表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/144

96

■視点:西坂


 敵艦隊へと到達した艦載【オーガニック】隊は各ペアごとに別れ、攻撃を開始する。

 連隊は三つの大隊よりなる。

 この三つの大隊を各艦へと振り分ける。これ以下になると危険が一気に増すからだ。

 各大隊の指揮は大隊長が執る。

 連隊長の役割は大隊長から上がってくる情報を分析し、更に全体を見て指示を出す事が仕事。最前線に単機で突っ込んでいく事はその役割ではない、すなわち……。


 『どうした?暇か?』


 どこかからかっているような声だった。

 

 「いえ、そんな事は」


 自分を含めた一個中隊の【オーガニック】がいずれの艦からも離れた場所で遊弋していた。

 とはいえ、暇じゃないのは本当だ。

 周囲への警戒は怠れない。何しろ、他が一個大隊で連携して動いているのに一個中隊がポツンと孤立した状態にあるんだ。

 悪魔達が群がってきたら……そう思うと思わず喉が渇くし、周囲への警戒は怠れない。……これまでにも幾度も戦場に立ったけれど、こんなに緊張したのは何時以来だろうか?

 これ程周囲に何もない戦闘というのが怖いものだとは思わなかった。

 地球の時には大地が常にそこにあった。

 月面の時はすぐ近くに巨大な地球が、月が画面をはみ出す程に巨大な姿を見せていた。

 ……こことて星系の中だ。

 蒼く輝く恒星は見えている。……でも、それだけだ。

 惑星は傍にはない。

 拡大すれば見えるだろうが、画面では他の地球の上でのように瞬きもせず光るだけの点にしか見えない。

 今、この星系の惑星を示せと言われても答えられない自信がある。

 覚えようと思えば、外部記憶機能によって覚えられるだろうが、それは意味がない。きっと、この星系に来る事はもうないのだから……悪魔がこうして襲撃してきた情報はすぐに他の二隻にも送られ、今後地球の船がこの星系に立ち寄る事があるとしたら事故か、悪魔が消え去って資源探査に訪れるかのいずれかだろう。

 そんな中に漂う【オーガニック】……。

 今、この場でこうして漂っている事に意味があると分かっていても、ただ戦っているだけの方が気楽に思えてくる。


 指揮を執る為にゴットフリート大佐はこうして直轄の一個中隊を率いて戦況を監視している。

 動きを確認し、もし、どこかの大隊が窮地に陥ったら、或いは上位悪魔の位置する敵艦を見破る為に、だ。

 自分自身も動き回りながら指揮を執る。

 これは非常に難しい。

 運転しながら、同時に他の車の運行状況も見て、場合によっては指示を下す。それも一台二台どころではなく、何十という数をだ。

 まあ、ざっとでいいなら可能かもしれないが、普通無理だろう。

 ゴットフリート大佐自身もそれやる自信がない、というか、指示がいい加減になるのを怖れてこうしているらしい。自分が落とされない自信はあっても、部下が自分のいい加減な指揮で落とされる危険が高まるのは我慢ならない、という事らしい。


 ちら、と画面を見る。

 ……まあ、ある意味指揮官の勉強にはなる。

 もちろん、ゴットフリート大佐が指揮と監視に専念出来るように、周囲の中隊はしばしば近寄ってくる悪魔達の迎撃を行っている。

 それは自分とて同じだ。

 だが、今現在悪魔艦隊に攻撃を仕掛けている他の大隊に所属して、絶賛戦闘中の面々に比べれば状況はずっと落ち着いている。

 現在、第一大隊と第二大隊は共に大型艦へと攻撃を仕掛けている。

 第三大隊は『アライアンス』に最も近かった中型艦に攻撃を仕掛けているようだ。

 ……自分でぱっと見る限り、第一大隊はハズレだろう。

 次第に敵艦の戦闘力が落ちていくのが傍で見ていても分かる。

 最も擬態の可能性もあるから、機関部が落ちるまでは攻撃を続行するらしい。実際問題として大型艦の攻撃力は高いから潰しておいた方がいい訳だし。

 では、第二大隊は?

 ……こちらは判断が難しい。

 潰すのに成功したのがまだ第二砲塔のみ。これでは判断しづらい。

 その原因はこいつが多くの艦載機を保有する戦闘空母的な艦だったからだ。

 ……これが普通なら、艦載悪魔を射出するのは艦のどっかに空いた穴でも宇宙なら何とかなるかもしれないが、甲板上に砲塔持ってきてどっから砲弾を持ってくるんだ、どっからエネルギーを引っ張ってくるんだ、と言いたくなるだろうが、それを言ってしまえば【オーガニック】はそもそもこの小型の機体で弾数無制限だ。そして、悪魔と【オーガニック】を作ったのは同一の存在。つまりそういう事だ。旧大戦時の空母の甲板にどこにも繋がってない砲塔くっつけても、やつらなら平然と主砲を連射しそうである。

 邪魔が激しい為、こちらを識別するのはまだ時間がかかるだろう。そして、第三大隊は……。


 「ッ!」


 強烈な閃光!

 無論、調節され眩しいと感じないようになっているが、あれは……第三大隊が攻撃していた中型艦が墜ちた、のか。

 どうやら最も『アライアンス』に接近していた艦を狙ったのは『アライアンス』の支援も計算に入れていたようで、第三大隊の攻撃でシールドが弱った所を『アライアンス』の砲撃が貫通。轟沈に至ったようだ。

 もし、あの中に上位悪魔がいれば艦隊は撤退するはずだが……どうやら違ったようだ、第三大隊は残る四隻の中型艦の一隻に襲い掛かっている。

 まだまだ戦闘終結には時間がかかりそうだった。

  

戦闘シーン続行中

……色々試しております

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