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宇宙空間を舞う機体。
しかし、人類が【オーガニック】を繰り出しているのに、それを黙ってみている馬鹿はいない。当然だが、悪魔側も迎撃を出す。
『敵機接近!数多数!!』
『迎撃は最小限!後方の艦隊へ抜けろ!!』
……敵機とはいえ、太陽系近傍で遭遇した悪魔とはサイズが違う。
地球で遭遇した連中と比べれば爆撃機サイズの大型悪魔に分類されるだろう。
そんな連中が宇宙空間を戦闘機のような高機動で動き回ってこちらへと群がってくるのだ。それも「多数」と称されたように数は膨大。
さすがに敵が七に宇宙が三、なんて事はないがそれでも相当な密度だ。これを全く相手せずに向かうのはさすがに無理だ。けれど……。
「……悪魔艦隊旗艦は攻撃すればほどける訳だし」
さっさとそれを見つけなければならない。
何より、他の【オーガニック】は全機すり抜ける腹で攻撃最小限に突破していくだろう。そんな中、のんびり撃破なんぞしていたら本気で置いていかれる。
悪魔の群れの真っ只中、そんな所に単独で置いていかれたらそれこそ死ぬ。僚機と連携して突破していかなければ……。
外宇宙では太陽圏内より死者が多い。
それを実感させられる光景だった。
■視点:『アライアンス』
「艦載機部隊、全機発艦終了!」
「護衛部隊を除いた全機、敵艦隊に向かいます」
うむ、と艦長が頷き、鋭い視線をスクリーンへと向ける。
砲撃は現状、特に指示する必要がない為に砲術長が指揮を執っている。
「照準よし!」
「撃て!」
再び砲撃が伸びていく。
間にいる小型の悪魔達を一瞬で消し飛ばしながら、敵艦へと伸びて行き……シールドに弾かれる。
内心で舌打ちし、しかし、表には出さない……何時もの事だからだ。
「艦載機部隊はどうだ?」
「二機撃墜されました。しかし、残る部隊は突破に成功!」
二機か、と一瞬考える。
少ない方だと瞬時に割り切る。
外宇宙ではこの程度の損害は常に起きる。ただ単に回避しきれず激突しただけでも、相互が桁違いの速度で移動している為に破壊されてしまうのだ。
……当然、そうなった時には生存は期待出来ない。
遺体の回収も無理だ。
猛速度で激突、弾き飛ばされた【オーガニック】は奇跡的な確率でもなければ中の人間は生き残れず、かといって戦闘終了時に回収可能な位置、最低でも通信が通じる位置に残っていなければ最早助かる可能性は存在しない。
だからこそ、宇宙へと飛び出す部隊の着用するキットには毒物と拳銃が載せられている。
太陽系内までは載せられていないこれらが載せられているのは、それだけ宇宙での生存の厳しさを示しているとも言える。
そう考えた時、激しい揺れを感じた。
「何事だ!!」
「敵艦隊より自爆型の突撃を確認!」
今度こそ舌打ちが洩れた。
自爆型とは、外宇宙で遭遇する悪魔の一種であり要は生体型ミサイルだ。
おそらく、先程発進し、こちらに迫っていた悪魔の群れの中に混じっており、それが護衛部隊をすり抜けたのだろう。
もっとも、ある程度仕方のない面もある。護衛部隊はどうしても数が少なめであり、自爆型の全ての迎撃など不可能なのは理解している。問題は……。
「シールドが破られたのか?」
「いえ、艦橋近くへの着弾となった為に揺れを感知したものの、シールドは無事です」
そうか、とオペレーターに返す。
そのやり取りで、艦橋に落ち着きが戻った事が分かる。衝撃に僅かに動揺が見えていたからだ。シールドを破られたとなれば『アライアンス』が沈む危険すら出てくるのだから当然だが。
(頼むぞ)
表面上はあくまで落ち着き払ったまま、艦長は心の内で呟いた。
宇宙戦です




