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「この話はフィクションってことで!」  作者: 成
2章 『 』
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「Fiction.16 噂話とカルタ」

 異世界から帰ってきてからの久しぶりの1時間目は『音楽』。

 ……当然この時間は『Funk』──かと思いきや。

『クラシック』や『民謡』などの音楽を聞いたり。合唱したりした。


 案外ヒジリの言葉(至要なことは忘れずに)が効いていたのかもしれない。


 そういや、ゲンさんが演奏してた曲って。

 音楽の時間で聴いたことあるやつだった気もするな……。


 

 2時間目は『数学』。

 俺の隣の席の『ハルカ』はよだれを垂らしながら。

 満面の笑顔で爆睡していた。


 こっそり肩を『トントン』と叩いたり足で蹴って……。

 起こしてやろうとしたが……無意味。

 ……結局ハルカは2時間目が終わるまでずっと寝ていた。


 そしてこの時。俺もやらかしていたことに気づく。


──『学校に宿題置いてきてた』


 でも、これは仕方ねぇよ。


 なんせ、『あ、やべ……宿題、学校に置いてきた……』って。

 気づいて取りにいった時に『異世界転移』だからな?


 さすがに覚えてられねぇし……。

 帰ってきた後もアレだったからな……絶対無理。


 ……仕方ないのは忘れたことじゃねぇ。それは俺が悪い。

 それは分かってるんだ。


──でも、さらにもうひとつやらかしていたことがあって……。 


 いや……1時間目の時点で気づくべきだったんだけど。

 ……まさかさ?


──『家に教科書入れたカバンまるまる置いてきた』


 ……とは思わなかった。


 音楽は別のところに教科書保管してたから良かったけど……。

 ホント、俺も人のこと言えねぇな……。


──なんて。

『えー!? カバン置いてきちゃったの!? 

 ってことはお昼ご飯もないんでしょ!

 ……ごほん。仕方ない。現世(うつしよ)のハルカ様がそなたにこれを分けてしんぜよう……』と。


 ハルカに分けてもらった昼食(コッペパン)を。

 自分の席で、美味しく食べながら考えていた昼休み。


──俺はふと、聞き覚えのある話を耳にする。


「どーぶつタンテー?」

「ああ、なんでも解決するっていうあの?」

 

 どーぶつ……タンテー……?

 その言葉を聞いた瞬間。

 俺は食べていたコッペパンを急いで飲み込み。

 

 その話をしているやつらの元へ急いだ──が。


 「「「こんにちはー!!!」」」


 元気の良い挨拶が聞こえるとともに。

 俺以外の全員がダッシュで下へかけ降りていった。


 ……おい。このタイミングかよ。

 

 「「「私たち!!!『Fung R』です!!!」」」


『Fung R』ゥゥゥゥゥゥ……!!!


 そう。そうだった。

 『音楽』が『Fun音楽』でなかったのも。

 『数学』が『Fun数学 』でなかったのも。

 全ては……『Funコンサート』が誕生したからだったな……。


──『Funコンサート』は文字通り。

 楽しい『Funk』コンサート。

 これが誕生……いや爆誕? したのは。


 想いが暴走した『Fung R』たちによって……。

 授業が全て『Funk』に染まったことがきっかけだ……。


 楽しみながら授業する先生もいたが……(性格変わるほどノってる先生もいたな……そういや)

 ……まあ、嫌な顔をする先生もいた。


 誰だって押しつけられるのは気分が良いものではないよな……。 

 

 そして、何人かの先生たちは校長先生に抗議したが……。


 これが『きっかけ』になったんだ。


 校長先生もこれは良くない!ということで……。

 ヒジリ、そして『Fung R』の面々に。

『いくら好きだからといって授業にまでそれを持ち込んではならない……!』と厳しく叱ったあと。


──それはそれとして。

『『好きなことを好きだ』という正直な気持ちは、将来の可能性につながる。ないがしろにしてはならない……!』ということで。


()()()()』で。

 お昼休みに『Funk』を楽しむコンサート……『Funコンサート』を開くことを代わりに許可された。


 そのあと『Fung R』はアイドルのような存在となって。

 抗議してた先生も今ではこの『Funコンサート』では。

 笑顔でハンドクラップ。

 校長先生は、共にステージに上がって楽しんでいる。

 

 いつもならこっそり楽しんでいるところだけど……。


──今日は違う。

『どーぶつタンテー』についてより知るためのチャンスを……。

 失ったんだからな……あまり楽しむ気持ちにはなれねぇや……。


 俺は気落ちしながら、教室に戻ろうとしていた……。

 そんな時。


「はぁ。なんなんだよぉ……」


 全員出ていったはずなのに誰かの声……って。

 あぁ。『カルタ』か。


「おい、カルタ!なにして──」

「おわぁっ!? ハル!? いつからそこに?」


 俺が声をかけると、カルタはすっげぇ大げさに驚く。


「……今、来たばっかだよ。んで?何してたんだよ」

「なにって……ぼーっとしてただけだよ」


 カルタはこう言ってるけど……違うな。

 こいつは嘘をつくとき目をそらす癖がある。


 まあ。大方(おおかた)誰かにバカにされただけってオチなのはみえてるけどな。

 そして、こういうときは──


「そっか。ならいい。じゃあな」

 

「いやいや! ちょっと待ってよハル!」

 

「分かってる分かってる。話を聞いてくれってことだろ?」


「……うぐ」


 ……やっぱりな。いつもこれだからわかりきってる。

 まあ、でも今回は……。


「ちょうどこっちも聞きたいことがあるんだよ」


 こいつ以外のおそらく全員が『Funコンサート』に行ってしまってるからな……今、情報をもらえるとしたらカルタだけだ。


 こいつは噂話とかが好きだから、もしかしたら何か知って──

「……まずはこっちから話させてくれない?」


 ……はぁ。仕方ないか。


「手短に頼むぞ……」

「分かってるって! ……ドッペルゲンガーって知ってる?」


 ……どっぺる?


「いや、聞いたことないかな」


「まあ、ハルは怖いのは苦手だから……ね」


 ……え、何? そのホラーな……にやけ顔?

 おい、ちょっと待て。まさかこれ、ホラー話?


「……それ怖い話か?」

「……人によっては。」


 俺がホラー苦手ってこと知っててこの話をするってことは……。


「……お前、それ見たんだな」

「……さすがはハル。その通りだよ!」


 できる限り聞きたくねぇぇぇぇ……。

 けど……も、もしかしたら『異世界帰還者関係』かもしれねぇし……聞くしかねぇかぁ……。


 今にも泣きそうになりながら……。

 俺は意を決して話を聞くことにした。







「話を聞く準備はいいかい? 

 念のために言っておくけど……。

 あまりビビりすぎないように気をつけてね……?」

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