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ガーディアン この街を守る高校生達の物語  作者: 珠洲音リラン
生徒会役員の仕事
5/22

テスト!

新しい教室に着いた璃嵐は、黒板に書かれた座席表を見て自分の座席に座る。

先にいた生徒たちはどうやら友達同士ですでにグループを作って談笑を始めている。そんな中一人浮いている存在の璃嵐に気がついたのかそれとも、もともと知っていたのか、璃嵐の前に一人の女生徒が立ち止まった。

「ふーん、あんた。またアタシとおんなじクラスなんだ。まぁ?アタシの邪魔しない程度に今学期を楽しみなさいよ?アッハッハッ!」

(うるせーわ、またあのうっとおしい優等生高飛車と同じクラスとは・・・)

璃嵐にそういって立ち去った女生徒、名前は『涼宮すずみやあかね』身長は璃嵐と同じくらいで、体格は華奢だが、少し日に焼けた感じの肌の色が健康的な感じを思わせる。髪色は黒でショートカット。目の色は灰色に近い黒。


「あらぁ、派手に言われちゃったねぇ。」

「昔から付き合いがあるけど、高校に上がってからやけにああいう態度で言われるようになったから・・・な。」

璃嵐は、話しかけてきた梓にそう答えると少し遠い目をして机に肘をついた。

「アハハ、まぁ女の子にはいろいろあるんだよぉ?」

梓はにこやかな顔で璃嵐に答えた。

「いやぁ、新しいクラスでもモテモテですなぁ?璃嵐さん?」

と、ニヤニヤした顔で徹が璃嵐たちの下へやってきた。

「モテモテなら私にも彼女がいてもおかしくないんだがなぁ・・・。」

璃嵐は少しうつむいて‘うーん’とうなって徹のほうを向いた。

その姿を梓は微笑みながら見ているだけだった。

「いや俺にそれを言われてもな・・・。なんかすまん。」

徹は真剣な顔つきでにらみつけられたため、つい璃嵐に謝る。だが璃嵐はそれを笑って『冗談だったのにな!』と逆に徹を茶化す。

「んだよ、悪いと思っていったのによ。」

「大体私がそんなこと気にしてると思うか?」

璃嵐は続けて余裕そうな顔でそう言い放った。それに対して徹は『あーはいはい。そうーでしたねー』といって璃嵐たちのいる席から離れていった。

「でもね、璃嵐もそろそろそういう人ができるといいね。」

梓が不意にそういった。

「梓はもうそういう人がいるからいえる余裕って奴かなそれは?」

璃嵐の返しに梓の顔が真っ赤になり「そ、そんな人いなよぉ~あはは・・・」と笑いながら璃嵐の席から離れていった。


いよいよ、テストの時間が始まる一回目は『国語』璃嵐にとっては苦手分野の一つであるためなかなか問題を解くことができずに悩むばかりであった。

二回目は、『数学』別段苦手でもないが得意でもない璃嵐は時間を10分ほど残して終了する。

三回目は、『精霊語』この世界の共通語みたいなものである。璃嵐の得意分野なた目時間を20分以上残して最後のテストを終了した


「んー。やっとおわったぁ・・・璃嵐はどうだったの?」

精霊語のテストが終わると梓が璃嵐の前へやってきた。

「国語は相変わらずだと思うけど、それ以外はぼちぼちかな・・・。」

そう答えると梓は、「いつもどうりなんだねぇ~」と微笑みかける。すると前の席に座っている生徒が振り返ってきて会話に割り込む。

「あら?さすが三流。アタシはすべてパーフェクトよ!」

いやみったらしく茜がそう言う。

「誰もお前には聞いてねーよ。と、言うよりパーフェクトならいい加減アリーに勝てるようになったのか?」

「う、うるさいわね!それとコレとは別なのよ!それにあんたも早く準備して実技試験に向かうことね!」

茜はそういい残して教室から出て行く。それと同時にアリーと徹が苦笑しながら璃嵐の前にやってきた。

「あまり、私を、引き合いに出して欲しくない、です。」

「あぁ、悪かったな・・・。とりあえず茜の言ってた通り私たちも向かいますか!」

璃嵐はそういって立ち上がり、教室から出て行く。その後を追うように徹とアリーも出て行くのだった。


「能力者って大変だね・・・。」

「そうか?俺からすれば結構うらやましかったりするんだけどな。」

璃嵐たち3人が出て行き、ホームルームが終わった後。梓と智也はいつもどおり下校するため校門へと向かっていた。

「はぁぁーーーー!」

遠くからその掛け声とともに、金属の触れ合う音が響いた。

「まぁ、俺らには分からない世界なんだろうな・・・。」

「たぶん・・・ね。」

智也の悲しさと悔しさのこもった声とその背中をみて、梓は先ほど金属音の聞こえたほうに一瞬振り返り、智也の後を追うって学校を出て行った。

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