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沈黙。
誰もが押し黙り、進んだ先はただ白い世界だった……。
「……進んでいるか止まっているのかすらわからんな」
「モニターの数字上では相当な速度で突っ走ってるはずなんですけどね」
画面も統一された純白を映し出している。
比較するものが何もないから進んでいる気分がしない。
『よくぞ来た』
だが、その声が脳裏に響いた瞬間、全員の顔が一気に引き締まった。
そんな中、艦停止!の声が響く。
他のいずれの恒星間航行船も全てが停止した。
無論、誰かに命じられた訳ではない。艦長が緊急事態と見て命じたのでなければ艦が急停止するはずはなく、かといって緊急事態ではなく、司令官が命じていないのに艦隊が止まるのもおかしな話だ。無論、誰もその意味を見誤りはしない――艦隊は強制的に停止させられたのだ、外部から。
現在彼らが使っている船、その中枢部である機関は純度100%の【オーガニック】製だ。
もし、相手が神々を名乗る者達ならば、彼らから与えられたものを自由に操るシステムを組み込んでいたとしても……当然の話だろう。
事実、機関以外は正常稼動中だが、艦載【オーガニック】隊も同様に停止している。
……この事実を薄々察してはいた。だが、どうしようもなかった。未だ人類の手では【オーガニック】と真っ向やりあえるだけの兵器を作り出す事は出来ないのだから……。
「……我々をどうする気だ?」
『もう用は済んだ……帰るが良い』
「なに!?」
驚愕の声があちらこちらで洩れた。
それはそうだろう、何十年もかけてやっと到達してみれば、待っていたはずの当の相手は一瞬で「用は終わったから帰れ」ときたものだ。
納得出来るはずもない。
思わず、といった様子で荒げた声が複数洩れかけた時、その機先を制する形で新たな声が響いた。
『どうやら納得いっておらぬようだ』
『よかろう、礼として話をしてやろうぞ』
完全に上から目線。
腹は立つが、どうにもならない。主にというか完全に物理的な面で。
そうして、神々は語る……。
『我らはお前達の未来の可能性の一つである』
無論、ここで言うのは可能性としての一つ。
別にこの世界の地球の未来が彼らとなった訳ではないし、なるとも限らない。ただ単に一つの惑星の住人が神々となった、それだけの意味ではある。
だが、同時に【オーガニック】の説明にもなる。
最初から彼らがこうであったのならば、あんなものは必要ない。発想そのものが浮かばないだろう。
「必要は発明の母」とも言うが、必要と思えばこそ考え、作り出す。
【オーガニック】が使う全ては……無論、他から奪ったという可能性もゼロではないが、そうであったとしてもそれを求めればこそ、だ。【オーガニック】の全ては神々がかつて未だ今のような力を手に入れていなかった頃から積み重ねてきた歴史でもあるのだ。
『そうして、我らは遂に今に至った』
『そうだ、不老不死も何もかも、かつて人が夢見た全ては成し遂げられ、飢えるものも病に苦しむものもいなくなった』
『全能感、そして事実全能に等しい力を得たと言って差し支えなかったであろう』
不老不死を人類の夢と語る言葉がある。
誰も飢えず、誰も苦しまない世界。誰かから奪うのではなく共に幸せになれる世界を理想とした言葉がある。
それらを実現した世界。
人類にとっては未だ見果てぬ世界を唐突に語られ、困惑する空気も強い。だが……。
『しかし、それこそが我らが汝らに【オーガニック】を与える原因となった』
その言葉に一気に緊張は高まった。
終わりまで後少し
終わったらとりあえずワールドネイションを……どうしよう、盆にある程度連続アップ出来るだろうか?
ある日突然にも完結させたいし……




