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最後の一人

 さて、最後の一人だが。


 「……変り種ばかり期待されても困る」


 と、黒田本人は言っているが、傍から見れば彼女も十分変わっている、と思えるはずだ。

 いや、むしろ彼女の【オーガニック】こそぱっと見て一番変わっていると断言されるかもしれない。

 何しろ!見た目が兎なのだ。

 ……そう兎である。

 いわゆる某ピーターな兎をイメージしてもらえばいい。オリーブドラドに似た茶色がよく生えるふわふわの毛皮をまとい、ぴょんぴょん跳びはねながら攻撃を行うその姿はサイズこそ大きいものの、正に兎である。

 この機体、実はれっきとした索敵任務機体だ。

 外部記憶や探知は基本同じだが、まず探知妨害2Lvを取得し、光学迷彩まで取っている。

 これに移動強化を2Lv取得する事で、反発フィールドを用いた移動方法を取得している。

 ……とはいえ、外見や色彩などに都合30Pもつぎ込んでいる当たり、彼女も相当と言えるだろう。その分武装自体はシンプルであり、白兵戦闘装備は元からの高速振動ナイフのみ、射撃武装を強化し、4Lvまで上昇させてレーザーバルカンを装備している。

 この反発フィールドを用いた移動が兎のジャンプのような現象をもたらしている。

 最も反発フィールドの解釈自体は単純なもので、トランポリンのようなものだと思ってもらえばいい。これを空中に展開し、移動強化によって強化された脚部との合わせ技で空中を跳ねるという現象を引き起こす。移動強化1Lvで得られる車輪やキャタピラと異なり、道の状態に影響されず、河だろうが海だろうが関係ないという利点がある。

 欠点は地上より一定の高さまでしか展開出来ず、連続発動させて空を跳ね回る、という事は出来ない事だろうか?

 

 しかし、だ。

 結果として見た目服を着た兎が大型の銃を構えて跳びはねるという光景が展開される訳だ。

 これを見て「変わってない」と思える奴はいないだろう。

 通常の意味での【オーガニック】のイメージとはかけ離れている。

 

 「……今年は変わった人が多い」


 ちら、と視線を向ければ戦車のような形態へと変化し、撃ちまくっている【オーガニック】がいる。

 最前線に視線を向ければ、鈍器を振り回して暴れまわる紅い機体がいる。

 空には他とまるで違う異様な動きをする青い機体がいる。

 

 「……人それぞれ」


 無表情に近い顔に笑みが僅かに現れる。

 彼女が機体をこんなにしたのは彼女がペットを飼いたかったが飼えなかったのと、凝り性が原因だ。

 この時代、かつて程ペットを自由に飼う事は困難になっていた。

 何しろ、ペット達はシェルを展開出来ない。

 当然ながら飼っている場合はシェルモードの内部に取り込まねばならないのだが、何しろ密閉空間だ。最悪ある程度の期間内部に閉じこもっていなければならないのだ。大人ならばある程度自己責任だろうが、子供では結局世話は大人がやる、という事よりも子供一人で閉じこもらせる事が難しい為に親と一緒に篭る事が多い為だ。

 当然、家族で同じ空間に篭る為に起動可能なのは一機の【オーガニック】のみ。

 少しでも空間を確保する為には動物を下手に飼える訳がない。かくして、かつてに比べ子供の為に動物を飼うという事が減っている。

 それを残念に思っていた清美はふと気がついたのだ。


 「……【オーガニック】ってペットみたいなもの」


 という訳で彼女は【オーガニック】を可愛がりたいと思った。

 念じて念じて念じて……何時しか意志が通ったのだろうか?遂に【オーガニック】の姿が浮かんだのだ。

 が、初めて見た瞬間、思った。


 「……可愛くない……」

 

 それはまあ、【オーガニック】はあくまで兵器なのだから、そういうものを求めるのは間違っているのだろうと今なら分かるのだが。

 当時は本当にがっかりしたものだった。

 それが偶然から撃破した結果、外見をカスタマイズ可能だと知って……はまった。

 頑張って悪魔を撃破してはその一部を貯めて使い、少しずつ自分の思い通りの姿へと【オーガニック】を変えていった。

 将来的には軍に入る予定だったから、軍の規定もしっかりと読み込み、9割方が規定色であれば多少の色彩の変更も認められると分かった。

 そこでその規定色に似合うように色も調節し、今の姿が出来上がったのだ。


 「…………」


 黙って周囲を見渡す。

 元々チュートリアル的な悪魔、初期に近いタイプである事もあり、順調に優勢に事は運んでいる。

 唯一心配なのが空だったが、そちらも押しているようだ。

 これなら問題はなさそうだ……清美はほっと息をついた。

 

 「……これでまたカスタマイズが出来る」


 ぐ、と拳を小さく握り、気合を入れ直す。

 そう、上手くいっていた。この時までは。

 だが、世の中得てしてそういう時程、想定外の事態は起きるものである。

 

中途半端になれた時が一番危険だといいます

初心者は自分が下手だと理解してるから気をつけますが、なれてきたと思った時が一番危険だとか

注意が薄れ、反面それ程実際は上手い訳でもないから…

突発事態に対応しきれない訳ですね


『黒田清美現機体状況』

 【パッシブ】

  ・外部記憶機能

 【アクティブ】

  ・飛行機能:重力制御/慣性制御

  ・探知機能:Lv2

  ・探知妨害機能:Lv2

  ・通信機能:Lv1

  ・移動強化:Lv2

  ・射撃機能

    パワー:Lv4

 機体性能変更点:色彩その他

 その他便利機能(エアコン他)

 【残/総ポイント数:15/220】

 2機撃破

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