表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/144

19

後書きにてアンケートを行っております

よろしければご協力下さい

※追記:10日朝の投稿まで募集しております

~【黒田清美視点】~


 「…………」


 くるくると目まぐるしく周囲を確認し、跳ねる。

 彼女の機体は基本的に接近戦に対応していない。

 何しろ、大型のレーザーガトリング砲を装備しているのだ。正直、これで殴った方が手からナイフを出すより早いし、痛そうだ。

 まあ、幸いというか反発フィールドで跳ね回れる分、今いる「悪魔」より機動力が高いので何とかなっているようなものだ。

 

 「……でも」


 毎回同じように事が無事に終わるとは限らない。

 今回だってそうだ。本当なら自分は後ろから撃っていればいいだけだった、はずだ。最前線には教官達や先輩達がいて、「悪魔」もそれ程危険なものはおらず安全にポイントを稼げる、それが最初の予定だった。

 それがどうだ。

 肝心の教官も、盾として存在していたはずの先輩も軒並み撤退途上。特に先輩達は無線がないお陰で何の役にも立たない。

 残っている者にしても大抵の面々は学生時に優先して取るべきものを優先して取っているお陰で武装は貧弱なまま。破壊力や結果から言えば、ドカドカと撃っている笹木一人で他全員を上回っているのは確実だろう。というより、他の面々は威力にとぼしい初期装備のマシンガンをパスパス撃ってるだけなので、牽制程度の効果しか出ていないような気がする。

 そして、残念な事に予定外の事態というのは今回だけではないだろう。

 戦闘とは相手がいての事であり、「悪魔」は時に信じられないような裏をかいてくる。

 

 「……接近戦用の装備ももう少し強化すべきかも」


 そんな事を考えていると、視界の片隅で大規模な爆発。かと思えば、小規模な爆発。思わずそちらに視線を向ければ急上昇してゆく青い姿。

 一瞬援軍が遂に到着したかと思ったが、よく見れば同級生の機体だった。

 

 (紛らわしい)


 両親が軍人という事もあって、入学前から唾つけられた為に既に軍の制式色に染め上げられた機体を見ては、勘違いしてしまうではないか。

 特にこんな何時増援が来るかという状態では。

 八つ当たりだと理解していてもそう思ってしまう。

 

 『報告しておく。聞き流す程度に確認しておいてもらいたい』


 笹木の声が通信機から流れる、何かあったのだろうか?


 『先程の地上での爆発だが、あれは上空から【オーガニック】を追撃してきた「悪魔」の群がまとめて地上に激突した結果だ。【オーガニック】自体は寸前で逃れて無事。ただし、直後に低く降りすぎた為か地上からの攻撃を受け右肩破損。右腕武装使用不可なれど現状尚も健在且つ暴れているので心配無用』


 さらさらと感情の篭らぬ声で伝える。

 が、黒田自身はその声に僅かな苛立ちを感じ取った。

 頭の片隅で少し考え、おそらく戦線を構築している他の者が動揺したのだろう、と推測する。

 確かにあれは派手な爆発だった。高い所から突っ込んできて、立て続けに「悪魔」が地表に激突したというなら当然の話だが。

 が、そんな事を考える余裕のない自分や南宮ならばともかく、なまじっか少し下がってひたすら弾をばら撒いているだけ、逆に言えば自分達より周囲を見れるだけに爆発に気を取られてしまったのだろう。

 が、ただでさえ悪い戦況なのに、余計な事に気を取られて射撃がおろそかになったら笹木とて怒るだろう。

 枯木も山の賑わい、ではないが、ひたすら弾をばら撒いていれば、それなりに牽制になるのだ。幸いというか、【オーガニック】の武器は弾切れという事がないから昔の新人がやったという失敗のように引き金を引きっぱなしにして、あっという間に弾を撃ち尽くしてしまった、なんて事もない。というより、【オーガニック】の場合は阻止線を張る時は基本、引き金をずーっと引きっぱなしだ。あんな小口径弾ならこの程度の距離が離れていればまず装甲を抜かれる事もないし。「こっち来んな」という意味合いを込めているだけなのだから、あれでいい。

 まあ、自分の場合常に跳ね回っているので、引き金を引きっぱなしにしているとなまじ大威力なので危ない(万一射線に味方機が入り込んだらえらい事だ)からそんな真似をする訳にはいかないのだが。 

 

