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幕間:日本+

本日、体調不良につき事前に書いてたこちらのみで本編は失礼します……

頭が痛いいいい、熱まで出やがった……という訳で本日は仕事休みもらって薬呑んで寝てます……

多少頭痛だけでも落ち着いてきたのでアップ

 さて、現在の日本に関して話をしてみよう。


 現在の日本の領域は広い。

 実質上、大戦前の水準に若干劣る程度、と言える程だが正直に言ってしまえば、現在の日本の国力からすれば過大と言ってもいい。


 1960年の悪魔の出現に対して世界は大きく変わったが、日本もそれは同じだった。いや、他の国以上に大きく変わったと言ってもいい。

 大混乱のこの時期、首相を請われたのは吉田茂。

 史実では衆議院議員ではあったものの、1955年成立した自民党にも当初は入っておらず、以前として政界の実力者ではあったものの第五次吉田内閣以降は閣僚に入っている訳ではなかった。

 しかし、この大混乱の時代、ワンマンの姿勢を周囲から批難される部分はあったものの、随一の経験と実力を持つ彼以外に人はいないとして、第六次吉田内閣が成立。

 この時、吉田は「最後のご奉公」との言葉を残しており、命を賭けた覚悟だった事を伺わせる。


 まず彼が手をつけたのは軍隊の早急な復活だった。悪魔出現に伴い保安隊(自衛隊の前身だった組織)を国防軍として復活させている。この辺りにはアメリカなどとのかなりの駆け引きがあったとも言われるが、その辺りはかなり不鮮明だ。

 確かなのはこの後から、アメリカなどからは積極的に日本の軍事力の活用を目論んだ動きをしており、「悪魔」への対抗手段として積極的に日本の戦力を活用しようとした思惑が伺える。

 いずれにせよ、当時はまだ旧軍の佐官尉官が多数生き残っており、さすがに将官に関しては復帰は一部であったものの、彼らを中核に急ぎ、軍を再構成したとされる。後に憲法改正にも手をつけており、九条を廃止しているが、これは九条の


 『武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』


 という文面が問題となった為だ。

 これを厳密に解釈すれば、「悪魔」に対しても会話で対応しなければならなくなってしまう。そして、一部の過激な憲法擁護派にはそう主張する者もいたのだが、後の無防備都市壊滅事件により彼らが一気にその勢力を減衰させた事もあり、割合すんなりと成立している。

 こうして成立した軍だが、結果的に対立も再燃する事になり当時は周辺各国との関係は前面的に良いとは到底言えない状態であった。また、前大戦時には内地同然として扱われながら、色々と捏造を繰り返し、好き勝手を行っているとして朝鮮との関係もかなり緊迫したものとなっている。

 しかし、後に台湾では国民党への台湾人の反攻と、その後の展開故に再度併合。

 シベリア共和国の成立によるソ連の分裂と、共通の敵対国家の存在故に関係が改善した事による千島列島の再取得。

 アメリカが必要な地域に部隊を絞った事による南方の諸島の管理区域の移管という名の押し付けなどがおきた結果、棚ボタで領域が拡大したとされているが、逆に言えばアメリカはベトナムなどへの深入り、防衛領域の拡大から手を引き、安全圏だった本国にも出現するようになった「悪魔」の群へと集中する事が可能になった反面、国の再建に勤しんでいた日本は突然広すぎる領域の防衛をしなければならなくなったとも言える。そして、事実、現在も日本はこの広すぎる領域の防衛に四苦八苦している状態だ。

 

 さて、現在の取り巻く各国との関係を説明しよう!

 朝鮮との関係は前に語った事があるので大体の所は省略する。

 次に中国本土を説明する。

 中国本土とは当初は関係は相当悪かった。当り前と言えば当り前だが。

 しかし、現在は大分状況が変わっている。無論、単純にあちらの都合の関係上だが。

 中国本土の内部分裂と国民党の四川占拠により、中国内部は三国志の時代へと移った。

 さすがに「悪魔」の襲来により直接の戦火は交わしていないものの、睨み合いは現在も続いている。そんな中で最初に日本との関係改善を図ったのは南中国であった。台湾が日本との共同での生き残りを図った為に、台湾に変わり日本が東に位置する状態となった。すなわち、北中国と国民党、更に日本に南には中国に良い印象を抱いていないベトナムという四方全て潜在的という状態に陥ったのだ。

 南中国側はこれらに順序をつけ、危険度から北中国→国民党→日本→ベトナムとした。

 その上で、日本とベトナムに対して関係改善を図った訳だ。具体的には国境や島嶼の多少譲歩しても確定を行い、双方と通商面で条約を結んだ。また、アメリカとも話し合いを進め、国内に対しても自由主義をある程度導入しつつある。全ては北とは違う、という事を示す為であり、戦力を集中させる為だ。

