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 ふむ、こいつ上級悪魔の部類でもなかなか上位の部類だな?


 実際に刃を交わし、ゴットフリートはそう判断した。

 世の中強い奴がいれば、弱い奴もいる。

 弱い奴もいれば、強い奴もいる。

 ゴットフリート大佐は自分が人類の中でも強い部類だと理解している。でなければ三十路間近とはいえ二十代の若造である自分が大佐なんて階級についているはずがない。

 (尚、有名なルーデル大佐の大佐昇進は28歳時)

 魔王級の「悪魔」はさすがに自分でも一対一で戦うという事は出来ない。それを考えれば、目の前の上級悪魔は自分がこうして一対一で戦える上限に近い所にいるだろう。学生達がああもあっさりやられたのも当然の話と言える。

 一気に加速し、敵に向かう。

 その過程で上級悪魔が空間を渡る。

 短距離の空間転移。

 超長距離の転移は所謂ワープとか空間跳躍と呼ばれる艦船が用いる技術だが、短距離で行えばこうした戦闘では極めて厄介な性質を持つ。

 何しろ次元空間を移動している為に通常の探知機では探知出来ない。

 おまけに移動が極端に早くなる。

 自分達みたいに知覚を極端に引き上げる事で実質的な時間間隔を引き伸ばし、更に探知能力を高める事でようやっと奴らは感知する事が出来る。

 (尚、上級以上の悪魔達が戦艦や要塞のコアとなっているのは単なる護衛戦力という事だけでなく、長距離移動の為の出力強化を行う為だったりする)

 知覚を引き上げる事で時間の流れを遅く感じさせる。

 よく、酷く時間の流れがゆっくりのように感じる、という話があるが、それを実現したのが現在自らが用いている機構「思考加速装置」だ。そうでもなければ、こんな超高速戦闘、それも一瞬で亜空間に潜り込み、また出現するなど人間の限界を超えている。

 自らも瞬時に短距離瞬間転移を作動。

 探知機能と自らの勘で推測した転移先へと回り込む。

 単なる探知の能力に頼っているだけでは駄目だ。それではただ単に機械に操られているだけ。それでは機械そのものである「悪魔」へ勝てるはずもない。間接的に機械を操る人と、直接機械とつながっている悪魔では人の側に何かをプラスして対抗する必要がある。それは経験だったり、洞察力だったり人それぞれ。ゴットフリート大佐は自分のそれを勘と呼んでいる。或いはそれは他の者であれば経験の積み重ねが咄嗟の判断を引き出しているのだとか言うのかもしれないが、それだけではないと大佐は確信している。

 でなければ……。


 空間を渡った先に僅かに先に実体化した悪魔の背がある。

 その背に向け一撃。

 それは西坂の持つ空間断層に似ていて、けれども違う。


 「次元断層」

 

 その最大の特徴は……。

 目の前で一撃をかわすべくするり、と上級悪魔が亜空間へと潜り込む。通常の手段ではそうなったら逃げられる。

 西坂の空間断層もそうだが、攻撃はいずれもこの現在人類が存在する空間と時間に関係して攻撃が行われる。普通の攻撃ならば。

 だが。

 正に咄嗟、といってもいいだろう、上級悪魔が身をよじった事で次元断層は僅かに上級悪魔の体を削ったに留まった。

 次元断層は空間断層とは異なる。亜空間へと潜り込んだ相手すら干渉する。

 無論、潜り込んだ瞬間の話だ。亜空間は移動速度が通常空間とは桁違いである為に瞬時に通常空間の自分とは距離が開いてゆく。けれど、その離れていく瞬間に確かにゴットフリート大佐は上級悪魔がニヤリと笑う姿を見た気がした。

 なかなかどうして、上級悪魔と戦った回数は少ないが独特の個性があるじゃないか。

 そう思い自身も笑いつつも亜空間へと潜り込む。

 牽制の為に僚機のアルベルトが攻撃を放つ。

 それは時間を遡り、出現した先で亜空間へと潜り込み、炸裂。

 ある程度推測で放たれた一撃は直撃には程遠くとも、結果として上級悪魔の転移先をある程度限定する。その先へと自らも転移し、ゴットフリートは目を見張る。

 背を向けて通常空間へと復帰。

 それは危険な行為だ。亜空間から通常空間へと復帰するには通常空間に一定以上の物質がない事が求められる。故に離脱そのものは問題なくても、背を向けて復帰すれば当然そのまま先へと進む、その先にはなんらかの物質が存在しているかもしれない。亜空間だって同じだ。先に何が待つか分からない場所へと背を向けて転移する事になるだろう。宇宙はただでさえ高速な戦闘が展開される場所、一瞬でありながら地上では予想以上の距離を移動する。多少の確認は取ったとはいえ背後を見る事なく、逆走で全力疾走する車を運転するのがどれ程恐ろしい事か考えてもらえば分かるだろう。

 それを無視して上級悪魔は通常空間へと復帰。結果として背の側を狙って転移したゴットフリート大佐と相対する形となっていた。

 拙い。

 思った瞬間に体が動き、防御の姿勢を取る。

 お陰で一撃は掠めるに留まる。

 損傷の程度は先に自身が与えたのと同程度。

 それで満足したように離脱を図る。

 いや、傷つけられたままこちらに傷を与えず撤退するのを嫌がったのか。だとしたら何ともにくい真似をしてくれるじゃないか。

 追撃をかけようとするが、アルベルトから通信、と言う名の思念が届く。

 

 (どうした?)

 (他の悪魔どもが月面司令部らへと移動中です)


 ちら、と視線を向ければ確かに一斉に群がるように月面司令部と艦隊へと襲い掛かりつつある、どうやら足止めに動いたか。

 仕方ない、ここまでだな。

 そう判断して、離脱する上級悪魔へと最後に一度だけ視線を向け、【オーガニック】を逆方向へと加速させる。

 出払っている現状では一機でも戦力が必要だろう。特に月面司令部はともかく、艦隊は個別の戦闘力は低い。元が輸送艦を利用した空母艦隊なのだから当然だが。

 上級悪魔とはまた戦う機会があるだろう。

 そう思い笑みを浮かべながら、ゴットフリート大佐は戦場へと突入した。

大佐の戦闘シーンです

今回は軽くあわせた、って感じですね


宇宙での戦闘は敵が多数になるのでポイントも一杯溜まります

次回辺り、パワーアップした主人公らの機体の性能書きたいですね

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