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 戦争はようやく終わった。

 しかし、西坂達の戦いは正確には終わらなかった。


 「……神々との戦いが終わった途端に今度は人類同士が険悪になるとは…」


 ぶっちゃけ色々な問題を「黒幕である神々と尖兵たる悪魔」という要因でもって強引に押さえつけて蓋をしていただけで、事態そのものは何ら解決していない、という状況だったのが現在の世界だ。

 蓋を押さえつける力である所の神々と悪魔の襲撃がなくなれば、当然蓋は弾け飛ぶ。

 しかも、本当ならばさっさと軍人を民間人に戻して、ようやく人類の発展を!と行きたい所だというのに分不相応な軍事力を持つ国が多すぎる。

 おまけに仲の悪い隣国がいる国は相手に対抗する為にある程度以上の軍事力を残さないといけない。

 

 それでも大国と呼べるだけの国力を持つ国は余剰分を国内開発に回せる訳だが、精々中規模国家だから余裕がないのに仲の悪い大国が傍にある国などは悲惨だ。向こうは軍人を民間人に戻し、着実に国力を増大させていくのに、それに対抗可能な戦力を維持しなくてはならない為に民間に戻す余裕がない!

 【オーガニック】は神々によって報酬として与えられた為にそのまま残ってはいるが、戦力として彼らを残す以上民間には戻せない。

 一部の国では内乱が勃発するなど、これまでに溜まりに溜まった膿が一気に噴出しかけた。

 これに慌てたのが大国と呼ばれる国々だ。

 幾ら自国は復興の兆しを見せつつあるとはいえ、閉じこもっている訳にはいかない。

 大体、ようやっとこれから宇宙開発が本格的になると期待していたのだ。なのに、これでは安心して宇宙に戦力を送り出せないではないか!

 国内や貿易相手の所で騒動が起きてもらっても困る。

 結果として、アメリカを主軸として宇宙軍を宇宙平和維持軍と呼称を変えて存続させたのだ。目的は一つ。


 『戦争を吹っかけた、或いは吹っかけるような真似をした国への懲罰』


 これに尽きる。

 直接殴っていなくても、「お前それ喧嘩売ってるようなもんだろう」「これ殴られても仕方ないだろう」というような状況が世の中にはある。

 故に直接殴っていない場合でも相手が反撃しそうな場合は、その前に動く訳だ。怒った後の反撃は苛烈なものになる可能性があるし、一旦双方が殴りあいを始めたらもう止めようがない。

 無論、事前に宇宙軍が殴る事を決めた相手への警告は出す。

 これで警告を受け入れなければ……という訳だ。そして、残念ながら実際に手を出す事になったケースもある。

    

 「まあ、仕方ないね、皆は元気にしてるのかな?」 

 

 笹木がのんびりとお茶をいれながら口を開く。


 「ああ、この間ゲンリフから結婚した、という連絡が来ていたよ」

 「そっかあ、ヴィルゲルムと彼はあの後地球に戻ってから、原隊に復帰したしね……」

 「仕方ないさ、幸い戦争にはなってない」


 ゲンリフの手紙の内容を思い出す。

 本当は結婚式にも呼ばれていたのだが、生憎時間の都合がつかなかった。

 行って帰って来るだけなら自分の機体なら問題ないのだが、かといって勝手にシベリアの上空に入り込む訳にはいかない。何しろ、ソ連との関係は現時点では緊張状態に留まっているが決して良い訳じゃない。そこへ無断で侵入してきた機体なんてものがあったらそれこそ大騒ぎになりかねない。

 そして、残念ながら通常運行のシャトル便では時間が足りなかった。

 

 「可愛い女の子だったよね」

 「ああ、ほっそりした触れなば折れん、って感じの女の子だっけか……巌のようなゲンリフだと余計にな」

 「あはは、何だか彼は同じようながっしりした女性好みかと何故か思ってたんだけどね」

 「そういえばそうだな……何でだろうな」


 送ってくれた写真では奥さんは本当に可愛らしい女性だった。

 しかし、何故だろうか……真逆のがっしりした女性がゲンリフの好みだと思っていた。

 だが……まあ、いいか。

 彼も幸せそうだし。


 「まあ、僕らも早く彼女が欲しいよね」

 「全くだ」


 俺達には未だ彼女がいない……。

 軍隊でも出会いがない訳じゃないんだが……。


 「……まあ、君も好みが変わってるとはいえ、こういう可愛いものが好きなら女性とは話合うような気もするんだが」


 笹木が少し呆れたように部屋を見回す。

 そんなに変だろうか……。

 まあ、でん、と鎮座している人サイズの兎のぬいぐるみは目立つかもしれん。

 部下が部屋に来た時は大抵ぎょっとするんだよな、アレに。


 「だけどな、何か落ち着くんだ、どこで兎を好きになったのかは分からないが」

 「……本当にどこかで好きな女性がいたんじゃないの?兎が好きな子とか」

 

 疑いの眼差しを向ける笹木に、西坂は苦笑を浮かべた。


 「まさか。ゲームでもあるまいに……」


 さすがに現実にあったなら早々忘れたりしないよ。

 そう言って西坂は笑った。

 ……忘却とは神の恩恵だという。

 何時かは悲しみも怒りも忘れ、再び立ち上がる事が出来るのだと……どんなにその時は哀しくても何時かは再び笑う事が出来るのだと。

 けれど……。


 果たしてそれは本当に祝福の類なのだろうか?

 その問いに答えられる人類は、もういない。

これにて終了

忘れられない、というのがあり、忘れたくないという事があり

けれど、忘れられるから人はどんなに悲しくてもどんなに怒った時でも、また歩めるのだと……


最初勢いで書き出したけれど、最後にだれてしまいました

それだけにこの作品には色々と思う所というか勉強になったというか……

ゲームの感じを出すにしても、もうちょっとはっちゃけたというかゲーム的な感じを出せなかったのが心残りです

他にも終わり方はあったと思いますが……正直ハッピーエンドにするかしないかは悩みました

まあ、ここの所こちらが止まってた理由のひとつは仕事の問題もあったんですけどね……上司との関係が悪化してるもんでストレスが……

所詮いい訳ですが

さて、ではとりあえず他への投稿してる作品もまた書いていかなくては

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