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 入学式は何時も騒動になる。

 正確にはその後のある式典の為に……。


 軍学校における入学式、それ自体は極普通のものだ。

 普通に校長や来賓のお偉いさんが長話をして、その間ずっと座っているだけの話だ。

 まあ、何分にも年齢が中学一年生相当の年齢故に、長話に耐えられず居眠りしてしまう者もいるのだが、そこ等辺はこの場合関係ないので置いておく。

 それに重要なのはその後。

 軍において最重要な【オーガニック】の起動である。


 【オーガニック】の起動、コネクトには対象となる【オーガニック】をしっかりとイメージする必要がある。その為には当然、自分自身の【オーガニック】という存在をしっかりと認識する必要があるのだが、ここで問題となるのは自分の【オーガニック】を見る事が出来ないという事。

 一番最初に与えられた時は全員が突然【オーガニック】に乗せられていた。

 その癖、破壊された家もビルも一軒もなかった。

 そうして、動こうとした者は再び元の人の姿に戻っていた。

 彼らは全員同じにしか見えない【オーガニック】の姿を目の当たりにし、それをイメージする事が出来た。ではそれを覚えていない者は?或いは知らない者は?

 その為に用意されたのが【オーガニック】最初期型の実物大模型だ。入学者はこれを用いてイメージし、コネクトを果たす。そしてそれと同時に軍学校ではある理由から厳重に警戒もされていた。この日が遂に来た新二年生も緊張した面持ちだった。


 「ではこれからコネクトを行う!」


 教官が新入生を前に説明をしていた。

 ただし、合計で十二名は別室に押し込められている状態だったが……。


 「ああ、何で僕らはここにいるんだろうね」

 「仕方ないだろう、あそこにいても私達は意味がない」

 「……うん、そう」


 ここにいる全員が既に【オーガニック】の起動に成功した者だった。

 その中でも特にポイントが突出している者が四名。

 一人は笹木清一。

 総計ポイント数685。

 元傭兵部隊所属の実戦経験も最も豊富な少年。その癖どこか穏やかな空気を漂わせている。

 一人は西坂弘智。

 総計ポイント数310。

 一人は南宮千代。

 総計ポイント数240。 

 凛とした空気を漂わせるようでどこか甘ったるい空気を持つ民間防衛隊出身の少女。  

 最後に黒田清美。

 総計ポイント数210。

 同じ年代でありながら幼げな雰囲気を持ち、とつとつとした喋り方をする少女。

 他が全員100ポイント以下という事を考えれば、最前線の大人達に比べればともかく、同年代としては突出していると言っていいだろう。無論、その中でも笹木のポイント数はさすがに海外で最前線を経験してきた、というべきか。二番目に多いポイントを持つ西坂と比べても倍以上のポイントを持っている。

 

 「まあ、何だよ。そろそろ俺らも準備しとかないと拙いだろ?」


 しばらく前まで自分もあちらで初めてのコネクトに挑戦している面々と同じだと理解しているだけに、ここにいる事に何とも言えない気持ちを抱いている西坂だった。実際、自分以外は一度ならず戦闘をこなしているはずだ。まあ、南宮に関しては初コネクトで自分同様それなりのポイントを稼いでいたはず、と思い返す。逆に言えば、自分と大きく経験が異なるはずではない、はずなのだが。どうにも漂わせる雰囲気がそうと感じさせない。

 

 「ああ、そうだね。そろそろこっちも準備しておかないと」

 「そうだったな。私達も此度は例外的に参加するのだったな……」

 「……教官達と上級生守って戦うって、変」


 正確には少し違う。

 正確には護るのは教官達の役割で、彼らに求められているのは普通に戦う事。教官達も一人を除いてそこまで戦闘経験豊富でない少年達に、手加減して「悪魔」を弱らせてくれ、というつもりはない。

 そう、この後に訪れるには決まっておきる「悪魔」の襲撃。

 まるでそれを狙っているかのように、いや、『神々』がある種の祝福を実際に与えているのだろう。一年の経験を積んだ二年生がポイントを稼いで、最低限必要な機能を自らの【オーガニック】に与えられるように……。

 毎年毎年、同じように同じタイミングで同じ事が起きれば馬鹿でも気づく。

 無論、一部の人間は「一度に大量のコネクトが発生する事が悪魔を刺激して、起きる」と主張しているが、一般的なのは前者だ。


 「ああ、コネクトが始まったようだね。そろそろ時間のはずだよ」


 そう告げて笹木が立ち上がる。


 「じゃ行くか!」


 西坂もこれが二度目の実戦。緊張しながらパン!と顔を叩いて気合を入れる。


 「ふふ、新たな血が流れる舞台の始まりだな」


 南宮が笑みを浮かべながら外に視線を向け。


 「……やる事をやるだけ」


 黒田がポツリと呟いて一足先に扉へと歩き出す。

 更に他の面々も或いは緊張に顔を強張らせて、或いはあれこれと喋りながら、或いはあれこれと手持ちを確認したりしながら一斉に動き出す。

 外に出れば、周囲の建物から次々と緊張に顔を強張らせて出てくる二年生達。彼らはいずれも今回が初陣となるのだから当然だ。

 新一年生の集団は更に二つに分かれて動く。

 四人は別に分けられた小集団へ、残りは大規模な集団へ。前者は三年生の中でも比較的ポイントを稼いでいるそれなりの腕利き達であり、後者はそこまではポイントを稼げていない大勢。大体100ポイントが分かれ目だ。


 『間もなく、新入生の初コネクトを開始します』


 その言葉と共に各自がコネクトを開始する。

 西坂もその脳裏に自らの【オーガニック】をイメージ。青い前よりも僅かにがっしりした雰囲気となった機体が脳裏に浮かぶ。

 空を飛ぶ、それ自体は前から経験を積んだつもりだ。

 通常用いられている飛行機能とは異なる自身の飛行機能は独自の動きと機動性を維持出来る。

 ドッグファイトが再び主体となった今の空での戦闘と、編隊を組む経験を積んでいない為に今回自分は僚機なしに飛ぶ。というより、三年生でも飛行機能を手に入れている者は僅かに二名しかいない。彼らの間に割り込んでも混乱しか招けそうになく、かといって教官達は新人の世話で手一杯。かつては悪手であった一人で空を舞い、撃破しなければならない、のに襲ってくる恐怖以上の興奮に笑みがこぼれる。

 

 『総員コネクト開始せよ!』


 新入生のコネクト開始より僅かに早く命令が下る。

 それと共にカラフルな色が学校に立ち昇った――。

 


『現スキル』

 【パッシブ】

  ・外部記憶機能

 【アクティブ】

  ・飛行機能:重力制御/慣性制御

  ・探知機能:Lv2

  ・空間断層

    レンジ:Lv2/数:Lv2

  ・マシンガン

    パワー:Lv2/数:Lv2

 機体性能変更点:装甲強化

 その他便利機能(エアコン他)

 【残/総ポイント数:5/310】



次回バトル

ここら辺もイベントとして、既にある程度規定路線…

ゲームのような感覚を子供が感じるのもそこ等辺です


大人との乖離もジョジョに書いていければいいんだけど

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