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初回限定!とか胸がわくわくするというか、つい手が伸びたりしません?

 「あははははははははははは!!!」


 気持ちいい!

 これが空なんだ!!

 弘智は思わず笑い出していた。

 空を舞い、空を駆け、切り裂き叩き撃ち抜く。

 自由自在に三次元機動を行い天空を駆ける機体を操る、初めて空を翔る人としては異質な程の適応性でもって彼は空を舞っていた。



 ………

 「凄まじいな、これは。さすが君と彼の息子さん、というべきなのかな?」

 「……いえ、それは」

 「分かっている、冗談だ」


 どことなく呆れたような口調で司令官は書類を机の上に投げ出した。

 そこには異常な数字が上がっていた。


 「うちのメンバーが調子を崩して、機械が一斉に壊れたと思いたい所だよ、これは」

 「……所詮、シミュレーターはシミュレーターです」


 司令官は目の前の彼女の言葉に少し眉をしかめて言った。


 「まさかとは思うが、今回相手をした者達からは……」

 「あくまで母としての私の意見です。当人達は酷く落ち込んで、現在は猛練習中です」

 「それを聞いて安心したよ」


 軍の基地にあるシミュレーターを西坂空軍中佐の息子に使わせた。

 普通はそのような事はしない。

 だが、先だっての【レヴィアタン】との海戦の結果が現状をもたらした。

 軍としては優秀な人材は喉から手が出る程欲しいが、それには切実な理由がある。

 例えば、今回の【レヴィアタン】との戦闘での死者は決して少ない数ではなかった。そもそも今回の戦闘は想定外の事態から発生したのだ。素直に割り切って【レヴィアタン】には手を出さず、その吐き出した群れに対しての迎撃戦に今回は徹しておけば良いものを、近隣海軍の一部暴走のお陰でこちらにも想定外の被害が出た。

 そんな中で起きたベッドタウンの一つへの小規模集団の襲撃。

 この中で中佐の息子が初コネクト、初撃破を果たした。その結果として得たポイントは合計310ポイント。この数字はトップパイロット達の総計ポイントとして見るならば大した数字ではないが、初陣で得たポイントとしては異常だ。

 幸い彼は既に軍に入る事を決めているという。

 それならば、ほんの少し時期を早めて、シミュレーターの使用を許可してもいいだろう、という声が上がるのは必然だったかもしれない。空陸海、いずれに入るかで機体の色も変わる。たかが1ポイント、されど1ポイント。1ポイントだって『悪魔』を最低一体は撃破しないと手に入りはしないのだ。

 

 結果は誰もが想定外の内容だった。

 空戦に異常なまでの適正を示した弘智はシミュレーションではあるがベテラン一個小隊との模擬戦に勝利、『悪魔』との戦闘でも無論生まれたばかりの弱い個体が相手で、『オーガニック』は強めの機体とはいえ圧倒的なスコアを叩き出したのだ。

 お陰で、落とされた面々は酷く落ち込んでいる。

 まあ、実際には最初に子供に教えるような感覚で手抜き+油断がおおいにあった事、そのお陰でいきなり二機が叩き落とされたのは事実だが……。


 「で、彼が選んだ『飛行機能』は重力制御と……」

 「……正確には+α、です」

 「……普通なら通常の飛行機能の選択を進める所なのだがな」

 

 今回はやむをえまい、そう溜息をついた。

 軍では推奨という名の必須スキルが幾つか存在している。

 

・通信機能:Lv1 10P

 通信能力を得る。翻訳も自動で行ってくれる画像つきの通信機能

 ただし、通信距離は最大でその惑星圏内辺りが前提(光速を超える事はない)


・外部記憶機能 10P

 外付けの記憶装置

 コネクト対象者の記憶・計算容量を拡大する

 コンピュータ並の計算能力と記憶能力を得る

 (※推定ながら最低でも量子コンピュータ並)


