呪いのげえむ
こんな話がある。
フリーのホラーゲーム。略してホラゲと言えば、今や一大ジャンルと言えるだろう。それらのゲームは動画実況者たちによって更に拡散して、今日の隆盛を築いたと言っても過言ではない。
しかし、数が増えれば混沌の渦が発生するのもまた事実。
実際、ファミコンやスーファミと言った膨大なゲームソフトが生まれた中には、都市伝説的な呪いのゲームがあると噂された。
そして、ネットからダウンロードする時代にもまた当然のように姿を現した。
いつしか都市伝説の中に「呪いのホラーゲーム」と呼ばれる物が現れ始めた。
これはその中の一つ。
『●■※(株)Al;』と言うゲームのお話だ。
断っておくのだが、このゲームを実際にプレイして奇妙な事が起きても当方は一切関知しない。自己責任でお願いする。
自分も動画実況を始めようと考えたプレイヤーが居た。
彼はそこそこの機材も揃えて、最初にプレイするゲームも選んだ。
彼が選んだゲームと言うのが、ネットで少しだけ噂に流れていた呪いのホラーゲームだった。普通の方法ではダウンロードできないそれを、彼はどうやってか手に入れていた。
私の知る限りの情報を記しておくと、そのゲームは百物語をモチーフとしたいわゆる一本道のノベルゲームで、内容は一分もあれば読めそうな短い怪談話らしい。読んだ話は二度と出てこないし、読み返しもできないそうだ。
そして出てくる話は基本的にランダムだが、どうやら一の位が四と九の話のみ、ちょっとおかしいらしいのだ。
四と九に当たる話は、どうやらプレイヤー自身の話らしい。
最初はちょっとおかしいかな、と思うのだが、徐々にその怪談が自分の周辺を舞台にしていると気が付くのだ。
そして、九十九番目の話はこんな話である。
「百番目のお話の主人公は貴方です。準備はできましたか?」
この実況を行なっていた彼は、パソコンの電源をつけたまま、部屋で首を吊っていたそうだ。
やっていたゲームは不明で、中身を調べてもそれらしい物は残っていなかったらしい。
ただ、彼が撮っていた動画に、何故か映像は残っていないのだが彼の音声だけが残っており、このゲームがどう言う物だったのかが判明した。
彼は文章を読みながら実況していたのだが、途中からどんどんテンションが下がっていった。
そして、最後の九十九番目の話を、それまでとは別人のようにおそろしく明るい声で読み上げた後、彼が首を吊る音までが入っていたと言う。
さて、ホラーゲームのプレイには十分気をつけて頂きたい。