表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/144

54

■視点:各国政府関係者


 誰もが沈黙していた。

 誰彼となく何か言おうとしては口を閉じ、また別の者に視線を向ける、そんな感じだ。

 そんな中、一人が覚悟を決めた様子で、口を開いた。


 「今回のあの事態に関して話をしたいと思う」

 「……ここは大丈夫なのか?」

 「大丈夫、だと思う。一応手は打ってある」

 

 通信などでは当てにならない。

 故に取られた対策は昔ながらの人力。この会議室の外に待機する警備の視線の先には別の警備がおり、その警備の先にはまた別の警備が……と街まで繋がり、もし、いずこかで実況生中継が始まり次第手を挙げるよう命令を受けている。後はそれを確認した警備がまた手を挙げ……を繰り返し、最後はドアの前に立つ者が激しくノックして知らせる、という手筈になっている。

 まどろっこしい事この上ないが、神々がどんな対応を取ってくるか分からない。

 そう考えると、下手に通信機器を用いたはいいが、途中で遮断されて情報が手に入らないかも、という危険が常に付きまとう。結局、最後に彼らが頼ったのは文字通りの意味で人の手であった。


 「……あの馬鹿どものせいで、風向きが大分変わってしまった」


 忌々しげにはき捨てた人物がいた。

 とはいえ無理もない。

 今回の神々による暴露劇は面倒な事態を引き起こした。というか、あんな事をやらかした事が世界中に暴露されて何も問題がない方がおかしい。

 某国自体は「日帝相手なら当然の権利だ!」と主張したみたいだし、国内までそれで納得してしまったようだが生憎世界の他の国はそうはいかない。

 どうなったかと言えば、まず密かに協力を取り付けていた国が次々と断りを入れてきた。

 彼らにしてみれば「話が違う!」という所だろう。安全に宇宙軍に楔が打ち込めるはずだったのに、一転して自分達の内密の企てが世界中に暴露される危機にあっという間に掌を返した。

 本来なら恫喝でもしてやりたいところなのだが、下手にやって結果神々に動かれては最悪だ。

 今回、神々が動いた理由は何なのか、宇宙軍に関係する事だったからか、それとも理不尽な暴力を用いようとしたからなのか、或いは……。神々が如何なる存在なのか、それがそもそも分かっていない為に今回の懲罰の原因も可能性は幾通りも存在し、その全てが原因の可能性がある。

 つまり、可能性がある事柄に関しては手を出さないようにするしかない。今回の件で言えば、実際に脅迫や暴力で離れようとする連中を食い止める事だ。

 だが、それが出来ない。

 となれば、後は金や女といった事が考えられるが、今はどこも慎重に様子を見ている状況でそれには手を出そうとしない。

 そうした事も含めて「なんて事をしでかしやがったんだ!」と怒鳴りつけたい気分だ。

 そもそも、折角矢面に立ってもらって風除けにするつもりが、今回の一件で某国は完全に信用を失った。少なくとも、抗議の提示国として名乗りを上げる事が許されない程度には。

 本音を言えばあの国の事だからまた他の国のせいにしたかっただろうが、下手にそれをやれば、今回は待っているのは死、という事になりかねない。なので、渋々ながら大人しく従った訳だが、結果としてその影に隠れていたグループが表に出ざるをえなくなってしまった。


 「……下手に強行案を提示すれば同類と看做されかねませんな」

 「……今回は宇宙軍に花を持たせるか」

 「そうですな、穏健案を元に宇宙軍とも話し合い、という形にして命令という形を避けるという事で……」

 「仕方ないですね。ここは無理に押す場面ではないでしょう」


 かくして、某国が権威を失墜させ、思惑が完璧に失われている間に世の中はさっさと必要な事が決まっていたのだった。

 


■視点:西坂弘智


 「……宇宙へ上がる?」

 「ああ」


 笹木はちょっと驚いた顔を見せていた。

 こんな顔をした笹木は初めて見た気がする。


 「……まだ一年生が始まったばかりなのに?」

 「しばらくは通信教育になるだろーね」


 じっと顔を見ていたが、やがて納得したように頷いた。

 

 「納得してるみたいだね。理由聞いても?」

 「……結局、今地球にいたらまた同じ事が起きるかもしれないだろ。でも、俺さ」


 もう一度同じような事が起きた時、今の状態では戦えるか分からない、と西坂はこぼした。

 相手が「悪魔」ならばいい。けれども……果たして再び【オーガニック】が敵となった時、それに刃を向けられるだろうか?前回は無我夢中に近かったが、考えてみれば前の連合赤軍に続いて人が相手となるのは今回が二度目だ。二度ある事は三度あるとも言う。

 けれど、宇宙では……宇宙では今の所地上の裏での争いは無縁だ。

 幸いな事に、前回の戦闘で大量のポイントが入った為に宇宙に適応させるのには全く問題がない。

 そして、明らかにターゲットとして狙われただけに学校としても「今回の件で逆恨みして狙ってくる可能性がゼロとは到底言えない」と判断せざるをえなかった。

 かといって、まさか四六時中ガードを貼り付ける訳にもいかない。

 

 「だから、学校も賛成してくれた」

 「……そうか」


 本当にこんなに急にこんな展開が待っているとは思わなかった。

 そう思いながら、空を見上げる西坂だった。……あそこでは何が待っているのか、あそこでは果たして今より状況は良くなるのか……それはまだ分からなかった。

というわけで一旦宇宙へ

どっちかってーと避難ですね

躊躇わずに敵は殺せるならいいんですけど、今はまだまだ迷ってます


……まあ、一旦消えますが、笹木達はまた登場予定です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