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 全ての大前提としてご理解頂きたいのだが、人類は未だ神々についても、悪魔についても、利用し倒している【オーガニック】についてさえまだまだ分からない事が多い。というか分からない事だらけだ。

 神々については銀河中心方向へと導こうとしているとも思える動きがある以外に手掛かりはなく、悪魔に関しても疑問点は多い。単なる神々の手先の道具というなら、いっそそういうものだと割り切れるであろうに中には明らかに高い知性を持ち、人と会話する存在すらいる。それも極小のそれこそ魔王の名を冠するような相手というのならばともかく、案外そこらの生まれたばかりの悪魔から、それも生体型のみならず機械型からすらふらりと出てきたりするから分からない。

 そして、【オーガニック】もこれ程人類は使っているというのに、その原理を未だ人類は理解する事が出来ているとはいえない。

 無論、その機能の全てを把握している訳でもなく、一部ならぬ情報に関しては国家レベルの機密情報となっているものもあるぐらいだ……。


 


 「さて、どうしよう?」

 「……困る」


 西坂と黒田の二人が悩んでいた。

 実はこの二人両方とも宇宙軍にスカウトを受けていたりする。

 残る二人、笹木と南宮は?というとそちらは受けていない。

 もちろん、それには理由があって、笹木は年齢こそ若いが地上戦での実戦経験がそれなりにあり、既に地上戦での自身のあり方戦い方という奴を確立しつつある。

 実は宇宙軍のスカウトが一番に狙うのが各国の空軍であり、次が海軍、最後にかなり遅れて陸軍だったりする。

 理由は単純で、そちらの方が宇宙軍のコンセプトに近いものがあるからだ。

 空軍は分かりやすいだろう。三次元機動は宇宙での機動にも繋げやすい。

 海軍はというと、こちらは宇宙軍もまた艦艇運用を行うからだ。

 宇宙船を動かす際には海軍のそれに通じる呼び名が使われているし、海軍にも【オーガニック】を艦の砲として運用する部門がある。

 反面、陸軍は【オーガニック】個別で見るならば「砲」としての役割も海軍や宇宙軍のそれと異なり自走砲としての運用を行っている。何しろ、海と陸では運用可能な移動式の土台の大きさが違いすぎる。わざわざ巨大な移動可能な土台を作るとなるとまず列車砲のような運用となり、それでは事前に線路を敷くなどの手間が必要となる。それぐらいなら自分で走ってもらった方が楽だ。

 【オーガニック】の戦闘も陸軍の戦闘は基本は二次元での機動が基本となり、多少三次元的な動きが必要となるとしてもほぼ対空部門か一時的な跳躍程度でしかない。後は地中か。

 なので、宇宙軍としても空海の両軍から引っ張ってきた方が教育がしやすい訳だ。

 もちろん、結果として陸軍は比較的宇宙軍に対して中立なのに、残る両軍からは嫌われるという事になっている訳だが……。

 まあ、南宮がスカウトされなかったのは彼女の戦闘が余り宇宙に向いていないという事と、ただでさえ学生にスカウトという時点で良い顔をされていないのに、全員は拙い……というのはある。スカウトした時点で手遅れという気がしないでもないが、そこは置いておく。

 

 「とりあえず、宇宙適応のは取っておいてもいいんじゃない?」

 「機動部分とか武装とか宇宙でも使える部分を育てておくとか?」


 なので、笹木と南宮にとっては完璧に他人事だ。

 とはいえ、変な事はさすがに【オーガニック】の成長に関わる事だけに言ったりはしない。

 

 「そっちはいいよな……方向性決まってるし」

 「……それを言うなら、弘智もまだマシ。私が一番悩む」

 「あーうん、清美はな」


 それも間違いではない。

 まあ、黒田の場合は一応地上移動になるが、跳躍連続という時点で殆ど三次元機動なのが今回声を掛けられた切欠らしい。


 「……ところでふと気がついたんだけど…」

 「何だよ」


 ふっと気がついたという風情で笹木が呟いたのに、成長方向に悩んでいた西坂が成長画面を睨みながら答える。

 もちろん、笹木と南宮は既に成長を終わらせたからの余裕だ。


 「何時の間に君達二人名前で呼び合うようになったのさ」

 「「………」」

 「そういえば、私達相手には普段は笹木君、南宮さん、よね?」


 その言葉にはた、と同じクラス内にいた他の人間も気がつく。

 

 「「…………」」

 「さて、それじゃ宇宙適応ぐらいはさせておくかな…」

 「……私も機動能力と火力の向上ぐらいに」


 無論、それで終わる訳がなく弄られる事になる二人だった。

 まあ、まだ年齢から言えば中学一年になったばかりなので、恋人とかそういう感覚からは遠いだろうが……。




 「……なんて事やってるぜ」

 「ま、ガキのオママゴトぐらい大目に見てやれ。後少しの命なんだからさ」

 

 そんな光景を冷徹な視線で見ている者達もまた笑みを浮かべていた。

 彼らの笑みはその高性能双眼鏡で見ている先の笑いとはまた別種のそれであったが……。 

まあ、二人の関係自体は本当にオママゴトと言われても仕方ないレベルです

男の子と女の子が親しくなったけど、普段言うと周囲につきあってるんだろーとかからかわれる可能性があるし、恥ずかしい、そんなレベルですね



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