 これによって日本も南中国とは貿易を開始している。

 また、国境と島嶼所属の確定に関して条約を結んだ事で、双方とも戦力を「悪魔」関連(と対立国相手)に向ける事が出来るようになったのも大きい。

 これに影響を受け、渋々ながら改善を図ったのが北中国側だ。

 彼らとて周囲との関係は決して良いとは言えない。

 その国境線上においてソ連、シベリア共和国、モンゴル、南中国、国民党と接しているが、その大半と決して仲がいいとはお世辞にも言えない。

 特にシベリア共和国にとっては北中国のやり方がスターリンと重なっているのか仲が悪い。南中国とは言うまでもない。

 そんな中で次第に国力を取り戻しつつある日本の存在ははっきり言ってしまえば目障りだった。

 しかし、ここで更に敵対国を増やすのだけは避けたい。

 結果として、中立条約という形で南中国の条件を将来自分達が南中国と合併ないし併合した後も認める、といった事を基本に結んだ訳だ。

 本来、国際条約的には当り前の話なのだが、心底嫌々だったのが北中国側の本心を示していた訳だが、とりあえず日本との関係は多少はマシになった。少なくとも戦力を貼り付ける必要はなくなった程度には。

 もっとも、結果として北朝鮮からは不信を抱かれたらしい。

 朝鮮側は一環して北も南も日本には敵対的態度を示しているからだ。

 ……まあ、北からすれば相当な部分を中国に頼っているので、北中国が倒れると自分達も困るという面が多々あった事から黙っていたみたいだが。

 

 シベリア共和国側とは関係はいい。

 これはシベリア抑留から帰還した人々とシベリア共和国の重要人物らとのコネクションによる部分も大きいだろう。

 何せ、シベリア共和国の要人達とはスターリンらによってシベリアに放逐され、酷使されていた人々であり、シベリア抑留で厳しい強制労働を強いられた人々とは心情的な面でも共に労働する羽目に陥った面でも交流が実は多かったようだ。

 ソ連側はもちろん、双方の関係を悪化させる為に色々と手を打っていたようだが、ソ連中枢とその配下となって監視その他を行った共産青年部への憎しみはそれを上回った。

 結果として、独立後は迅速にシベリア抑留から帰還出来たし、そのままシベリアに留まって国籍を取得、共に戦うという道を選んだ者も多い。

 その為、分裂・独立当初より接触を積極的に行い、資源の開発と採掘、供給、加工など関係も深い。

 漁業に関しては双方の重なる地域に関して相互乗り入れを認め、また緊急時における相互救助や互いの港への退避に関しても条約が結ばれている。無論、互いに国家であるだけに色々と問題がない訳ではないが、今の所大きな問題は起きてはいない、というのが実情だ。


 最後に東南アジアだ。

 こちらは貿易面で順調に交易が拡大している。

 日本にしてみれば、紛争中の中国より北と南の双方との貿易の方が大きいと判断してかなり力を入れている。

 石油に関して、【オーガニック】のお陰である程度必要性が薄れたとはいえ(【オーガニック】の一部の選択機能には、宇宙船だけでなく工場や核融合発電所となれるものもある)、矢張りある程度の量は必要だ。

 中東からも一部賄っているが、東南アジアも有望な場所が多く、こちらも期待されている。 

 

 ……こうした状況をもたらした大きな要因であるのが【オーガニック】であり「悪魔」だが、昨今では一部の学者が新説を唱えている。

 【オーガニック】に工場や発電所へと変形といった機能がある事から、或いはこれこそが「神々」の本来の【オーガニック】の使い道だったのではないか、という事だ。

 すなわち、最初は宇宙船として宇宙を進み、目的地である殖民先へとついた後はその地での工場や発電所、或いは探索や開発に転用可能な万能作業機械だったのではないか、という説であり、一定の支持を得ている。

 それを真実とすると、「悪魔」とは必要なポイントを与える為の道具であり、何かしらの「神々」の思惑を達成させる為の誘導装置、と見る事も可能だ。

 じゃあ何故タダで与えなかったのか、という意見も出るだろうが……おそらく、「悪魔」という脅威がなかった場合、現在の世界は更なる大混乱に見舞われていたのでは、という意見も根強い。何しろ、「悪魔」という明確な脅威があってこそ現在の世界の状況は、人同士の関係は決して問題がないとは言えないのだから……。 


結構条約とか調べると色んな事が分かるもんですね

ちなみに、サンフランシスコ条約云々とロシアとか中国とか韓国で言われる事がありますが、この25条には


「この条約の適用上、連合国とは、日本国と戦争していた国又は以前に第二十三条に列記する国の領域の一部をなしていたものをいう。但し、各場合に当該国がこの条約に署名し且つこれを批准したことを条件とする」


という一文があり、調印しなかったソ連(国際条約的にはそれを引き継いだロシア)、中国、更に当時連合国と看做されなかった韓国にはあの条約云々を主張する権利はなかったりします。そして、「いかなる権利、権原又は利益も、この条約のいかなる規定によつても前記のとおり定義された連合国の一国でない国のために減損され、又は害されるものとみなしてはならない」とある通り、靖国に祭られてる戦犯云々に関する事も実はしっかり定義されていたり…… 

条約とかもそうですが、実際の現場とか実情はちゃんと把握しないと情報ゆがんで伝わったりしますからね

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