 この両者は最低限取る事とされている。

 前者は戦闘で通信出来ないなど連携も何も出来ず、まともな戦力になるはずがない。

 後者は純粋な丸暗記能力による研修期間の短縮というだけではなく、細かな弾道予測などの計算も関わってくる為、同じく戦闘を行う軍に入るなら必須。更に。


・探知能力:Lv1 10P

 暗視能力、赤外線、ニュートリノ、重力子その他のセンサー機能を得る

 

・探知能力:Lv2 20P

 探知能力をレーダーなどの超広域探知に拡大する


 探知能力のLv3(30P)ともなればそれこそ星系レベルにまで拡大するのだが、現状はそこまで必要ないだろう。

 だが、Lv2までは欲しい所だ。

 ここまでの合計が50P。

 そして、飛行機能だが……通常一番取得されている飛行機能を得るのに必要なポイントは50だ。

 だが、これは通常の、といっていいのか分からないがジェットエンジンと機構としては同じ系統に属するシステムによるものだ。すなわち莫大な推力で強引に飛行させる。

 これに対して、重力制御は早い話が空に、横に「落ちていく」事で結果的に空を飛ぶというものだ。

 しかし、前者は人類には長い積み重ねによる飛行技術の蓄積があったが、後者にはない。

 一から経験を積もうにもそんなものを今更研究している時間がなかったというのも大きい。これが恒星間航行技術、みたいなものであれば研究する価値もあっただろうが、代用の効く技術であった為に後回しにされた訳だ。

 重力制御自体は他に「限定」で内部に対してのみ発動するものなどがあるのも大きい(宇宙船の艦内重力制御などに用いられる)。

 応用は極めて広いが、慣性制御と合わせればセット価格で少しお得とはいうものの100ポイントを必要とするのも後回しにされる理由だ。少しでも戦力が欲しい航空戦力で100使って重力制御で空を飛ばなくても、それだけあれば空を飛んで武装を強化する事が出来る、という訳だ。単独では慣性制御は70ポイントかかる為、後で余裕が出来たら取ればいい、という訳だ。

 だが、今回はどうせ最初から多めのポイントを持っている上に、小学生の肉体な為に慣性制御があった方がいい、という事で承認された訳だ。

 子供の体では大人と同じように飛行時の重力に耐える、という訳にはいかない。


 「まあ、基本を抑えておけば、後は武装強化を素直に取ってもらえばいいだろう。ある程度の推奨はしたんだろう?」

 「はい」


 けど、子供がちゃんと聞いてくれるかしら?

 変な事をする子ではないと思うが、イタズラだってするのが子供だ。どうにも不安になる西坂母であった。

 ちなみに西坂父は現在も前線基地を担当している為、未だ帰れていない。


~~~


 さて、母に心配されていた弘智だったが……。

 

 「『初回限定!特殊機能をゲット』?」


 その頃、そんな文字を発見して目を輝かせていた。


『現スキル』

 【パッシブ】

  ・外部記憶機能

 【アクティブ】

  ・飛行機能:重力制御/慣性制御

  ・探知機能:Lv2

  ・通信機能:Lv1

  ・高速振動剣:Lv1

  ・マシンガン:Lv1

 【残/総ポイント数:160/310】


ちょっとややこしいかもしれませんが今回の飛行のポイント数について

・熱核タービンでも何でもいいですが…飛行:50


・重力+慣性制御による飛行:100


・飛行+慣性制御:120


・飛行を取った上で改めて重力制御/慣性制御セットを取った場合:150(うち飛行50)


一見すると最初から重力慣性制御飛行取れよ!って思うかもしれませんが……

ただ空を飛ぶだけなら50あれば十分になります

まずは空飛べるようになって武装整えるのが重要なのに貴重なポイントを倍も使ってまでやってる余裕なんてねーよ!というのが本音ですね

でも慣性制御まで考えたらお得なんじゃ?と思うかもしれませんが……大気圏内の航空戦闘やるならとりあえず飛行だけで十分なんですね

ちなみに


・変形前提の飛行:30


というのもありますが、変形機構に30必要な上、変形してから飛ぶせいで飛行中は白兵戦闘が不可になるという欠点を抱えています

まあ、変形にはそれ以外にもお得な派生がありますし、変形前提の地中潜行:30とかで他も合わせるとお得になったりします


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