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100

おお、はや100回……

時が過ぎるのは早いものです

 たまにはこんな日もいいもんだ。

 一期生達も本気でそう思う。

 地球の海とはここは違う、塩でべたつかないから超広大なプール感覚で泳ぐ事が出来、飲んでも美味い。

 もちろん、地球にだって広いプールはある。

 けれど、さすがに水平線の遥か彼方にまで広がるプールは存在する訳がない。ある訳がない。

 しかし、同時に……。


 「……うーむ」

 「いや、そりゃまあ、理解は出来るんだが」

 「……納得出来ないよな」


 一部の男性陣からは不満があった。

 ぶっちゃけてしまえば、この星にあるリゾート施設は四箇所。

 一箇所は家族、カップル向け。

 一箇所は男性向け。

 そしてもう一つが女性向け。

 ……最後の一つが何かと?同性カップル用に決まっている。両方の意味での。下手にそっちで問題が発生するよりは、という事らしい。

 もう分かったであろう、ここにいるのは一期生残存十三名中、八名。

 全員が男性である。

 西坂と黒田は女性陣推薦でカップルコース、ナターシャとゲンリフも同じく。

 地球の傍では国が煩い二人だが、ここではそんな可能性もない。今頃、普段抑えているだけに甘々な状況になっているだろうと推測出来る。見た目はかなり迫力のあるカップルだが(何せ二人が二人共男性女性どちらで見ても大柄な上逞しいのだ)、二人共(こう言っては失礼だが)普通以上に甘える時は『砂糖を吐く』というのを実体験しそうな甘え方だからだ……。

 地球に婚約者のいるセシリアは女性用。

 おそらく帰ったら結婚する事になる可能性が高いし、当然と言えば当然だろう。

 以上の五名を除いた男性陣がこの男性用リゾートに放り込まれている訳だ。

 そして、基本ここにいるのは軍人ばかり。

 鍛え上げられた、悪い言い方をすれば暑苦しいガチムチの肉体が視界を埋め尽くしている。正確には広さと地球の感覚から言えばガラガラと言っていい密度なのだが、感覚がそう錯覚させるのだ。

 

 「……ふう、何だね、ここは落ち着くよ……」

 「ああ、全くだ……」


 ……訂正、一部例外もいるようだ。

 そう呟いたのは地球では女性関係に悩む二人、マリークとラービフだ。

 『アライアンス』の中なら追われないのでは?などと思うなかれ。

 超お金持ちの二人の婚約者候補達からはしょっちゅう高い金が払われてのメッセージが届くのだ。おまけに返信代込みで。

 お陰で、しょっちゅう返信の中身に頭を悩ませる二人が見られる事になる。


 『一回辺りドルで百万はかかってるはずなんだが……』


 通信課から妙な顔をされた事は一度や二度ではない。

 本来、むやみやたらと通信を占拠されない為の臨時通信時の価格設定であり、一定期間ごとに待てば普通に通信を行う権利と時間が設けられている。あくまで、『本来のとは別に臨時に通信を送る場合』の話なのだが……百万ドルが大金ではなくお小遣いレベルならやる者もいるという事だ。

 しかし、さすがにここにはそれも追って来ない。

 お陰で、二人は心底くつろいでいるらしい。ここでもし、何らかの通信というか放送が為されるとしたら緊急出撃の時のみ。さすがに本当に極稀なリゾートというか、休養の場所に例え身内からであっても何かの通信で呼び出される事はない。地上なら通信が優先されるかもしれないが、ここは宇宙の大海原の真っ只中。

 全てから解放されて、ゆっくりする時間も時には必要だ、という事になっている。

 この他にも地球に戻れば婚約者がいるアルバートや、堅物のヴィルゲルムは一期生の中でも素直にリゾート施設を楽しんでいるようだが……。

 ラルフ、カルロ、ギュスターブにアルフォンス。

 以上の四名は普通に女性に興味のある男子なのだ。なのに、周囲は男ばかり。

 せめて、男達全員がそうならまだ諦めもつくのだが、一期生中二名は女性と一緒。まあ、あちらはあちらで下手に他の女性に目移りしたら酷い事になりそうな気はするが、女っ気皆無の面子からすれば羨ましいとしか言えない。

 持たざる者は持つ者を羨む。

 それはどの世界、どの分野でも起きる事なのだろう……などと真面目くさって言った所で所詮は「女の子と一緒に遊びたい」という事に尽きる訳だが。

 しかし、女性陣の島もカップルの島も水平線の向こう側。

 泳ぐにしても、どっち方向にある島かが分からない。あてもなく泳ぎだした所で辿り付けるか分からず、最悪海の藻屑となるだけだ。

 ……普通ならば。

 ならば、普通ではない手段を取ればいい。



 ◆◆◆



 ……盛り上がる四人に気づいている者は当然いた。

 

 「どうする?」

 「ほっとけ、一回やりゃあ分かるさ」


 ……同じ事を考える者が他にいてもおかしくはない。

 だが、やる人間はいない……それが何故かを彼らはもう少し考えるべきだっただろう。

 

 

今回はちょっとドタバタ風味のお話

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