2話〜出会い〜
寡戸の前に立つ男が口を開いた。
"おかえりなさい"と。
____おかえりなさい……?誰だコイツ………知り合いか…?にしては似すぎだよな………双子………な訳ない。僕は一人っ子だ。………何なんだ?ていうかなんで部屋入れたの………?
寡戸の頭は混乱状態だ。まるで寡戸の帰りを待っていたかのように`おかえりなさい'という言葉を発したその男は再び口を開く。
"あれ?もしかして君、今かなり混乱してる?"
意外だという風にそう言った。
"全く、人のこと呼んでおいて覚えてないわけ?"
呆れた。とでも言いたそうに男は加えた。何の心当たりもない寡戸は男の言葉に更に混乱していた。
「………………呼んでません……というかどちら様ですか…?」
やっとの思いで寡戸が口を開くと男は驚きの表情を浮かべた。
"えっ?!それホントに言ってるの……?嘘でしょ…。手違いとか勘弁してよぉ………"
前半は寡戸にむけての言葉だろうが後半からはブツブツと一人で呟くように男は言った。寡戸は自分の発した言葉になにか不都合があったのかと少しオロオロしていた。
"………だって君言ってたよね。「自分がもう一人いたら」みたいな事。"
そう問いかけられ寡戸の動きが一瞬止まった。
「なんで………それを………」
自分の口癖を見知らぬ男に知られていてとても驚いたのだ。
"んー?なんでって言われてもねぇ。っていうかやっぱり言ってたよね!"
「まあ、言ってたけど…………」
寡戸がそう発した瞬間男はパァっと顔を輝かせ
"だよね!!よかったぁ〜"
と安堵の言葉を口にした。男は興奮しているのかよく分からない舞を披露して見せた。
数分後男はようやく落ち着いたようで自分がここに来た経緯を説明し始めた。
"ふぅ……えーっと、まず何から説明すべきかなぁ………。そーだなぁ。じゃあまずなんで僕がここにいるのか説明しようか"
男の説明を要約するとこうだ。
何年か前、寡戸の口癖を耳にしたのがきっかけでよく寡戸の隣に居るようになった。そのたびに会社や世間に対する愚痴をこぼす姿を見て`自分がどうにかしたい。'と思ったのだそうだ。そしてそれを強く願い、気づいたら寡戸の部屋に居たという。
しかし、そんな話を聞いたところで信じられるはずは無い。大体寡戸の隣は誰もいない事が多いし、居たとしても会社の上司か後輩だ。それを`よく隣にいた'だなんてにわかに信じがたい。
「………で、どうにかって具体的にどう?」
一応聞いてみる事にした。
"君の願いを叶えに来た。「もう一人の自分」いいじゃないか。僕はもう一人の寡戸弦だ"
「もう一人の僕……?」
寡戸はわけが分からず復唱した。もう何がなんだか分からない。
"まあ、詳しいことは追々説明していくからとりあえず宜しくね"
一人パニックになりかける寡戸に男は………もう一人の寡戸弦は不敵な笑みを浮かべながらそう声をかけた。
終わり方ぁぁああ!!!
駄目だ。文才がなさ過ぎる。
こんなに小説でも楽しんでいただければなと思います((