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■視点:ある中隊長


 キャットフィッシュの制限時間は五時間。

 何が制限時間かというと、再び地面に潜っていってしまう時間だ。これは名付きごとに異なり、長いものだと案外長くいる。

 さて、五時間は長いか短いか、と言われると作戦時間として見るなら間違いなく短い。

 何しろ出現した時点で大規模な地震が発生しているのだ。滅多に地震が起きない国で発生すれば、その時点で絶賛大規模な混乱発生中であり、そこからの迎撃は並大抵の苦労ではない。

 それでもやるのは、少しでも打撃を与えておかないとまた何時来るか分からないからだ。事実、出現した地域が首都の隣の都市!と緊急に首都に戦力を集中させて放置したある比較的国土が大きい国などは翌日、なんと今度はその首都に出現してえらい目にあった実績がある。

 というか、全く被害を与えずに撤退してしまった場合、数時間後に近隣国に出現して猛抗議を受けた、なんて話はそこらにゴロゴロしている。

 今回日本が警戒態勢を敷いていたのもそれがあったからだ。

 

 そして、もう一つの問題点として出現したからといっていきなり戦力集中!とはいかないという事だ。

 報告を受け、出動し、被害を受けた地域に救援を出すのと平行して攻撃を行う。

 空はともかく、地上は地震によって崖崩れが発生していたりで通常より進行は遅れる。

 戦力を集中させ、出現した多数の悪魔を迎撃しながら突破口を作り、「キャットフィッシュ」への突入口を作る……。


 「前に、お前もう行って来い」


 ぼそり、と独り言が思わず洩れた。

 どこか疲れた声だと自分でも自覚している。

 目の前には二機の【オーガニック】。

 別部隊に配属された二機が戦線に到着するなり他を圧する形で大暴れしている。

 

 「おい、うちのとお前の所の二機で臨時編成させたいんだが」

 『奇遇だな、こっちも考えてた』


 どこか疲れたような顔が映る。

 きっと自分の顔も似たようなものなんだろう。

 二機の戦い方はそれぞれだ。

 だが、トンデモ機動の連発で尚且つそれが自然となっている。

 逆に言えば、それが自然となるぐらいに何度も訓練で実戦で時には痛い目を見ながら動き続け、その中で自分に合う形を見つけ、それを徹底的に磨き上げたという事。それだけの実戦を経ていると実感させるだけのものをそれは、本物を潜り抜けてきた凄みを感じさせた。

 ……それがまだ十代半ばの子供ってのが泣けてくるが。

 つーかな、今のままやってても周囲が足手まといにしかなってねーよ……。

 二人共真面目だ。

 真面目なだけに隊長の責務をきっちりこなそうとしてるんだが……矢張り経験が少ないのか、或いはただ単にこっちの動きが遅すぎるのか、それともあいつらからすれば反応が遅すぎて危なく見えるのか……敵の「悪魔」が射程に入って間もなく次から次へと撃破されていく。

 うちの方に配属された機体は外見は兎!

 いやもう、初めて見た時はふざけてんのか、こいつ、って思ったよ。

 しかし、今見てる光景はふざけろこいつ、ってなもんだ。

 何であんだけ四方八方にガトリング砲ぶっ放してるのにフレンドリーファイアが皆無なんだ?いや、願ってる訳じゃないぞ。あんなの被弾したら一発で落ちる。

 

 「ってー訳で連絡取れた、黒田、お前宇宙軍の同僚と一緒に突っ込んで来い、俺達が許す」

 『……いいの?』

 「ああ、構わん」

 『……分かった』


 こくり、と表情に乏しいけど可愛い顔で頷く姿は可愛いんだけどなあ。

 実際、多対一でボコボコにされてんのにうちの男共は彼女には甘いし、女性陣は女性陣で可愛がってるみたいなんだよな……お菓子を食べる姿が小動物みたいで可愛い、だとか。

 気持ちは分からんでもないが……。

 おっと、二人の機体が合流したな。

 あの二人が合流するとどういう戦法を取るのか……宇宙軍でさんざ組んでるから今更方法考える必要はないだろうけどよ。

 ……ん?女性が前かよ。

 ……意外だな、てっきり男が黙って前に出るのかと思ったが。

 ……あーうん、あれは前に出れんわ。

 まだまだ群れてる悪魔共の壁にそれこそ穴開けて突っ込んで行ってる。

 しっかり、援護して前に集中出来るように男は援護やってる、と。

 

 隊長は知らないが、実際、黒田の宇宙軍での役割は大体似たような事になっているし、当人もそれに慣れていたりする。


 ……接近したら今度は男の方が陰から抜け出して突っ込んだか。

 で、黒田が援護してる、と。

 おいおい、キャットフィッシュ切り裂いたぞ、さすがに相手の図体でかいからかすり傷だが……。

 ちら、と腕の時計を見た。

 ……戦闘開始後現在四十分経過。

 

 「……今日の奴の撤退は相当早まりそうだなあ」

 

 まあ、お陰で復興作業に専念出来るのはいい事さ。

 とりあえず、こちらも迫った悪魔を穴だらけにしつつそう考える事にした。 

地上軍にもトップに近い人なら同じ事が出来る人はいます

しかし、宇宙軍では規模と速度と回数が段違いな為にそんな中で単機で動く連中は自然と化け物になっていきます

……まあ、前に出てきたゴットフリート大佐は本気でやったら学生達まとめて相手にして無傷で勝つんですけど

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