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上位悪魔の艦が判明したのはあれから間もなくの事だった。
最大の要因を挙げるならば、矢張り大型艦その1を片付ける事に成功した第一大隊が梃子摺っている第二大隊に加勢した事だ。
これによって遂に分離を開始した大型艦その2に対して、即時戦力を集中。
一気にゴットフリート大佐揮下の下、連隊が襲い掛かる。
……全くの蛇足ながら、『アライアンス』艦載の【オーガニック】は四個連隊、予備や連隊長大隊長直属の中隊小隊も含め総数500を超える。
この内、通常は二個連隊が出撃し、一個が攻撃、一個が防御、残る二個は戦闘待機、という形になる。
最悪の場合は出撃するが、連戦になった場合に備えて基本は二個連隊が常に待機という名で戦闘には加わらず休ませる訳だ。そういう意味では、今の人類側には多大な余裕がある。
……まあ、予備兵力も全てつぎ込んだ総力戦などやりたくないが、それでも起きる時は起きる……。
『全機突撃せよ』
淡々と告げる口調が逆に怖い。
ゴットフリート大佐、本気になったら無表情で怖いんだよな。
まあ、実際には感覚が超加速されてるせいで、結果的に顔に表れなくなるらしいんだけど。
怒りの感情を発しても、現実では無視出来るレベルの一瞬の間。
そのレベルになるせいで、頭の中では無数の感情が飛び交っていても外側から観測すれば……やめよう、とにかく戦闘時は無表情になると知ってればいいんだ。
もう、直接指揮下の中隊も攻撃に加わっている。
理由は単純、この状況でなら細かい指示は不要だからだ。
大隊全体の指揮を執らなくても、各個のペアが個別に攻撃すれば事足りる。いちいち指示を下さずともこの程度の状況では自発的に動けるような連中じゃないと、当の昔に戦死している。ここでこうして戦っているという事はそれが可能なレベルにまで機体を強化出来る程にポイントを稼いだ、という証であり、ポイントをそれだけ稼げたという事はそれだけ歴戦の兵士だという事でもある。
よく、精鋭部隊に新米が地球の物語では配属、なんて事があったりするが……【オーガニック】にはそれは、ない。
例え、最初にラッキーで強い機能を手に入れても……まあ、自分の事なんだけど、それだけで宇宙で戦える程、この世界は甘くない。
100ポイントやそこらは、これから軍人になる、って子供が稼いだポイントとしては凄いが、宇宙で戦うには到底足りない訳だ。
だからこそ、戦死者が減る。
無謀な挑戦をしようにも、未経験者を箔付けに送り込もうにも、書類のミスがあったとしてさえそもそも参加出来ない。
そういう意味では神々の与えてくれた【オーガニック】は実にありがたい機体だと言えるかもしれない。
……ここに、こうしていられる時には既にそこで戦えるだけの力を手に入れているのだから。
『!上位悪魔が出てきたぞ!!』
『どんな奴だ!!』
『がッ!!』
『ストーム3がやられた!まるで雨みたいな砲撃だぜ!!』
どうやら出てきたようだ、本命が。
さすがに一期生より上の人間がこれだけいるとタマネギの皮を剥くのも早い!
転送された画像を見る限り、前回のそれよりもずっとデカイ。
《人間達よ、この星系より立ち去るが良い》
はいはい、言われずとも立ち去る予定ですよ、っと。
強制通信介入で流してきた通信。
神々がある程度のメッセージ、特に警告は自動的に受け入れるよう細工してるんだろうな、とは思う。
けれど、まずはお前を倒してからだ!!
と、気負ってはみたけれど。
雨みたいな砲撃というのは冗談でも何でもない。本当に雨みたいに物凄い砲撃だ。
巨体を誇る上位悪魔は全身に目みたいな模様がある。その目から攻撃を行っている訳だが……何百?それとも何千?
近づけばそれだけ密度が上がる。
一番近づいた機体からの映像を見る限り、こっから見える目よりも小さな目があの隙間にもあるらしい……あれ模様じゃなく目みたいな発射孔か。
って事は近づけば更に微細な目が見えるって事だろうか?
……うげ、こいつ光学兵器を放つ目玉の集合体って考えた方がいいんじゃないか?
余りビジュアル的には想像したくない外見じゃある。
『こいつは近接は危険だな……重砲撃で対応しろ!!』
この間、『アライアンス』は何をしているかと言えば、距離を詰めて他の中型艦三隻(あれから大型艦その1が潰される前に第三大隊がもう一隻アライアンスと共同で沈めた)を相手どっている。
お陰で、奴らはこちらに介入出来ないでいる。
まあ、裏を返せば『アライアンス』もこちらを援護出来ない訳だが。
重砲撃、なんて言ってるが要は強力な遠距離攻撃手段を持つ奴を中心に攻撃を組み立てろ、って訳ね。順番に目を潰していく訳か。
……まあ、とりあえずは頑張ってまだまだ残ってる、未だ解け続けてる大型艦その2の残骸を潰しますかね。
長々続いたけど、明日は終わった後から予定




