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ワールド・ネイション共々感想もお願いします

 「……やっと終わった」


 想像以上に長かった!

 それが全員の正直な感想だ。

 もちろん、シミュレーションで同じ程度の長さの訓練を体験している訳だが、やはりシミュレーションと実戦は感じる緊張が違う。

 どんなに臨場感があっても、どんなに指揮官達が真剣になろうとも、前者は所詮命の危険のないある種のゲームであり、後者は僅かな油断が即命の危険へと繋がる。事実、今回の一戦で戦死者が合計で五名発生している。現代の戦争に慣れた我々には「少ない」と感じるだろうが、これが全て歴戦中の歴戦であり、太陽系内までの戦闘ならば十回の同規模戦闘を一人の欠員もなく勝利してのける、だろう、となれば多少は多いと理解してもらえるのではないだろうか?

 いずれにせよ、これが外宇宙での戦争であり、予備部隊から補充が為されて既に欠員は埋められている。

 と、同時にこうして集まっている一期生達にとって重要なのは一つ。


 「……アルフレートが、なあ」


 欧州連合より派遣されていた一期生メンバーの一人、アルフレート・エーバーの戦死という現実だった。

 五人の死亡。

 数字にすると簡単だが、一個連隊の通常配属メンバー数は百二十名。

 死亡率は一割に見たず、四パーセント程度。死ぬ確率は二十人に一人に僅かに満たない程度。

 しかし、逆に言えば十五人の幾ら鍛えていても、鍛えられていても経験の少ない一期生メンバーの中に死者が生まれた事は決しておかしくない事であるとも言える。それに全員が気づいたのだ。

 自分達が地球へと戻るのはまだまだ先の話。

 そして、その間、今後一度も悪魔と戦わずに済むという可能性は極めて低いだろう。間違いなく、この後も戦いがどこかで発生するはずだ。 

 そもそも、今回はまだ余裕があった。戦場に突入したのは一個連隊のみであり、一個連隊は『アライアンス』の護衛に、二個連隊は最後まで待機だった。もっと激しい戦闘、第一種待機の一個連隊の追加出撃や、全連隊の強制出撃という激戦だって発生するかもしれない。

 そんな中でどれだけの戦死者が発生するのか。

 

 「……地球への帰還率、どんだけだと思う?」


 カルロがぼそり、と呟いた。

 西坂と黒田を巡って対立する部分はあるとはいえ、普段は陽気な男だ。

 その男が暗い声を上げている。それだけ仲間を失った事が堪えているのか、いや、それだけではない。


 「……どう考えてもまだ死ぬ奴が出るんだろうな、この中から」


 アルバートの呟きに皆が黙りこくる。

 国同士の対立は誰もが理解しているし、母国に帰った時にそれとなく煽ってくるような奴もいる。

 とはいえ、十五人しかいない同期で一緒に戦い、学んできたのだ。個々人の細かい対立はあれど、本気で仲が悪い訳ではない。これがもっと人数が多ければ、それこそ普通の学校みたいに百人二百人といれば、それらを担当する教員が数名程度であれば互いに知らない相手も増え、派閥や知らない故の無理解が生まれ、教員の目が行き届かない故に衝突も生じるだろう。

 けれども、僅か十五名に過剰な程の超一流の軍人である教官達がついている訳だ。

 これでは対立が発生しても小さな内なら仲間内で納まってしまうし、ちょっと深刻になりかけても一人一人に大人の目が行き届いている為にすぐに対応が為される。

 ましてやちょくちょく本当に比較的安全にとはいえ、命がけの戦闘が起きる訳だ。本気の対立が発生する余地がない。

 カルロと西坂とて、その対立の理由を二人共理解しているし、周囲も分かっている。普段多少憎まれ口を利いた所で、戦闘では互いに背を預けて戦える間柄な以上、それ以上文句を言うような事でもない。

 そんな仲の良いメンバーだからこそ、この内の何人かが間違いなく死ぬのだろう、という未来予想には暗くならざるをえない。

 悪魔との戦闘。

 長く続く、神々を名乗る相手からいきなり命じられ放り込まれた戦争。

 言葉では理解していても、例えば西坂のように母を失った経験を持っていたりするような経験がなければ実感を持っていた者は限られていただろう。

 そして生憎、西坂と黒田がむしろ例外で各国から選ばれたある意味エリートである彼らはそんな経験なぞなかったのだ。


 初めて知った親しい間柄の人間の死。


 それも、老衰や病死、事故死といったものではなく、悪魔との戦闘による戦死。

 それが彼らにやっと本当の意味での死というものを実感させていたのだった。

 

 「……考えていても仕方ない。とりあえず」


 葬儀の支度をしよう。

 母を失った経験がある故に多少耐性があった西坂の言葉に、皆も気づいたように次々と立ち上がる。

 この後、連隊合同の葬儀があるのだ。

 最も、彼らの遺骸などありはせず、棺に収められているのは彼らの愛用の衣類が身代わりのように一着だけだが。

 残る一部は地球に帰還後に遺族に渡される為に保管され、一部の遺言のあったもの「もし、亡くなった時は誰それにこれこれを譲ってやってくれ」というものがあれば渡される。

 しかし、一期生達は実感がなかった為にそんなものはない。

 初めて、そうした事を直視した一同だった。


 「……お前は死なないでくれよ」

 「……そっちこそ」

 

 そっと寄り添う西坂と黒田だった。

 

……ふと意識が飛んで目が覚めたらもうお昼

疲れが溜まってるなあ、と自覚する日々です

左肩と膝に違和感というか痛みというか、そういうのを最近感じるんですよねえ……

一度針とか整体とか試してみた方がいいんだろうか?

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