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■視点:教官の一人
「……さて、あいつら気づくかね」
教官の一人が呟いた。
学生達が超大型艦に群がっている。
学生とはいえ世界中から選抜された者ばかり、それが密度の高い教育を受けた結果、そこらの熟練兵士でも勝てない程に仕上がった。
しかし、こればかりはどうしようもない問題として矢張り経験が足りない。
幸いというか今回は彼らにとっては運が悪く、自分達にしてみればちょうど良い事に砲塔が一つ残った。あれぐらいなら万が一があってもすぐに潰せる。だからこそ現在は邪魔が入らないように動いている。他の教官達も同じだろう。
超大型艦である悪魔。
だが、忘れてはならない。奴らも神々が生み出した存在なのだという事を……。
……いや、別に危険度とかそういう意味ではなく、な?
■視点:西坂
何で数が増え続ける!?
撃破しても撃破しても悪魔の数が増え続けている。
『畜生!一体どうなってんだい!!』
『ううん?何かおかしいね?』
通信でも訳が分からない、という声が響く。
確かにおかしい、どこから出てきている?けれど、それより今は……。
「今優先するのは悪魔じゃ…いや、悪魔なのは間違いないけれど砲塔だ」
『……そう言えばそうだったね。つい目の前に気を取られていたよ』
こういう時こそクールだ、クール。
「えーと、まず確認するが砲撃班はどうだ?」
『無理ですわ!こんな中で落ち着いて狙撃するなんて出来ません!砲塔に届く前に威力削られるのも目に見えています』
『純粋に弾数が足りん』
『えーと、まあ、無理だね。発射までに潰される』
そうだろうな、となると……。
「やっぱり接近してぶった切るか壊すしかないか」
『妥当な所だな』
『という訳で任せた!!』
まあ、そうだろうなあ。
援護を頼み、突撃する。
すかさずカルロの奴と清美、更にマーリクが周囲について援護を開始する。
アルバートは後方で全体指揮という名の穴埋め役。
ヴィルゲイムは支援射撃班の周囲を守る小隊指揮を執っている。
これでこっちは安心して前へと進める。
と言っても、今はまだ月面軌道上程度。超大型艦すら初登場、という時点でまだ神々も本気ではない。これが木星軌道上ぐらいになってくると話が変わってくる。そこまで行くと知性ある悪魔すら出現する……より正確にはこれまでにもその行動で「知性があるのでは?」と疑われる存在は地球にもいたが、会話をしてくる存在というのは地球上ではまだ確認されていない、それだけの話だ。
……最も、今回のを見る限り、何時までそれが続くかは分からないが。
いずれにせよ、今はまだ悪魔の行動パターンも比較的単調。狙いを定めて撃つ、ただそれだけ……一対一で【オーガニック】と打ち合い、撃ち合う指揮官機は未だ出ていない。
まあ、そんなもんが最初から出ていればとっくに人類終わってた気がするが。
「よし、砲塔が見えた、このまま突っ込む!」
そう声を掛けて突っ込み……。
「……なにい!?」
そこで種明かしを知る事になった。
何故次から次へと悪魔が出現しているのか。尽きる事なくどこからともなく現れるのか……気づいてみれば実に簡単な話だった。
何より、人類自体が行っている事ではないか、【オーガニック】という人類に与えられた武器でもって恒星間航行船を構築するという事は……そう、彼らの目の前でつるりとした継ぎ目のないように見えた砲塔が……解けた。そこから悪魔が身を起こし、砲門をこちらに向けてくる。
これが種明かし。
この超大型艦もまた数多の悪魔よりなる【オーガニック】と同じ代物。
作成したのが同じ存在ならば、それもまたありえたはずの、それだけの事。何しろ眼前に大量の悪魔によって構成される構造体があるのだ。幾ら撃破しても撃破しても次から次へと結合を解きさえすれば悪魔が大量に現れるに決まっている。
それでも咄嗟に体は反応する。
即効で必要な機能を起動させ……。
種明かしの回
オーガニックも悪魔も同じ相手が作ってるんですから、当然同じ事が出来てもおかしくない訳でして
知能ある悪魔はその内に出現予定です




