」~♪


 今のは、彼女……セイカの力だ。

 近くの人の考えを感じとることができる。


「{正確には近くの方々の思考を誰のかまでは分かりませんが音として捉え、聴こえるようになります}」~♪


 ちなみに。僕たちが言っていること、近くの人たちの心の声は整心調律(せいしんちょうりつ)しているこの空間……。


『整心空間【カウンセル・コンサート】』中は僕たちにしか聞こえない。


 ちな(Gギャaェェエ(いやいやいやいや!?)エエoオォoンn!!)襲われるこ(ふっご、超ふっごーーーー!!!)~♪ 


 ……この力の問題点があるとすれば。~♪


 こ(えええええええーーーーー!!!???)(すっげぇ……)

 こんな風に……考えがうるさい人がいたら……それが全部(!?)

……聞こえるってことか(グcァビゼナoギグギoュァァァアンn……)♪。

 ……な……。


「{整心調律(せいしんちょうりつ)【カウンセル・チューン】終幕……。迷惑なお客様はどうやら2名だったようですね……。 

 ……今日のご飯は、かに玉にしましょうか……}」


 ……演奏会(コンサート)は終幕。


 この世界での初演(プレミア)、これかぁ……。

 でもまあ、楽しんでもらえたみたいだし、いいのかな……。


 なんて思いつつも、自分の中の何かが……うん。


{泣きます?}

 いや、さすがにそこまでではないかな……。


──それにしても。このいきもの……?どこから出てきたんだ……?

{どうやら穏やかなタイプだったようですが……。} 


 まさか、あの突進が『()()()()()()()()()』とは……思わなかったけど。


{とりあえず……}ん?{お疲れ様でした}

……うん、お疲れ様。


 愛器(ラヴァー)、セイカと僕にしか聞こえない秘密の会話を交わして。


 最──{ではないですよね}

 ……少しため息が出てしまった後、{迷惑}……なお客様の元へ向かった。

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