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 精神が磨り減るような日々が二週間余り。

 それが回廊を抜けるまでに要した時間だった。

 全員が全員消耗し、それでも何とか攻撃をどの艦も行う事なく乗り切れたのは矢張り精鋭だったという事だろう。……無論、各艦で耐え切れず暴れた人間が幾人か出ていたのは確かだが。

 そして辿り着いた先は……。


 「なんだここは…」


 誰かの口からそんな声が洩れた。

 そこには陰があった……。

 幾億幾万もの無数の陰。

 精々人サイズのそれらが純白の空間に無数に浮かび、けれども巨大な恒星間航行船が当たっているはずの航路を取っていてさえピクリとも動かなかった。

 いや、あたりさえしなかった。


 「……物質じゃない?」

 「或いは存在している次元が異なるのかも……」


 ……昔、戦場でそんな会話をしていたら本気で頭がおかしくなった事を疑われただろう。

 けれども、現在は至極当り前のように大真面目に参謀達がSF小説に出てくるような事を話している。

 ……しかし、もっと問題なのはそれが実際にありえる現実なのかもしれない。


 『よくぞ来た』


 突然の事だった。

 脳裏にそんな声が響いたのは……。

 

 「「「「!?」」」」


 頭の中に響いたとしか言いようのない声に誰もが驚いたように顔を見合わせる。

 

 『ではこれより』

 『最後の試練を開始する』


 一方的に通達する声に慌てて幾人かが声を上げる。

 無論、咄嗟なのでそれぞれ別々だが……。

 生憎、それに答えてくれるようなやさしい相手ならそもそもこんな形の試練なぞ与えはしないだろう。完全に無視されてしまう。

 そして……。


 「……えっ?」


 その瞬間。

 誰もが目を疑った。

 それは当然だろう、艦内の至る所で胸から剣の切っ先が飛び出した人間が続出したのだから……。

 ある者は男だった。

 ある者は女だった。

 ただし、一つだけ共通点が……。


 「!か、艦内にて死傷者多数同時発生!?」

 「いやあああああああっ!」

 「ぐ、軍医を呼べ!!」


 艦橋でさえ何人もの人間が血を吐いて倒れていた。

 そして、それはもちろん、艦載【オーガニック】隊の待合室でも……。この時、艦載【オーガニック】隊は全員が即時待機状態で集まっていた。故にその被害の大きさを目の当たりにした、という意味では最も影響を受けたと言えるかもしれない。


 「……えっ?」


 そして、そんな中の一人。

 黒田清美少佐がこふり、と血を吐いて……倒れた。

 

そんな理由の為に!そんな風に思ってもらえるような結末を考えてはいるんだが……まあ、納得してもらえるかどうかはまた別だとは思う

とりあえずあと少し……

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