 「……この戦いが終わったら色々とやる事が増えそう」


 空中を跳ねとび、一気に「悪魔」との距離を詰める。

 この際、アクティブステルスをフル活用し、「悪魔」の探知を誤魔化し瞬間的に間合いを詰める。

 上空を通り過ぎがてら、南宮の背後から迫る悪魔の群にレーザーガトリングを叩き込み、うち二体をミンチに変える。

 目的は「悪魔」への牽制による背後からの不意打ちを防ぐ為なのでそのまま即座に離脱する。

 黒田の現在の役割はこれだ。

 何しろ、南宮が悪魔の群の真っ只中で暴れている為、笹木の支援砲撃もここら辺には加える事が出来ない。

 本当の軍なら南宮にも下がってもらって、複数の支援砲撃機による雨霰の砲撃を食らわせてやりたい所だが、そんな機体も余裕も何もない。むしろ、南宮には思い切り暴れてもらって「悪魔」の耳目をそっちにひきつけてもらった方がまだいい。

 その判断はいいとして、そうなると誰かが南宮を援護しなければならない。

 当然、笹木には無理、他の誰にも無理、という訳で黒田にお鉢が回ってくる。

 空中を跳ねる事が出来、南宮の至近に空から接近する事が出来、再び離脱する事が可能な彼女に。

 空を自由自在に舞える西坂は無理だ。

 彼には空の敵を一手にひきつけてもらうという、南宮同様恐ろしく厳しいミッションが待っている。敵の手強さで言えば南宮の方が厳しいだろうが、まだ支援を受けられる分を考えればどっこいどっこいだろう。けれども、彼にはそれをしてもらわねばならない。もしも、空の敵が地上へ攻撃を加えるようになったら……それ以上は無理だ。間違いなく、こちらの戦線は短時間で崩壊する。その時は自分も逃げの一手だろう。

 

 おそらく、その時には逃げ切れるのは一握り。

 笹木はあの様子からして、何かしら脱出の為の切り札でもあるのだろうし、ステルス機能をパッシブとアクティブ双方で有する自分も今の敵ならば逃げ切る事は可能なはず。

 けれども、他は無理。

 南宮も西坂も、或いは今頑張って撃っている同級生達も皆死ぬだろう。

 

 「……まあ、見捨てずに済むようやれるだけはやりましょう」


 微かな衝撃。

 どうやら弾がかすったようだ。

  

 「……とりあえず修理代ぐらいは稼がせてもらいましょうか」


 そう呟いて、彼女は再び跳ねて、「悪魔」の群へと突入していった。


今後機能が増えていくにつれてスキル相当とかがごちゃごちゃしてきそうで、少しロボットという事を考えて変えてみました。

よろしければ

①ロボット風ならこっちの方がいいんじゃ?

②前の方がいいと思う

で、ご協力願います


【黒田清美機】

武装

40ミリレーザーガトリングx1

高速振動ナイフx2


全高:14m

(頭頂部センサーを含めると最大16m)

装甲強度:1

最大出力:100GP

機動:反発フィールドによる跳躍

特記

アクティブステルス

対弾防御毛


「解説」

見た目は某ピーターな兎を思わせる外見という通常の【オーガニック】とは明らかに異なる外見を持つ機体

しかし、この毛は実は物理的な弾を受けた際には絡みつく事で威力を軽減させ、レーザーなどに対しては蒸発する事で威力を軽減させるという立派な装甲の一種

他ゲームでいうビームコーティング、レーザー蒸散塗幕などと同じだと思ってもらっていい

武装は大型のレーザーガトリング砲と初期装備のナイフのみ

反発フィールドによる移動能力の強化と、アクティブステルス(光学迷彩や妨害電波など自分から仕掛けて相手からの探知を妨害するものの総称)を搭載しており、正に兎のように戦場を跳ね回り、奇襲攻撃や偵察を行う事を得意とする機体となっていくはずである



【初期型オーガニック】

武装

7ミリマシンガンx2

高速振動ナイフx2


全高:14m

装甲強度:1

最大出力:100GP

機動:二脚による歩行/走行

特記

シェルモード


「解説」

全ての原型となる【オーガニック】

最初期型故に性能は高くない

全身が白一色であり、白というのは同時に最初期の機体である事を意味してもいる

シェルモードと呼ばれる防御に専念する事で内部を保護する特殊な形態をとる事が出来る

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