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世の中馬鹿ってものには上には上がいる。
そんな事を思い知らされた一日だった。
後になればそんな事を思ったりも出来る訳だが、当日の当人達にとっては唖然とするしかなかっただろう。
「……なんか妙に警戒されてない?」
「確かに」
妙に学校がピリピリしていた。
割と普段はどこかのんびりした雰囲気が漂っている学校内なのだが、ここ数日は教官らも時折険しい表情を授業の外でも見せている事がある。
単純に生徒の誰かが問題を起こしたとかなら分かるのだが、真剣な表情で話し合っていても俺達が近づくと、表情和らげて普段通りの対応してくれる。そもそも数日前から外出禁止令が出ている時点で何か起きてると言ってるようなもんだが、この時誰もが「悪魔」に関して重要な問題が発生しているのだと思っていた。
「悪魔」に関する問題は厄介だ。
何より大きいのが何時発生するかが分からない存在達がいるという事。
世界の各地に開いた「穴」の監視は明らかな前兆があるのでまだマシだ。これらは正に人を試すように明白な前兆を示し、人が準備を整えるのを待ってからのように出現するからだ。おそらくは【オーガニック】を通じて神々は必要な情報を得ているのだろうとは推測されている。
が、長年生きた空母型の生体型悪魔は何時どこに出現するのか分からないという脅威がある。
日本の場合は海洋型のそれだが、先だっても「リヴァイアサン」がこれまで縄張りとしていた地域を離れ、突如として黄海へ、更にその後日本海方面へと出現した。
そして、現在も日本海のいずこかに潜んでいるのではと恐れられている。
日本の対馬ライン防衛線を突破されるとこれまでなまじ内海化していただけに感知網がない。かといって、まさか海洋の全てに感知網を張り巡らせるという事も現実的ではない。
宇宙からの眼も用いているものの、現在はいずこかの海底に鎮座しているらしく全く動向が掴めていなかった。
「おまけに例のステルス悪魔もいるからなあ」
「そうだよね、確かにそれはあると思う」
そんな声が今の所、生徒達の間での一般的な見解だ。
しかし、何時終わるんだろう、という声が次第に広がりだしているのもまた事実だ。
たまには学校の外へも、というのはこの年齢の子供としては不思議な話ではない。
だが、普段の門限破りをした場合の怒られるのとは、今やったら訳が違う、という事は生徒達も薄々感じ取っていた。
実際、この時期、センサー類もチェックされて、これまで設置されていない場所にもこの際だ、とばかりに設置されていたから抜け出そうなどという真似をしでかしたらタダではすまなかっただろう。しかし、仮にも実戦を経験した人間なだけあって、単なる我侭な子供とは違うというか、まあ、この時代そんな我侭放題な人間ならそもそも軍学校への入学なんて許されなかっただろう。
「で、西坂君。君何かした?」
「してないよ!」
何時もの面子で集まっている所にいきなり笹木からそれだ。
さすがに思わず、といった様子で反論した訳だが、笹木から見ると西坂と黒田へそれとなく目を向けられている事が多いのだとか。
「例えば、教官らがちょっと君達が通り過ぎた後で目で追っちゃったりとかね?一人二人ならともかく、複数。それも学校内を見回る兵士の人もとなると君らが何か関わってるか知ってるかと思ったんだけど」
「すまん、本当に知らん」
「……同じく」
ふむ、と笹木は首を傾げた後。
「じゃあ、宇宙軍関連って事か。君らが知らない事で、尚且つここ最近で君らに共通の事っていえばそれだからね。ただ、悪魔関連じゃない可能性は高そうだなあ……」
そう呟いた。
成る程、とそれには全員思わず納得した。と、同時に……。
「悪魔は今回関係ないが?」
「だと思うね。あそこまでピリピリしてるのは何かしら事前に兆候を掴んだんだと思うんだけど、悪魔の事なら宇宙軍って言っても君らまでは気にしないだろうし」
確かに悪魔の事でまだ学生の、宇宙軍に所属もしていない相手の事まで気にするとは思えない。
そこら辺に気づいたのはそうした陰謀への体験もある笹木ならではだ。だが、同時に彼らは知らなかった事がある。
日本の警察と軍情報部は有能で、着実に相手を追い詰めつつあった。
科学的な捜査だけでなく、裏社会の人の伝手、怪しい人物の目撃情報に足で集めた情報……何しろ、戦乱が常に傍にある世界だから人情という奴も紙風船のような軽いものとなっていない。結果として、警察と情報部は怪しい人物を既にピックアップし、協力者の中には既に密かに捕らえられた者もいた。実行予定の人物達まで届くのも時間の問題だと思われていた……。
ここで、諦めてさっさと逃げて帰ればいいものを、彼らは諦めが悪かった。
完璧に状況を見誤ったとも言える。結果として……。
軍学校の正門方面で轟音が発生した。
後に無人トラックが爆発物を積んで特攻した事が判明する事件が始まった。
お隣の国の大統領報道官が訪米中の大統領と共に訪米中にインターン生に…って事件がありましたね
帰国してから軽く腰を叩いただけだ、って言ってましたが、警察に待機命じられながら無断且つ即効で帰国した時点で何を言っても無駄なような……
50記念にちょこちょこと書いているVRMMOものの一話だけ投稿してみようと思ってます
まあ、読みたいという方がいれば週一ぐらいで更新を…




